帯広市議会議員 小森ただなが

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一般質問

平成18年第3回6月定例会

質問1回目

12番(小森唯永議員)  市政クラブを代表して質問いたします。
 この4月に砂川市長は見事3選を果たされました。十勝・帯広の将来を見据えた数々の公約を掲げ、この4年間はその達成に全力を挙げて取り組まれることでしょう。
 私は、市長の執行方針中、1、十勝型リサーチ&ビジネスパーク構想、2、コンパクトシティ構想について、3、田園都市づくりの考え方についてお伺いをいたします。
 今までの十勝の基幹産業の一つであった公共事業は、財政削減の影響と地方財政の冷え込みにより、もはや回復できない状況ではないかと思われるほど落ち込んでおります。
 もう一方の基幹産業の農業は、ここ数年2,000億円の大台は確保はしているものの、石油を初め生産資材の高騰、消費の低迷による生産過剰、価格の低迷、そして何よりもWTOの交渉結果による価格の低下と外国産農産物の流入の不安等であり、お隣の釧路水産の二の舞になる可能性すらあります。
 日本農業は、高収入を目指すため、多農薬多肥料栽培であります。ちなみに肥料で見ますと、日本は1ヘクタール当たり269.6キロでありますが、米国では108.4キロであり、カナダ50.2キロ、オーストラリア46.9キロ、フランス202.6キロと、他重要農産国よりかなり多い状況にあります。
 要するに、その分生産費が高くなり、高価格な農産物となるわけであります。しかも、その作付面積と収量は年々減少の一途をたどっております。昭和60年には2,342万ヘクタールだったものが、平成15年には1,665万ヘクタールに減少し、収穫量も昭和60年1,166万トンだったものが、平成15年には779万トンまで落ち込みました。食料自給率も40%がやっとという状況であります。しかし、それでも生乳などは生産過剰に陥り、現在生産調整が続いております。
 なぜこのようなことが起こるのか。日本の農畜産物の価格が高いため、商社等が外国の安い農産物を輸入するためと考えられております。このままでは十勝農業を初め日本の農業は大変な打撃を受けることになります。
 そこで、現在、数々の打開策が考えられるようになりました。市長公約にあります十勝型リサーチ&ビジネスパーク構想であり、それと共通した事業に都市エリア産・学・官連携事業があります。平成10年には、北海道でクラスターを通じた北海道地域産業を興したいとの共通の理念を持った企業、産・学・官による協働の創造活動が始まりました。札幌地区でその中心的な役割を果たしてきたのが、平成13年に北海道地域技術支援センターと北海道科学産業技術振興財団が統合して北海道科学技術総合振興センター、(通称)ノースティック財団が誕生いたしました。
 ノースティック財団の目指すところは、科学技術の基礎研究から事業化、実用化まで、一貫した支援活動や産・学・官連携による各事業を実施することにより、北海道の産業の振興と活力ある地域経済を実現に資するため、先導的な役割と適切な支援を行うとあります。
 その結果北大の北キャンパス内に研究成果活用プラザ北海道を立ち上げ、北大を中心に、道の試験研究機関、北海道、札幌市、北海道経済産業局、北海道経済連合会、TLO、道内他大学連携等が主な構成団体であります。
 新技術の創出約570億円、新技術の企業化約150億円、研究交流支援約80億円、科学技術情報約140億円、科学技術理解増進約60億円の経済効果を見込んでおります。
 十勝型R&BP構想は、地元に畜産大学を有していたのですから、もう少し早く取り組むべきでしたが、この構想実現を目指す方針には大賛成であります。
 また、道では、地場産業の振興と育成という大きな目標に向かい、地域の有力な大学を核にして、行政機関が企業と一体となった取り組みを進めるべき地域として道内6カ所を選定し、そのうち3カ所が国より認定され、事業が予算化されました。1カ所目は、札幌の知的クラスター創生事業であります。2カ所目は、水産を中心とした函館の都市エリア産・学・官連携促進事業であり、3カ所目が農業関連の帯広都市エリア産・学・官連携促進事業であります。今年2月には、血中コレステロール低下作用を持つ長芋の漬物が渋谷醸造と畜産大学の共同開発として、またこのほど帯広畜産大学の福島道広助教授らが発表したジャガイモのペプチドによる善玉コレステロールを増加させる効果の発見などは、まさにこの事業から創出されたものでありました。
 さらに、これとは別に、国は十勝において、地域科学技術クラスターを調査し、調査を平成17年から19年まで行い、十勝における地域クラスターづくりの詳細なデータを作成し、今後、農業、食品バイオでの施策の具体的な政策提言が行われることになりました。
 国においては、総合科学技術会議の方針を受け、科学技術振興機構が中心となり、東京大学、横浜国立大学、三菱総合研究所、地元では地域ワーキンググループを設置して、情報提供やインタビューに協力するとなっており、既に数回の会議が開かれたと聞いております。提言結果によっては、国からの予算を受け取ることになり、今後、十勝農業、地場産業、地元研究機関や公共事業関係者に非常に大きな影響が出るものと予測されます。すなわち、日本の中心食料基地としてのあり方、食品バイオとして将来性が論議、提言されることであり、十勝での新産業や先端技術開発予算にもつながる重大な調査であります。
 そこで、お伺いいたします。
 1、市長の考えている十勝型リサーチ&ビジネスパーク構想とは、具体的に何を意図しているのか、どのような事業を考え、その規模はどのくらいで、目標年度はいつごろなのか。
 2、十勝型リサーチ&ビジネスパーク構想は、当然本市だけで進められるものではなく、今後管内他町村との連携はどういう組織を持って、いつごろより進められるのか。
 3、R&B構想は、畜産大学との連携は欠かせないものでありますが、具体的な構想は進んでいるのか、また企業との連携も必要不可欠な条件でありますが、具体的な話し合いなどは行われたことがあるのか、あればその内容は。
 4、昨年文部科学省から指定された都市エリア産・学・官連携促進事業は、本市ではどのような経緯で決定されたのか、そしてその本市での対応はどのようになっているのか。
 5、昨年度から実施されている地域科学技術クラスター調査の途中経過は現在どうなっているのか。
 次に、公約及び市政執行方針に掲げた中心市街地活性化に向けたコンパクトシティ構想であります。
 日本で言うコンパクトシティの実践例として、全国で注目を集めているのが青森市や神戸市、佐世保市であります。
