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平成23年第2回3月定例会
質問1回目
24番(小森唯永議員) | 昨日御逝去されました荻原昭勝議員の御冥福を心よりお祈り申し上げたいと思います。荻原議員は私たち3期目の最長の議員としてリーダーであり、兄貴分として慕っておりました。非常に無念でございます。 それでは、通告に従いまして、新風21を代表し質問をさせていただきます。 地方分権が言われて久しくなり、そして今地域主権社会が言われています。何が違うのかはっきりしませんが、リーマン・ショック後の地方の疲弊、公共事業の大幅な削減と、地方にとってはよくなるどころか、TPPの参加などと逆風はとどまるところを知りません。先祖代々開拓の精神を受け継ぎ、十勝を日本有数の農業地帯につくり上げた私たちの祖先、そして現在食料自給率1,100%を生産している十勝農業は、文字どおり日本の食の宝庫でございます。関連産業の経済波及効果は1兆円を超え、札幌という特別なところを除き北海道一の実質地域経済力を持っております。しかし、今の政権は小泉政権と同じく、中央、大企業を中心とした輸出産業に完全に軸足を置いた、地方を切り捨てと言っても過言でない地方無視の政治ではないでしょうか。地域主権型社会と言いながら、現実には地方の基幹産業である農業を根底から覆し、TPPの導入は地方崩壊以外の何物でもありません。地方に住む私たちは現在もまじめに働き税金を払い続けているのに、何の落ち度があるのでしょうか。今私たちの住む地域で何ができるのか、何をしなければならないのかを改めて考えてみる必要があると思います。 市長は市政執行方針の中で、これからの自治体は国への依存から抜け出し、地域の多様な課題解決に向けてみずからの意思と判断で取り組み、地域の特性を生かしながら活力のあるまちづくりを進めていく必要があると言われました。まさにそのとおりでありますが、本当に実現可能なのでしょうか。 そこで、お伺いいたします。 市長は、地域主権型社会への考え方で、地域のことは地域で決める、多様な市民ニーズに対応しながら地域の実情に合ったきめの細かいサービスを提供するとありますが、何を指しているのでしょうか。 本市が考えている行動計画はどのようなものなのでしょうか。 また、市民協働のまちづくりの中で、市の職責と職員の意識改革や能力の向上を図り、環境の変化に対応して、みずから変化を志向していくことができる市役所にしてまいりますとありますが、市職員の職責と職員の意識改革の見解を伺います。 フードバレーとかち構想は、多くの市民のみならず十勝の住民が大いなる期待を持って見守っています。今まで農業を核とする多くの産業振興策が歴代の首長によって計画されました。しかし、その多くは看板倒れ、企画倒れで終わっておりました。どこに問題があったのかも詳細に検証されることなく終わったのであります。当時から計画どおり進まなかったわけでありますが、経済が高度経済成長期にあり、それほど大きな問題になることはありませんでしたが、今は違います。日本の人口は減少時代に入り、消費人口の若い世代が極端に減少しています。すなわち労働人口と消費人口の減少は日本全体の崩壊につながりかねません。有史以来国を支えてきたのは、紛れもなく地方でありましたし、これからもそうであると私は信じています。地方が元気にならなければなりません。地方の産業を育てなければなりません。そのためにも、市長の提案するフードバレーとかち構想を実現させなければなりません。フードバレーとかち構想はやっと具体的な姿が見えてきましたので、これからの行動計画について伺います。 今日本の人口は減少していますが、世界の人口はふえ続けています。今後は農産物の輸出も考えなくてはなりませんが、国際総合特区構想の計画では、現段階どこまで進んでいるのでしょうか、政府予算案が不成立の可能性が高いのですが予定どおり進むのでしょうか、お伺いいたします。 市長が提案した定住自立圏構想は、地域主権の確立のための制度の見直しに伴い、基礎自治体である市と町村の役割を増すことになります。