 青森市では、コンパクトシティについて次のようなやりとりがありました。市が推進しているコンパクトシティ構想は全国から注目を集めていますが、一般市民にとってのコンパクトシティのメリットはとの質問に、本市のコンパクトシティ構想とは、既存の中心市街地の活性化と郊外開発の抑制を一体的に行うことにより、これまで培ってきた社会資本の有効活用と郊外の農業、自然環境を守っていこうとするものであります。今後も少子・高齢化、人口減少が進む中、住宅需要を超えた開発は、結果的に空き地や空き家をふやすことになり、市民の安全で快適な生活を脅かすことが懸念されます。また、市街地の拡大は、道路や下水道などの整備、それに伴う除雪費や維持管理費など多大な費用が必要となります。コストを考えた都市経営、持続的なまちづくりは、結果として市民の皆様にとっての安全性、快適性、経済性の面でメリットがあると考えておりますとあります。
 本市でのコンパクトシティ構想には、人口減、高齢化などで中心市街地の空き地、空き家が増加する状況に対処し、中心市街地を核に都市機能を再編し、拡大志向のまちづくりからコンパクトシティへと方向を大転換するものでしょうか。これまでのところ、市長公約の同政策は、単に中心市街地の活性化対策であると受けとめられているようでありますが、基本認識に違いはないのでしょうか。イトーヨーカドーを初め中心地の空洞化は、まちの活性化とともに、景観上何らかの対応をしなければなりませんが、コンパクトシティ構想実現には、全体を見渡した総合的な都市機能の構築が必要であります。緑豊かで散策ができ、一日じゅう楽しんで過ごせる中心地は、だれもがあこがれるまち並みであります。
 そこで、お伺いいたします。
 1、本市が目指すコンパクトシティ構想でありますが、具体的な方針と内容を市民にわかりやすい形でお示しいただきたい。
 2、まちづくりビジョンを策定するとのことでありますが、このビジョンとコンパクトシティ構想とはどう関連づけられているのか、また次期総合計画にはどのように位置づけられているのか、基本的な考えをお示しいただきたい。
 3、コンパクトシティ構想の中ではどういう人たちを集めようとしているのか。住民なのか、または管内の人たちなのか、観光客なのか。
 4、中心市街地活性化といえば、駅前から西二条平原通、広小路及びイトーヨーカドー跡などが主なものとして考えられますが、これらの活性化方針と中心地の駐車場対策は。
 5、本市では、平成15年に緑の基本計画に沿って都心部の緑化が進められていますが、残念なことに都市計画地内の緑被率は23.5%しかなく、国の目標である30%を大幅に下回っています。また、緑の豊かさが実感できる緑視率は30%から40%と言われておりますが、本市はわずか18%しかありません。都心部の緑化は、基本計画に沿って進んでいるのかについてお伺いいたします。
 次、未来に向かって輝く田園都市づくりについてであります。
 つい先日、とかち大平原田園博物館がオープンいたしました。農村部の景観や旧跡、古い農機具展示や農村情報発信と、十勝農業を全国に売り出す第一弾となるものです。
 十勝平野の雄大さは、空からや峠から見ると、日本はもとより、外国にも引けをとらない雄大な光景で、日高山脈とのパッチワーク風景は日本を代表するものであり、農業の原点ここにありと言わしめるものであります。輝く十勝の農村風景を全国に紹介しようではありませんか。ひいては、十勝ブランドの発信と向上につながるものと考えます。
 しかし、十勝における農村景観は、現在ほとんど知られていません。農林水産省が選定している農村景観100選には、北海道からは富良野市麓郷、東町東川、美瑛町美瑛、清里町清里、中標津町北開陽の5カ所でありますが、残念ながら十勝地方からは一カ所もありません。
 富良野市麓郷、広大な丘陵地の圃場に作付された作物は、それぞれの収穫時期を色彩豊かに表現し、美しい緑の景観を提供している。東町東川、田植えが終わった新緑のころ、整然とした田園に芝桜が咲き誇り、甘い香りがあたり一面に漂っている。美瑛町美瑛、まちの大部分を丘陵地が占めており、その斜面を利用した畑が丘のまちと言われる美しい農村景観をつくり出している。清里町清里、オホーツク海に面した斜網地帯の景観は、整然とした農地と防風樹林帯による豊かな地域生態系を現出させている。中標津町北開陽、牧草の育成を守る耕地防風林が広大な丘陵地帯に整然と配置され、地平線のかなたには北方領土、国後島が神秘的に浮かんでいると紹介されております。
 府県には農地と農家建物で100選に選ばれているところが、山形県長井市平野、新潟県高柳町萩ノ島、福井県宮崎村宮崎、岐阜県白川村萩町、京都府京都市北嵯峨、島根県斐川町黒目、広島県東広島市吉川、愛媛県内子町石畳などが選定されておりますが、大半の農家住宅及び農業用施設は同じ色で統一されております。大変に参考になる事例であります。
 そこで、お伺いいたします。
 1、大平原田園博物館がオープンいたしましたが、これとは別に十勝景観向上施策や農村部の観光も含め具体策は考えられているのか。
 2、市長は、大平原博物館がオープンし、リアルタイムの農村情報を発信して、十勝を全国に知ってもらいたいとありましたが、そのような情報はどのように流されているかについてもお伺いいたします。
 以上、2問目の質問を留保し、1問目の質問といたします。
◎砂川敏文市長 小森議員の代表質問中、初めにリサーチ&ビジネスパーク構想、これについてお答えいたします。
 この新しい言葉の印象でございますけども、リサーチ&ビジネスパーク構想、私ども十勝としてこれから進めていきたいというふうに考えてございます。
 十勝の産業振興ということになりますと、基幹産業の農業を核として関連産業を振興する、そうした地域内発型ということが基本になるものと考えているところであります。これまで帯広畜産大学を中心にしまして、生命科学分野の卓越した研究拠点を形成する21世紀COEプログラムや都市エリア産・学・官連携促進事業の推進など、それぞれ地域資源を生かした先進的な研究開発が進められてきているところでございます。今後はさらに畜産大学を初め、国立あるいは道立の農業試験場あるいは道立の食品加工技術センター、さらには十勝産業振興センターあるいはとかち財団などの地域におきます試験研究機関の横断的な連携のもとに、より効果的にこうした研究開発を進めて、新しい技術、新しい製品の開発を通じて、地域経済の活性化に結びつけていきたいと考えているところでございます。
 具体的な事業につきましては、今後の構想づくりの中でまとめていくことになりますけれども、畜産大学などの研究開発機能の一層の充実強化、それから各機関の連携によります研究開発プロジェクトなどの検討、研究開発成果をもとにしました企業化あるいは事業化、産業化などの推進が構想づくりの主な項目になってくるものと考えているところであります。