定住自立圏構想はこのような問題意識のもとで、市町村の主体的な取組みとして、中心市の都市機能と周辺町村の農林水産業、自然環境、歴史、文化、それぞれの魅力を活用して、NPOや企業といった民間の担い手を含め相互に役割を分担し、連携協力することにより、地域住民の命と暮らしを守るため圏域全体で必要な生活機能を確保し、地方への人口定住を促進する政策と総務省は位置づけています。考え方は賛同できるものでありますが、定住自立圏構想で現時点における国からの予算措置はどの程度なのか、また具体的な中身があればお伺いいたします。 十勝のみならず本道や農業を基幹産業としている地域は現在、TPPによる恐怖を目の当たりにしております。TPPは御存じのとおり関税を原則すべて撤廃するなど、貿易の完全自由化を目指しております。米国、オーストラリアの農産物輸出大国の参加は十勝農業を根底から破壊するものであり、その影響は関連産業にも多大な影響を与えるものであります。しかも、その影響は医療保険、公共事業、海外からの労働人口の流入、食品の安全基準など非関税障壁分野を対象とする大問題であります。 TPPに対する市長の基本的な考え方と、TPPが実施されたときの本市及び管内の農業関連産業及び地域経済への影響を伺います。 また、本市におけるTPPへの対応策はどうなっているのでしょうか。 次に、ばんえい競馬の今後についてであります。 明治時代、北海道の本格的な開拓の歴史は紛れもなく馬でありました。伐採、物資の移送、畑を起こし、農作業に従順で運動性に富み力強い馬は家族であり、友人として労働力の主役であり続け、また戦時中、十勝は軍馬の最大供給基地であり、祖父や父とともに外地で果敢に戦い続けたのであります。その思いを持った人々が十勝各地で大正時代から草競馬を始め、昭和28年に市営競馬として開催されたのが現在のばんえい競馬の始まりでありました。その後、馬の仕事がトラクターやトラックに取ってかわり、現在ではほとんど見られなくなりました。こうしたことから、ばんえい競馬は開拓の歴史と文化を今に伝え、馬産振興を支える重要な地域資源としての役割を果たしています。また、地域産業として、馬主、厩舎関係者ら約600名、そのほか生産者、開催者、専門業者、一般取引業者もおり、1,500人を超えるすそ野の大変大きい一大産業であります。 そこで、馬文化の継承と地域経済波及効果と市長のばんえい競馬への考えを伺いたいと思います。 ばんえい競馬存続のための収支見通しと、競馬関係者への今後の対応策を伺い、1回目の質問といたします。 |
◎米沢則寿市長 | 小森議員の代表質問中、初めに地域主権についてお答えいたします。 慢性的なデフレの影響などによる地域経済の低迷や人口の減少、少子・高齢化など地域を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあります。こうした中で、国においては地域主権型社会の確立に向けた改革が進められており、地域の諸課題に対して、それぞれの地域が持つ優位性や特色などを生かしながら、みずからの判断と責任により課題の解決に取り組むことが求められております。 本市におきましても地域主権型社会にふさわしい市民協働によるまちづくりを進めるため、その指針として幅広い市民の参画や市議会の協力をいただきながら第六期帯広市総合計画を策定し、今年度からスタートしたところであります。今後も総合計画に基づき、豊かな自然環境や大規模な農業経営、食関連産業の集積など、この地域独自の資源や優位性を生かしたフードバレーとかちの取組みを初めとして、子育て支援や高齢者、福祉施策の充実などについて、主権者である市民の皆さんの御理解と御参加をいただきながら、地域の実情に応じた取組みを進めていきたいと考えております。 また、市民協働のまちづくりを進めていくためには、市民一人ひとりの力を地域の力として一つに集め、豊かな地域社会の実現に向けて、市民と行政がそれぞれの役割と責任を担いながら取り組んでいくことが重要であると考えております。そのため、市は適切な時期をとらえ必要な情報を提供するとともに、市民との対話を通して相互理解を深め、市民との信頼関係を構築しながら、まちづくりへの市民参加を促進していくことが必要であります。 