 また、この構想におきましては、畜産大学との連携、協力ということが最も重要な事項になりますことから、昨年の6月に帯広市と畜産大学との間で締結されました地域の発展と人材育成に寄与することを目的とした包括的連携協力に関する協定に基づきまして、この構想にかかわる具体的な連携、協力の内容について、今後協議を進めていく考えでございます。
 特に新たに制度化されました自治体とともに地域振興に取り組む地方大学を国として支援する、いわゆる地域の知的拠点再生プログラムにつきましては、先月帯広市を会場に開催されました内閣府主催の構造改革特区等の説明会におきまして、畜産大学の担当者とともに相談を行ったところでありまして、他の資金の活用なども含め、幅広く議論をしていきたいと考えているところであります。
 また、企業や管内町村との横断的な連携も重要になってきますことから、幅広く御意見をお聞きしながら構想づくりに取り組んでまいりますとともに、しかるべき段階におきましては、町村会などにも参画をいただきたいというふうに考えているところであります。
 また、都市エリア産・学・官連携促進事業につきましては、農畜産物に特化したライフサイエンス領域として、地域の産業に貢献することが期待できますことから採択をされたものでございまして、現在、帯広畜産大学を初め関係機関におきまして、精力的に研究が推進されております。
 先月でございますけども、5つの研究テーマについての中間発表が行われまして、地元農畜産物を活用した研究開発が着実に成果を上げつつあるものと認識しているところであります。
 帯広市は、昨年、これは都市エリアの所管の省庁でありますが、文部科学省に対しまして、北海道地域とともにこの本事業の共同提案者となりましたほか、成果発表会の開催など、情報発信にかかわる支援を行ってきております。今後の商品化などを通した地域産業の活性化に大きな期待を寄せているところでございます。
 さらに、国は、昨年度から関係府省の横断的な連携のもとに、推進すべき8つの科学技術のテーマ、8つを定めまして、科学技術の研究をより効果的に推進するための検討を開始いたしました。十勝では、地域科学技術クラスター形成の全国3地域の一つとして、アグリ食品、バイオ分野における調査研究が行われております。現段階では、地域の研究支援の抽出や関連産業及び他産業との連携イメージなどの検討が始められたところでございまして、平成19年度までの間、調査研究を重ね、今後の国の科学技術政策に反映されることになっておりますことから、今後の構想の検討におきまして、これらの調査研究についても十分に参考にしていく考えであります。
 次に、コンパクトシティ構想についてお答えいたします。
 これまで我が国の都市の多くは、人口の増加ということを見込んで市街地の拡大を図ってまいりました。また、都市計画の制度自体も拡大型の都市づくりを容認するものとなっておったところであります。しかしながら、少子・高齢化の進行などによります社会の変化は、今後の都市のあり方に大きな影響を及ぼすことが想定されます。これまでの拡大型の都市づくりからの転換が求められる時代になってまいりました。モータリゼーションの急速な進展やそれに対応した郊外型の大規模集客施設の立地が進み、中心部の居住人口の減少が進行するなど、中心市街地の衰退が全国的な社会的問題になってございます。
 帯広市においても例外ではなく、都市の拡大とともに、郊外部に大規模集客施設などが立地する一方で、中心市街地の衰退が進み、中心市街地の活性化がまちづくりの大きな課題となってきております。
 さきに成立しましたまちづくり三法の見直しにつきましては、都市を取り巻く経済社会状況の変化に対応して、これまで蓄積された社会資本の有効活用によりまして、都市の経営コストを縮減し、将来に向けて持続可能なまちづくりへと転換を図るための法制度面からの誘導支援策と受けとめてございます。
 帯広市では、これまで田園都市ということを都市像としてきました。外縁部を帯広の森で囲む、言うなればそういう一面ではコンパクトな都市を目指したまちづくりと言えるものを進めてきたわけでございます。その意味では、ほかの都市と比較しましても、そうした理念が息づいたまちであると考えているところであります。
 平成15年には都市計画マスタープランを策定しまして、拡大型の都市づくりから既存活用型のまち使いへ、これを今後の基本方向として掲げまして、コンパクトで持続可能なまちづくりを進めることとしております。
 今後、新たな中心市街地活性化法に基づきます基本計画や次期の帯広市の総合計画の策定作業などが始まりますことから、それらの作業と連動しながら、コンパクトなまちづくりの具体的な方向を示していきたいと考えております。
 中心市街地の活性化のためには、商業の活性化はもとより、近年の中心部への人口回帰をさらに加速させる、いわばまち中居住、こういったことの推進や十勝・帯広の顔としての魅力づくりなどによります観光客、交流人口の誘致など、多様なにぎわいを再生、創出することが必要でありまして、国の新たな支援制度なども十分に活用しながら、多面的な取り組みを進めていきたいと考えております。
 次に、駅前から西二条通、平原通、広小路などの商店街の活性化についてでございますが、空き店舗対策とイベントなどのにぎわいを生み出す仕掛けづくりが主な取り組みになるものと考えているところでありまして、これまでもTMOであります帯広商工会議所が実施している空き店舗での開業支援モデル事業や商店街などが実施するイベントなどに支援をしてきているところであります。
 また、ことし実施されます歩行者天国には、多くの市民団体の皆さんが参加する予定でございますが、活性化のためには、このような市民の皆さんの自主的な活動が重要であると考えているところでもあります。
 また、旧イトーヨーカドーのビルにつきましては、これまで商工会議所さんが再オープンに向けて取り組んできておりますが、その結果、地元スーパーが出店の意向を表明するなど、明るい兆しも見えてきたところでございます。
 駐車場対策につきましては、商店街連合会が実施しております共通駐車券事業や市営駐車場の30分無料化、さらには今回議会に提案させていただいております回数券の大口購入割引制度の導入など、より利用しやすい環境づくりに努めているところであります。
 次に、市街地の緑化についてでございます。
 緑化推進施策や市民活動によります緑づくりを総合的に推進しまして、緑豊かで、自然と人に優しい都市環境の形成を図りますために、帯広市は、平成15年に緑の基本計画を策定したところであります。