また、市職員は時代や環境の変化に的確に対応する柔軟な発想を持つとともに、常に市民の視点に立って職務を遂行し、市民協働のまちづくりに積極的に取り組むよう意識改革を図っていくことが必要であると考えております。 次に、フードバレーとかちについてお答えいたします。 地域の産業政策であるフードバレーとかちにつきましては、オール十勝で取組みを進めていくことが必要であります。このため関係施策を推進するに当たり、中心的な役割を担う体制として、管内の行政機関や農業団体、経済団体などから成る協議会を設立してまいりたいと考えております。この協議会においては、十勝の産業政策の推進方策としてフードバレーとかち推進プランを作成するとともに、具体的な事業の実施に関しては、民間のプレーヤー、いわゆる主役という意味になりますが、民間のプレーヤーの方々などの御意見をいただきながらテーマ別に取組み方策などを検討し、戦略プランとしてまとめていく考えであります。 また、オール十勝での取組みの推進と並行して、十勝全体への波及性や先導性などの視点を持った帯広独自の施策にも取り組んでまいります。 次に、総合特区につきましては、現在関連法案が今国会に提出されており、政府の想定どおりのスケジュールで進んだ場合には、7月にも総合特区としての地区指定が行われる予定となっております。本市といたしましても、昨年9月に国際戦略総合特区に関する制度の提案を行い、本年2月1日には北海道や共同提案を行った関係各市などとともに協議会を設立し、総合特区の指定採択に向けた取組みを進めているところであります。今後も国会における法案の審議状況を十分に注視しながら、地区指定申請に向けまして、さらに事業内容の精査や充実に取り組んでまいります。 次に、定住自立圏構想についてお答えいたします。 社会経済環境が大きく変化する中で、十勝・帯広が持続的に発展をしていくためには、十勝がスクラムを組み、産業振興や医療・福祉などさまざまな分野において連携を拡大する必要があると考えております。こうした連携の取組みに対する国からの財政措置としては、定住自立圏構想に基づく取組み全般に対する包括的な財政支援策として、平成22年度の基準による試算ではございますが、帯広市には年間約7,800万円、周辺町村には年間1,000万円を上限に特別交付税が措置されることになっております。また、交付税措置のほかにも施設整備等に対する地方債の充当、外部人材の活用や民間主体の取組みに対する支援、各種補助制度等への優先採択など各種の財政支援策が講じられることになっております。地方の財政が依然として厳しい状況に置かれている中、こうした財政メリットの活用といった視点も持ちながら、今後の町村との協議を進めていくことも必要であると考えているところであります。 次に、TPPについてお答えいたします。 政府が検討を進めておりますTPPは、参加国すべての品目について関税を撤廃するというものであり、仮にTPPが締結された場合には、農業を初め製糖工場、でん粉工場、乳業工場や屠畜場の関連産業、サービス業や金融業、建築土木など地域経済に与える影響額は、十勝管内全体で5,037億円に及び、雇用においても約4万人が職を失うと試算されております。また、帯広市単独の農業産出額への影響は151億円と試算されており、農業を初め食品加工業や農業機械製造業、運輸業などへの影響とあわせて地域経済に深刻な打撃を与えるものと認識しておりますことから、地域が一丸となって反対していくものであります。 また、TPPへの対応でありますが、地域が一丸となった取組みとするためには市民理解が不可欠であることから、本市ではこれまで、日本がTPPに参加した場合の地域に与える影響について、市のホームページや広報おびひろに掲載するなど広く市民周知を行ってまいりました。今後におきましてもイベント等での署名活動や啓発活動を行い、市民理解を促進するとともに、関係機関と連携を図りながら対応してまいります。また、庁内においては、関係部課によりワーキンググループを設置し、地域経済に与える影響などについて情報の共有化を図るとともに、農業団体を初めとする関係機関や団体と十勝農業の多様な可能性について調査研究を行ってまいります。 