 中心市街地につきましては、緑の量が少ない状況にあったと思いますが、駅周辺土地区画整理事業や街路整備事業によります街路樹の植栽を進めたことによりまして、徐々に緑の量は多くなってきております。今後、街路樹の生長に伴い、緑のボリュームアップが図られるものと考えてございます。
 また、駅前の北口の駅前四季彩広場の花壇整備や商店街の皆さんによります植樹ます等への花植えなど、地域による取り組みも進められておりまして、緑づくりは着実に進んできているものと考えております。
 今後とも緑の基本計画に基づきまして、地域と行政が協力し、市民の緑化意識なども高めながら、緑づくりを進めていく必要があると考えているところであります。
 次に、田園都市づくりの考え方であります。
 田園空間整備事業、いわゆるとかち大平原田園空間整備事業でありますけども、これは帯広市、それから芽室町、さらに中札内村のエリアに存在します農村地域の景観とか、あるいは農業関連の施設等あるいは農村の文化、農業の文化、そこに住む人などを一つのあえて言えば展示物と見立てまして、農村の地域全体を屋根のない博物館というふうに見立てまして整備し、そこから広く情報を発信することで地域の活性化を図ろうとするものでございます。その中核の施設であります「とかち大平原交流センター」がこの4月にグランドオープンしたところでございます。
 農村部には、帯広市が支援します景観緑肥による景観あるいは耕地防風林の景観ほか、すぐれた観光資源が数多く存在してございます。今後こうした観光資源を有機的に結びつけまして、広域モデルルートの設定など、ソフト施策の展開を進めていきたいと考えているところであります。
 御質問の情報システムの件でありますけども、この田園空間整備事業によります情報システムにつきましては、地域の農業者やこの地域を訪れた方々が手持ちの携帯電話を利用しまして、そのところどころで得られた情報、さまざまな情報を気軽に受信あるいは発信することによりまして、相互交流を図ることとしたものでございます。
 当面、当初は公共的な情報や、あるいは地域の農業者の方々がそこの地域にある情報を発信することになりますけれども、その後はこの地域を訪れた方々がこの地域で得られました新たな情報をみずから発信していただいて、インターネット上においてだれでも見ることのできるようになるものでございます。
 地域のさまざまな活動が情報の発信にとって重要でございまして、体験圃場や、あるいは旧農家住宅を使った農業体験やソフト施策の展開を大平原交流センターを核にして進めていきたいと考えているところでございます。
 以上です。

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質問2回目

12番(小森唯永議員)  科学技術は、今日の社会、経済を支え、あすへの投資となるもんであります。科学技術は、この50年以上にわたって、アメリカにおける経済成長の大部分にわたって寄与してきました。特許料収入の世界一はアメリカで281.8億ドル、2位はイギリスで129.4億ドル、3位は日本で67.4億ドル、アメリカの4分の1程度しかありません。
 日本は、今日まで農業のほとんどをアメリカからの技術と生産資材の供給を受けたものでした。つまり、アメリカと同じ生産方法をとり、生産を上げてきたのです。1つ違う点は、生産費が高いことです。アメリカにとっては、自国と同じ生産資材を必要とする日本は、大変にいいお客さんなわけであります。
 ちなみにヨーロッパは、小・中規模の農家が多く、生産費は高いのですが、牛乳などは自家加工して付加価値を高め、販売しております。ここにも日本農業の問題点を感じます。
 しかし、日本の工業製品の販売はまだ順調で、外貨準備高は現在でも世界一、8,352億ドルであり、第2位の中国6,155億ドルよりも多くなっておりますが、近年中国の伸びがすごく、年間で日本は120%の伸びに対し、中国は150%の割合で伸びており、日本が追い越されるのは時間の問題であります。この高い工業販売高が農業における食料自給率の低下を招いている一因でもあります。
 さて、話を本題に移しますが、十勝型リサーチ&ビジネスパーク構想の目的は理解いたしました。今回はかなり具体的にしっかりした計画と見てとれます。しかし、北海道が提唱しているR&BP構想は、道央圏重視であるかのように見えます。道は道央圏には予算をつけるが、地方圏への支援は期待できず、十勝の道立食品加工技術センターでさえ大幅に予算を削減している今日、本当に北海道が支援をしてくれるのか、不安な要素も多々あります。
 畜産大学も博士課程を持ち、研究体制は充実してきたように見えます。しかし、特許の出願率を見ると、平成16年で北大65件に対し畜大14件、平成17年度、北大73件に対し畜大17件とまだまだ水をあけられています。本市としては、構想実現に向け、確固たる不退転の立場で取り組まなくてはなりません。
 ここで伺います。
 1、今回スクラム十勝を立ち上げ、畜大、国、道の試験場との連携が取れたわけですが、実需者と言われる一般企業や農業団体の意見も取り入れなければいけませんが、今後どのような計画を持っているのかをお伺いいたします。
 2、今伺った計画では、即実践的な研究のように感じましたが、北大で行っているようなもっと高度なDNAやゲノム、糖たんぱくといった研究にも波及すべきと考えますが、そのお考えは。
 3、私は、この際畜大を中心にこれだけ重要な研究開発を行うのですから、全国に向けて畜大を中心としたバイオバレー構想の宣言を行ってはどうでしょうか。
 4、今回マジソン市との姉妹提携を行うわけでありますが、この際畜産大学とウィスコンシン州立大学の交流を進めるようにしてはいかがでしょうか。具体的には、2年の教育課程が終われば、専攻課程はどちらの大学でもいけるようになれば非常にすばらしいのですが、市としても橋渡しはできないものでしょうか。
 次に移ります。
 1990年代に欧州各国で取り上げられたコンパクトシティ計画政策化がようやく我が国でも具体化始めました。1990年代後半に、一部の自治体の総合計画などに限定して取り上げられたコンパクトなまちづくりは、国土交通省、経済産業省に2006年度重点予算要求の中で再び取り上げられたことで、今日では全国的なブームとも呼べるほど関心が高まっています。その背景には、財政的にも人口減少、高齢化社会の到来からも、従来の都市政策からの転換を求められているためであります。さらに、都市形態を考慮しなければ深刻化している中心市街地の空洞化、衰退に対処し切れないと気づいたためであります。