最後になりますが、ばんえい競馬についてお答えいたします。 北海道の開拓時代から先人とともに活躍した農耕馬の歴史は、北海道における貴重な馬文化遺産であり、後世に伝えていかなければならない大切な財産と考えております。また、ばんえい競馬は北海道の馬産振興を初め雇用の創出や交流人口の拡大に寄与するとともに、観光消費などにより十勝管内の関連産業に65億円もの経済波及効果をもたらせていると試算されております。こうしたことから、今後も経営の安定化を図り、帯広・十勝の貴重な文化遺産、観光資源として継続開催に努力してまいりたいと考えております。 今年度の収支見通しにつきましては、年度内のばんえい競馬の開催も残すところあとわずかとなり、このまま推移いたしますと、発売予算の確保は難しく、収支についても厳しい見通しにあります。 今後は、8月に新たな発売システムの導入を予定しているほか、高速交通網を生かし観光面からも振興を図るなど、発売収入の拡大につなげてまいりたいと考えております。 また、平成23年度は単独開催から5年目を迎えますことから、これまでの運営状況について検証するとともに観光資源としての一層の活用など、安定した運営のあり方や競走馬の確保につきまして検討してまいりたいと考えております。 以上です。 |
質問2回目
24番(小森唯永議員) | 地域主権改革は、地域のことは地域に住む住民が、地域の課題に対してみずからの判断と責任を持って予算も含め課題解決に取り組むことであります。地域主権社会への考え方をお聞きしましたが、はっきり申し上げて、よく理解できるところもありません。この地域独自の取組みとしてのフードバレーとかち構想は、まだ理解できます。地域主権型社会に対応した市民協働によるまちづくりの指針として第六期総合計画とか子育て支援や高齢者福祉の充実、主権者である市民の理解と参加とありますが、地域主権社会の取組みでなくてもやっていかなければならない当たり前のことではないでしょうか。要は、民主党政権が地域主権の実現は改革の一丁目一番地、これは鳩山由紀夫首相が言ってきたものです。自民党政権時代の地方分権を国と地方の上下関係を示すものだと批判して使い始めた言葉だと言われています。政権交代後、自民党は地域主権改革3法案について、憲法では国民主権をうたっている。地域に主権があるという言い方は問題だと言って反対してきたことも、ある意味納得できるわけであります。日本国民である以上、どこに住んでいても主権はあるはずです。今さら地域主権などというのはおかしい。しかし、自民党も特に小泉政権では地方交付税を大幅に減らしておきながら、地方分権と言いながら予算措置もしないで、仕事だけを地方に押しつけようとしたのであります。どちらもどちらであります。今度は名目が違うにしろ、地域主権は民主党が政権奪取のときに取り上げた公約であり、地域主権社会は予算を伴わない、私に言わせれば絵そらごとと言わざるを得ない。要するに、国は財源不足から来る対策として、仕事だけを地域に押しつける手段としか考えられません。私は市長がこのような地域主権という甘言に惑わされることなく、本市でできることを地道にやっていただきたいと申し上げたい。これについて何か所見があればお伺いいたします。 今回は代表質問であり、余り細かいことは申し上げませんが、市長がやろうとしている市民協働のまちづくりのための市の職務と市職員の意識改革であります。実際に行政の行う仕事は市職員であり、そのためには職員の資質向上に努めなければなりません。職員の意識改革への考え方は理解いたしました。しかし、職員全員が市長の考えているとおり動けるもんではありません。市民のために全力で努力する人、能力のある人とそうでない人もいるわけであり、当然格差があっていいわけであります。私はかねてから職員の勤務状況に応じて適切に評価を行うべきと申し上げてきました。全職員を対象とした人事評価が実施され、その後はどうなったんでしょうか。 フードバレーとかち構想については、数多くの議員が質問されているので簡単にさせていただきますが、一言だけ言わせていただければ、この構想の実現には十勝全体で取り組まなければ成功しない。これは当たり前のことだと思います。幾ら市長が頑張っても、市役所だけで実現できるものではありません。全十勝の生産者、農協、加工業者、流通業者、卸売業者、販売店、さらには商品開発に取り組む大学や研究機関、資金もとである金融機関、町村、道、国などの支援がなければ、これは私はどこが欠けても実現しないと思っています。市はコーディネーターをしているわけでありますから、このコーディネーター、これだけではできるもんじゃない。しかし、企画コーディネーターが最も重要であることも事実であります。実現には数々の問題が山積していると思いますが、これにはあきらめずに本当に全力で取り組んでいただきたいと、このようにお願いしておきたいと思います。 今回の予算で、フードバレー推進事業の大半を占めるニューフロンティア資金2億1,200万円が創設されていますが、これはどういう趣旨なのかお伺いをしておきたいと思います。 また、フードバレーとかち構想と密接な関係があると思われる国際総合特区構想でありますが、仮に7月に総合特区として指定を受けた場合、提案事業を実施する予算はどうなるのでしょうか。 また、提案事業の実施にはどの程度の事業費を想定し、その財源は目安はついているのでしょうか。 次に、定住自立圏構想であります。私は今までにも十勝1市論を強く提案してきました。定住自立圏構想は十勝の一体化という点で重要な意味を持っています。帯広がここまで発展してきたのは、紛れもなく管内町村と十勝2,500億円の農業粗生産高があったからであります。本市は母都市としての責任を果たさなければなりません。今回定住自立圏構想を提案された米沢市長の決断には敬意を表します。しかし、この広い十勝全体で7,800万円の予算、先ほど市長は帯広市が7,800万円と言われたんですけれども、もし違っていればお答えいただきたいんです。私は帯広市は4,000万円と、十勝全体で7,800万円ではないかなと思ってるんですけれども。この予算でどれだけの事業ができるのでしょうか。このほかにも交付税措置がなされているということであります。この地方財政が厳しい中、財政のメリットがあるとのことでありますが、今後定住自立圏構想を推進する上での課題について伺います。 TPPの十勝における影響額は、今お伺いしたとおり、ほぼすべての分野にわたり想像を絶するものであります。2月26日午前さいたま市で行われた開国フォーラムで、重要な記事を目にしました。TPP交渉に参加するために菅政権が開いた地方説明会であります。TPPは海外の安価な農産物の流入につながる関税の撤廃だけでなく、人の移動、規制改革等24分野あり、東南アジアや南米の低賃金労働者の流入、国民皆保険の崩壊、宅急便や郵便のさらなる民営化など各分野に拡大しています。しかし、政府は米国等3カ国から情報が不足しており、この開国フォーラムでも、玄葉光一国家戦略担当相は、交渉にまだ参加していないので本物の情報が得られていない、隠すつもりは全くないと応じるのがやっとであったと報じられています。私たちの生活基盤を根底からひっくり返すかもしれない大問題に、政府は詳細な検討もなく参加ありきで進めるとは全くあきれて物も言えません。 しかし、TPPは数年先、3年から5年かもしれませんが、参加しなければならない状況は来るでしょう。そのときに、世界を視野に入れた農業、農畜産物を初め加工品の輸出を考えなければなりません。本市で考えている輸出戦略を伺います。 ばんえい競馬についても伺いました。市長のばんえい競馬への思いは承りました。思いは同じであります。現在北海道には道営競馬とばんえい競馬があり、どちらも日本で最大の馬産王国であります。特にばんえい競馬は世界唯一の競技であり、日高のサラブレッドとともに北海道遺産にも登録されています。北海道遺産は52ありますが、生きている動物の遺産はばんえい競馬と日高のサラブレッドだけであります。サラブレッドに道は年間実に3億円もの多額の道費をつぎ込んでいます。しかし、ばんえい競馬には全くありません。私はこれに納得がいきません。ぜひ道からも支援を求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。 今年度の収支も厳しいとのことでありますが、オッズパークばんえいマネジメントも民間企業であり、いつまでも赤字を抱えることとなれば撤退ということになります。抜本的な改革が必要と思いますが、どうされるのでしょうか。 厳しい経営状況に競馬関係者は不満がありますが、これを解消する利益向上についてもお伺いしておきたいと思います。 |