 各自治体でも、さまざまな構想、計画が立案され、それぞれの地域特性や課題に対応した特長があり、環境、市民の主体性が強調されている点に若干の違いはありそうです。先ごろ、どうも推進への基本方針を策定し、高橋知事が7月にも成案としてまとめるとあります。
 急激に進む人口減少や産業構造の転換などから、中心市街地の衰退が深刻化する中で、同方針は、人も施設も街中にまとめるようなまちづくりを進める。車のないお年寄りでも安心して暮らせるようなコミュニティを再生させるねらいであります。
 しかし、本市におけるコンパクトシティの構想は、本市独自のものでなければなく、単に中心地の活性化のみならず、総合的な本市全体のまちづくりを考えなければなりません。
 コンパクトシティの先進地であるヨーロッパの地方都市を幾つか訪問してまいりました。第一印象で感じたことは、まちの中心部にまちの顔があること。それは観光名所であったり、教会であったり、イベント広場であったり、公園だったりします。いずれにせよ、まちの誇りであります。必ずと言ってよいほど大きな木があり、その下にベンチが置いてあり、オープンカフェになっているところもあります。市民が飲んだり、食べたり、ショッピングをしたり、憩いの場であります。
 本市のコンパクトシティの構想の内容をお伺いいたしましたが、具体的な計画が見えなく、どうもいまいち実感が沸きません。私の理想を言わせてもらえば、あの歩道を広くした西二条平原通になぜ大きな並木通りがないのか、帯広の森を批判するつもりはありませんが、市民は植樹祭と育樹祭しか行ったことのないところに多額の造成費をかけております。遊歩道や憩いの場をどうしてつくらないのでしょうか。将来はすばらしい森になるかもしれませんが、今やらなければならないことは、街中に人が集まる街中をつくることであり、街中の植樹であります。
 そこで、お伺いいたします。
 本市の緑被率も、緑視率も全国または全道平均と今伺いましたが、都心部の街中を見ますと、印象に残る緑は明らかに少ないと感じます。公共緑地のさらなる整備とともに、民間緑地の協力を要請すべきと考えますが、いかがでしょうか。
 2、現在、西二条平原通は試験的にオープンカフェを出すとのことですが、夏期の間継続して認めてはいかがでしょうか。申請書を出してもらえば、その店の間口の分だけ認めるようなことはできないのでしょうか。
 3、広小路を朝9時から夜9時まで歩行者天国にしてはいかがでしょうか。もちろん警察の許可は必要でしょう。ここもオープンカフェにして、通年でイベントが毎日行われるようにすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 4、中心地の駐車場の問題であります。大型店舗が郊外に移った要因の一つに無料の駐車場があり、市民や消費者もそのために大型店に買い物に行くわけです。また、今回改正された道路交通法により、短時間でも駐車ができなくなり、ますます中心部には行きにくくなりました。
 そこで、市営の駐車場は終日無料にしてはいかがでしょうか。市営駐車場の収支を見ますと、4駐車場合計の使用料は、17年度見込みで1億1,595万円でありますが、利益は合計で2,398万円であり、大半が管理費であります。問題は少ないと考えます。問題となるのは、民間経営の駐車場でありますが、10年間の暫定措置をとり、補助金等の支給を行ってはどうでしょうか。
 次、大平原田園博物館のオープンは、大変喜ばしいことであります。私は、この際、本市の農村全体を文字通り博物館にできないかと考えています。平成15年9月に農林水産省が作成、公表した「水とみどり『美の里』プラン21」を受けて、住民の自発的な美しい農産漁村づくりの実践活動を支援するために、その基本的な考え方と進め方について、緑の里づくりガイドラインが作成されました。行政と住民がともに魅力ある地域づくりを行うわけであります。農村部に暮らす人々がみずからの地域の魅力と固有の価値に気づき、再認識が生まれつつあります。地域社会の持つ運営機能を再び活性化させ、自分たちでできるところから、身近なところから魅力ある農村づくりに取り組もうとする動きです。
 また、自治体では、自然環境の保全のみならず、地域の景観、地場産品のPR、歴史的なまち並みの保存を初めとして、建物と地域景観の調和に関する手続などを定めた景観条例の制定に取り組む動きが活発化しています。こうした自主的な取り組みが地域の魅力を高め、都市に住む人々を引きつけて、連帯の輪が広がるという好循環が生まれている地域もあります。
 ことしから我が国全体が人口減少社会に移行すると予想される中で、地域社会の運営機能を再構築し、協働して魅力ある地域づくりに取り組むことは、他地域との差別化を図り、地域社会を将来にわたって構築を維持する地域間競争の源泉であると言えます。
 また、平成16年6月には景観法が制定されました。都市、農山村における良好な景観の形成を促進し、美しく風格のある国土の形成、潤いのある豊かな生活環境の創出及び個性的で活力のある地域社会の実現を図るため、景観に関する国民共通の基本理念や国、地方公共団体、事業者、住民それぞれの責務を定めるとともに、広域性や公共施設の特例、支援の仕組み等を定めたものです。
 景観に関する法制度としては、これまでにも都市計画に基づく美観地区、風致地区及び伝統的建造物群保存地区といった地域地区や地区計画制度、古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法による個別の制度がありました。景観そのものを整備、保全するのが目的で、我が国では初めて制定されました。景観は、現在及び将来にわたって国民共通の資産であることから、法の美しく風格ある国土の形成、潤いのある豊かな生活循環の創造及び地域社会の健全な発展に寄与するという目的を達成するために、各地方公共団体が法に基づく諸制度を適切に活用していくことが求められています。
 このように、国の支援のもと、本市独自の景観をつくることが可能となりました。日本でも景観条例を制定しているところが数多くありますし、ヨーロッパの各国では、農村の建物の色及び外観、高さ等、厳しく制限されています。それがすばらしい景観を構成している原因であります。
 以下、伺います。
 農村地区の屋根及び壁の色を指定して、時限を決めて塗りかえれば補助金を出すなどの施策は考えられませんか。もちろん国の法及び助成も視野に入れての話であります。
 2、現在中札内村で行われている農村の廃棄建築物及び大型機材の処理に一定の補助金を出す。
 3、各農場の看板の統一を図り、並木の整備も行う。
 4、上記規約づくりのために、農業者、農協、行政、学識経験者等の検討会を立ち上げてはいかがでしょうか。
 5、大平原田園博物館がオープンしたこの際、本市でも景観条例を策定すべきと思いますが、そのお考えは。
 以上、2問目の質問とし、3問目を留保いたします。
◎砂川敏文市長 リサーチ&ビジネスパーク構想についてでございます。
 小森議員からさまざまな観点からこの構成に関連しましてお話をいただきました。地域の産業振興には、その地域のさまざまな実情やニーズを踏まえた幅広い検討が必要でありますことから、大学あるいは試験研究機関を初め、農業団体や、あるいは企業の方々にも検討組織の中に参画をいただきまして、ともに知恵を出し合いながら、リサーチ&ビジネスパーク構想の構想づくりを進めていきたいと考えているところであります。
 具体的な研究等につきましては、今後、帯広・十勝の地域資源、特性などを踏まえて検討することになるわけでありますけれども、お話のありましたバイオ分野を含めまして、研究の推進に必要なものは積極的に取り組むべきものであると考えているところであります。
 と同時に、この地域で完結できない場合は、ほかの大学や、あるいは研究機関等との連携、交流も重要になってくるものと考えているところでございます。
 帯広畜産大学では、ことしの4月に畜産大学としては初めての単独の大学院博士課程を開設しました。畜産衛生学分野における博士課程でありますが、これの分野のより高度な研究機関としてスタートしたところでもございます。
 バイオの分野につきましては、国におきましても、バイオテクノロジー戦略大綱などに基づきまして重視がされている分野であります。また、これから重点的に取り組むべき必要のある領域でありますことから、大学あるいは試験研究機関等の力を集めまして、一層研究が進展、促進されるように努めていかなければならないものと考えてございます。
 バイオバレーというお話がございましたけども、いずれにしましてもこの地域の研究開発等の取り組みにつきまして積極的に発信をしていく、こういうことが大事でございますので、さまざまな波及効果を生むという点からも大事なことだと考えておりますので、情報発信について大いに考えていかなきゃならないと考えております。
 それから、ウィスコンシン州立大学と畜産大学との交流というお話もございました。実は今議会に提案させていただいておりますウィスコンシン州のマジソン市との姉妹都市提携におきましては、ウィスコンシン州立大学マジソン校、これがマジソン市にあるわけでありますけども、ここと帯広畜産大学との学術交流についても視野に入れてございまして、交流の活発化に向けて支援をしていきたいと考えてございます。マジソン校の方でも、畜産大学については関心を示しているというふうに私は思っております。
 また、畜産大学におきましても、海外との単位認定を含む連携を積極的に進めてきておりますことから、交流促進の一環として単位の話もありました。そういうことも話題にしてみたいと考えているところであります。
 それから、中心市街地の活性化に関連して、オープンカフェの話もございましたが、確かに平原通、並木が大木がうっそうと茂っているというふうにはなってませんけども、今植わってる並木、あれはたしかアカナラという木だったと記憶してますけども、かなりの大木になる木でございます。成長も割合早うございますので、近い将来は立派な並木に成長してもらえると思ってます。そのときに、ぜひ余り木を邪魔にしないように、木を大事に市民の皆さんにもしていただきたいなというふうに思うわけであります。
 そういう中でありますけども、今国土交通省におきましては、警察庁とも協議をした上で、中心市街地や商店街などのにぎわの再生につなげるために、いわゆる歩行者天国やオープンカフェの設置など、道路敷を利用する場合のガイドラインを策定して、公共性への配慮や、あるいは地域の合意形成など条件は当然ありますけども、道路使用による中心市街地の活性化に柔軟に対応が始まったんでないかなと私も考えておりますので、そういうことも大いに利用していきたいなというふうに考えているところであります。
 帯広市では、土木現業所あるいは警察署の許可を得て、昨年でありますけども、中心部の商店街の皆さん等が中心になりまして、平原通の歩道にテーブルといすを設置しまして、市民の休憩場所として御利用いただいたという例もございます。
 今年度におきましては、さまざまな市民団体の皆さんが実行委員会を組織しまして、西二条及び広小路の一部を歩行者天国としてイベントなどの開催の場ということにするということを予定でありまして、街中のにぎわいづくりと地域コミュニティの再生、またまちづくりを担います人材の育成の場としても期待をしているところであります。今年度に続きまして来年度以降も継続的に実施できるように検討したいと考えております。
 駐車場につきましてですけども、中心市街地の活性化の課題ではありますけども、まち中の居住推進や都心部の魅力づくりなど、総合的な施策を展開することで進めていきたいと考えてございます。
 民間駐車場への補助の話もございましたけども、総合的な観点からの判断が必要となりますことから、この点は御理解をいただきたいと思っているところであります。
 次に、公共的な場所以外に民有地の緑化についてというお話がございましたけども、緑は人々に潤いと安らぎを与えるものでございますし、清涼感とか、あるいは快適性を高めるということと同時に、環境問題への効果も期待されるわけでございますので、また森と清流にはぐくまれて、人と自然に優しい緑豊かな田園都市づくりを進めていく上でも、中心街の緑はまちを印象づける重要なファクターであると考えてございます。これまで駅前広場や街路などの公共施設に植樹を行ってきているわけでありますけれども、公共空間には御承知のとおり限りがありますことから、今後店舗などの民有地の緑化の促進について考えていく必要があると考えておりまして、商店街の皆さんなどの理解と協力のもとに、地域に愛着を持って緑化を進めるため、地域と連携を深めながら取り組んでいきたいと考えてございます。
 次に、農村景観のお話がございました。地域の住宅の屋根等の色彩とか、あるいはサイン等を統一するというまちづくりは、お話しにありましたように、各地域で見られるわけでございます。そうしたことを通じて、地域の農畜産物のイメージアップにも大きな効果をもたらしているというふうに聞いてございます。
 帯広市の農村景観の取り組みは、農家看板の取り組みあるいは並木、コスモス街道など、地域づくり協議会の中で話し合われながら実施されてきているところが多ございます。これは全国的に優秀な、きれいな景観として、いろいろな地域のお話がありました。地域名を挙げてお話がありましたけども、それぞれ非常にすばらしい景観を保っているところでございますが、実は帯広・十勝のカラマツ並木、畑作地帯の農村景観、これは非常に評価も高いというふうに思ってございます。何年か前になりますけども、文化庁が残しておきたい、保存したい農村景観として、美瑛のあの丘陵地帯とか、富良野とか──北海道では──と同じように、十勝の農村景観、カラマツの並木等々、パッチワークのような、それも一つの同じ同列で保存したいということを言った経過もございまして、この十勝の農村景観は、決してほかのにまさるとも劣らないというふうに私は考えておりますけども、さらにそれに磨きをかけていく、それが地域のイメージのアップにもつながっていくというふうに思ってございます。
 これは大事なことは、その景観というのが自然にあるんではなくて、その地域の産業と、そこに生活する人々の生活、これをしっかりと支えながら、その結果として、あるいは並行してそういう景観ができ上がって、かつ保たれていくと、こういうことが大事だろうというふうに思ってまして、十勝の農村景観は、そのような状況に向かって今進んでいってる、いけるというふうに考えてますので、さらに意を払っていきたいなというふうに思っています。
 そういう意味では、地域の主体的な動きもございますけれども、生産者とか、農業関係団体等で組織されます帯広市農業施策推進委員会において、地域の関係者あるいは有識者、専門家等を含めた検討を進めまして、景観形成の環境づくり、意識の向上をさらに図りながら進めていきたいと考えているところであります。
 先ほども言いましたけども、農村景観の創造は、農業者などそこに暮らす人々の思い、あるいは生活と矛盾しないということです。それだけで成り立っているものでありませんから、生活等の中から生まれてくるということが長続きするし、立派な景観になろうというふうに思ってますので、そうした思いを大切にしながら、地域とともに景観のあり方についても研究していきたいと考えているところであります。

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質問3回目

12番(小森唯永議員)  アイルランドは、つい最近までヨーロッパで最も貧しい国と言われてきました。80年代まで失業率が17%前後で、消費者物価上昇率2けたというスタッグフレーション、不況時のインフレに苦しみ、IRAの爆弾テロなど、暗いイメージがつきまとっていました。アイルランドの小作人は、イングランドの地主に搾取され、長い間貧困にあえいでおり、できるものはジャガイモしかありませんでした。1840年代のジャガイモ飢餓でそれもだめになり、移民流出が加速しました。アイルランドの主要輸出品はアイルランド人だと言われたぐらいであります。現在のアイルランドの人口はわずか370万人ですが、世界人口にアイルランド系の移民は7,000万人以上いると言われております。
 そのアイルランドの1人当たりの国民総生産額が、最近日本を抜きました。アイルランドは、今日本より豊かな国となったのです。過去の数字を比べると、変化の大きさに驚かされます。1995年における日本の1人当たりの国民所得が3万1,658ドルで、主要国の中では断然トップでした。これはアメリカ2万4,341ドルの約1.3倍であり、アイルランド1万4,871ドルに比べると、約2.1倍でした。多くの日本人は、日本の経済力が高いのは当然のことだと考えており、アイルランドとの比較などしたこともありませんでした。それから9年たった2004年において、日本人の1人当たり国民総生産額は3万6,187ドルで、現在9位ですが、アメリカは3万9,752ドル、アイルランドは4万5,673ドルであります。
 現在、1人当たりの国民総生産額が日本より高い国としては、ルクセンブルク、ノルウェー、スイス、アイルランド、デンマーク、アイスランド、アメリカ、スウェーデンなどがあります。ルクセンブルクの1人当たりの国民総生産額は6万9,207ドルで、日本の約1.9倍です。日本が10位のイギリスに抜かれるのも時間の問題でしょう。
 もっとも、順位が下がったのは日本だけではありません。ドイツ、フランス、イタリアなどヨーロッパ大陸の産業国家の地位も下がりました。
 なぜこのような大変換を生じたのか、答えは明らかであります。世界の経済、基本的な構造が変わったのであります。20世紀におけるアイルランドの経済的地位の低さは当然のことでした。自動車産業を持つこともなく、人口が400万人にも満たない島国では、とても無理なことです。それはドイツやフランスの役割でした。ましてやアイルランドに製鉄一貫工場ができることなど、到底考えられません。20世紀型産業構造において、アイルランドが貧しい島国にとどまらざるを得なかったのはやむを得ないことだったのです。しかし、90年代になって状況は一変しました。ITが経済活動をリードするようになったからです。これはアイルランドのような小国にとってまことに都合のいい変化でした。アイルランドもノルウェーもITの当たらしい産業を切り開きつつあります。21世紀の産業の中心は、ソフトウエアやバイオ産業であります。製造業でもソフトウエアが製品価値を生み出す新しいタイプの事業が重要な役割を持つようになります。そして、インターネットに代表される新しい通信手段を駆使して、物理的距離と無関係に分業が進みます。これを21世紀型グローバリゼーションと呼ぶことができるでしょう。20世紀型の産業の中心は製造業でしたが、そこでのグローバリゼーションは、物の生産にかかわる国際分業であり、工業製品が国境を超えることでした。これらの産業において、ソフトウエアの役割は小さかったのですが、しかし社会主義国家の市場への経済参入によって、製造業は大きな変化に直面しました。伝統的な製造業は、中国を初めとする東南アジア諸国に移っていかざるを得ません。21世紀型グローバリゼーションに加入できる国が成長し、加入できない国が没落します。日本は、このような大変化に対応できてるとは言いがたい。ドイツ、フランス、イタリアなど、これまで世界の経済をリードしてきた産業国家も同じであります。これらの国は、20世紀型グローバリゼーションでは強かったのですが、新しいグローバリゼーションでは対応できてません。こうして世界経済をリードする国の後退現象が始まりました。
 ところが、今挙げた国が、アメリカを除けばいずれも小さな国であることは決して偶然ではありません。ITのおかげで、小さな国や小さな組織が大きな国や大きな組織と同等の立場で競争できるようになったからであります。そして、規模が大きいことは動きを鈍くするために、決定的にマイナスになることもあります。東西統合によって巨大国家となったドイツも、合併、統合を繰り返して巨大組織となった日本のメガバンクも、ともに時代の要請とは正反対の方向に進んでいったことがわかります。ITに関して、日本はおくれをとり始めており、インドやヨーロッパの小さな国々にかないません。今、アメリカのコールセンターなどは、国際電話を通じほとんどインドで行われております。
 ここまで説明しましたので、日本の進むべき道が見えてきたのではないでしょうか。今後残された分野は、農業バイオ、医学バイオ産業が最有力であります。幸いにして、本市には、日本最大の農業基盤、そして帯広畜産大学、国と道の農業試験場等、人材、環境、地の利、そして道、国への政治力など、積極的、具体的に推進できる環境にあります。札幌の北大と並ぶ最先端バイオ研究基地、バイオバレー構想を宣言し、実現すべきと提言申し上げます。
 次、コンパクトシティ構想であります。
 地元関係者の独自の取り組みで活性化に成功した事例に青森市と佐世保市があります。青森市では、三菱ディーラー社長から青森商工会議所副会頭を経て市長に就任した佐々木誠造氏がいます。まちづくり三法に頼らないで、行政や商業者、地権者などのビジネス感覚と理念を伴った独自の方法で成功させました。「雪に負けないコンパクトシティ」を掲げ、年間30億円にも達する除雪費をふやさないための決断でした。市を取り囲む国道、外環状線の外側には一切の開発を禁止し、内環状線と外環状線の間には、売り場面積3,000平方メートル以上の大規模店舗立地を制限し、住宅地域としました。一方、内側の市街地域への開発投資はふんだんに行い、冬期でも雪が降り積もらないように融雪設備をつくり、障害者、お年寄りが歩きやすいように歩道を拡張しました。また、商業施設だけでなく、公共施設や住宅など生活機能を市街地に集約した結果、休日通行量は、多いところで何と前年比50%ふえました。居住人口も25年前の水準まで回復するとの見込みのことであります。
 次に、金はなくても知恵と人脈で活性化したまちが佐世保市であります。福岡という大商業地域に近く、近隣の国道沿いにはロードサイド型量販店や総合スーパーが並びます。商店街には過酷な環境ですが、それでも中心商店街、さるくシティ403アーケードの年間の平均通行量は毎年ふえています。1キロメートルにも及ぶアーケードには空き店舗がほとんどありません。元気過ぎる人の祭り好きが集まって、やりたいことをやっているだけと佐世保商店街連合会会長は言っています。アーケード内にテーブルを1キロメートルつなげて並べ、1人1,000円の会費で開く5,000人同時宴会、1個1,000円のピンバッジを売り、1,000万円の資金を集め、街中を電飾で飾る。全国でも唯一アーケードを利用したよさこい祭りで26万人動員など、年間に運営メンバーが仕掛けるイベントは数え切れません。すべてに補助金がつくわけではありません。あきんどの知恵と人脈で資金や機材を調達し、すべて手弁当で開催してきました。イベントは商店街の売上には直接結びつかないかもしれない。ただ、買い物だけでないまちの魅力が維持できれば、周辺の大型店と差別化できると言っております。自助努力や仲間うちの知恵を出し合って何とかしようと考える前に、行政の援助を求めちゃならない。うちでは行政もまちづくりの仲間だと思っています。運営メンバーには、商店主も客も地権者もいます。イベント以外にも、商店街の空き店舗をつくらず、常にテナントを手当てする作業は日常的に行われ、それが商店街の活性化を維持していますと言っております。
 法律による助成金は、まちづくりの成功を左右する直接の要因にはならない。子供に机と参考書を与えれば勉強ができるようになるのかという議論と同じと全国のまちづくりに詳しい日本政策投資銀行の藻谷参事役は言っております。
 まちづくり三法改正は、それのみでは市街地活性化の決定打にはなり得ません。母体となる自治体や地元住民などがどれほど本腰を入れて中心市街地再生に取り組む決意があるかが結局左右するのであります。
 本市におけるコンパクトシティ構想は、十勝の中心としての顔づくりであり、観光や産業都市としての発信地とならなければいけません。駐車場の無料化、まち並み景観の条例化などは、理事者の提案でできることではありません。言葉だけのコンパクトシティにすることのないよう、砂川市長の政治判断を強く求めます。
 未来に向かって輝く田園都市帯広であります。
 「国敗れて山河あり」という言葉がありますが、経済成長に成功した我が国において、本州等の農村や国土の荒れ模様は異常なほどで、どういうことでありましょうか。山村では、リゾート開発跡による荒廃と耕作放棄地、また都市農村交流による奇怪な施設の乱立、片や平地農村にあっては、無機的な工場や高速道路の進出、公共施設の進出等による土地利用の混乱があり、また都市近郊農村では住宅等がどんどん広がり、耕作放棄地の出現が依然として続いています。幸いにして、北海道の農村部においては、それほどひどくありませんが、色、形、高さ等、無秩序に建物は建設されております。すぐれた農村景観が若者の定住、都市、農村交流事業での来訪者の増大、企業の進出などにおいて決定的に重要であることは地域住民の多くに認識されてきました。豊かな農地景観の推進戦略や手法が求められています。これからの農村活性化と産業振興のためには、自然環境の形成や景観形成を戦略的に重要な柱と位置づけ、新しい農業及び農村振興を推し進める必要があります。言いかえれば、農村の景観形成は、農業振興や農村整備において、補完的な政策から根幹的な政策に転換しなければなりません。農村の豊かな景観がどれほど十勝農業、農産物の価値を上げることでありましょうか。
 私は、以前から安心・安全な十勝農業から健康な体をつくる十勝農業に変えなければならないと申し上げましたが、どちらも生産履歴、科学的な分析が必要なのは当たり前であります。しかし、それだけではなかなか消費者の心をつかむことはできません。商品の販売に当たって、なぜテレビがコマーシャルを行うのか。一番の大きな要因は、イメージアップであります。日本全国どこにもない、この十勝の雄大な農村風景から生まれる十勝農畜産物は、そのためにももっともっと農村景観を統一しなければ、宝の持ちぐされになってしまいます。農業者の理解のもと、ヨーロッパやニュージーランドの風景にも負けない農村景観づくりに取り組むべきであります。我が十勝農村景観は、まさに私たちのシンボルであり、大いなる誇りであります。この日本一の景観を後々まで残そうではありませんか。市長の強いリーダーシップを期待して、市政クラブを代表した質問といたします。ありがとうございました。
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