◎米沢則寿市長 | それでは初めに、地域主権についてお答えいたします。 自治体を取り巻く環境が大きく今変化している中で、地方分権また地域主権につきましては、時間的な早い遅いの違いはございますけれども、着実に地域がみずからの責任のもとに判断し、地域づくりを進めていく社会へと向かっていくものかなと考えております。 地域を預かります自治体の長といたしまして、住民福祉の向上や地域の活性化という基本的な立場から、国に対して主張すべきところは主張し改善を求めながらも、地域の特色を生かした活力あるまちづくりに向けて地域みずからが主体的に判断し、市民との協働により取り組んでいかなければならないと考えておるところであります。 次に、職員の人事評価についてお答えいたします。 本市の人材そだち評価制度は、職員の気づきの機会として、また職員の意欲や組織の力を高めるための仕組みとして、平成20年度から試行的に取組みを進めてきております。今年度は、これまでの2カ年の試行結果を踏まえ、評価の基準や手法等に改善を加えた上で実施しておりまして、評価期間は本年3月末までとして、現在最終的な評価の決定を行っている段階でございます。 次に、総合特区についてでございます。総合特区に関しまして国から示されているスケジュール案では、特区の指定は7月ごろでございます。さらに、計画の認定は、国との協議等経まして8月以降に認定される予定となっております。つまり具体的な計画についての議論がその後あるということになります。したがいまして、特区指定を受けた場合、提案事業の実施に要する予算につきましては、その計画の認定を受けた後、補正予算などにより対応させていただくこととなります。 また、提案事業の事業費及びその財源につきましては、提案する事業内容について現在計画内容の精査、充実を図っているところでございまして、財源につきましても国の財政支援措置の重点配分や融資制度の活用などを想定してはおりますが、具体的な金額等につきましては今お示しできる段階にございませんので、御理解いただきたいと思います。 次に、ニューフロンティア資金につきましては、十勝の豊富な農畜産物などを活用いたしました食に関する成長分野への支援を目的とした融資制度であり、貸付限度額を1億円、金利を1%とするなど、現行の中小企業振興融資制度の中でも最も有利な条件となっております。また、融資枠は金融機関との協調により4億円を確保しております。この資金の効果的な活用によりまして、本支援の食関連産業の集積が図られることを期待しているものでございます。 次に、定住自立圏構想についてでございます。 先ほど御質問いただきました国からの財政措置、私先ほど7,800万円についてお話しいたしましたけれども、これについて御説明いたしますと、定住自立圏構想の推進に対します国からの財政措置は、定住自立圏の取組み全般に対する包括的な財政支援措置として、中心市は年間4,000万円、それから周辺町村は年間1,000万円を上限に交付税措置がございます。 なお、帯広市の場合は圏域の面積、それから連携する町村が多い、そういうことから平成22年度の試算でいきますと約7,800万円が恐らく上限になってくるのかなと、かように考えているところでございます。 定住自立圏、続けますが、現在長野県飯田市を中心といたします14町村での圏域が最も大きな定住自立圏の市町村数でございます。十勝、御案内のように19市町村でございますので、この19市町村により定住自立圏を形成できた場合には、全国で最多の市町村数の圏域が誕生するということになります。こうしたことから、それぞれの市町村固有の地域事情や課題があることも十分予想されます。個々の事業の中には連携が難しいものや、また調整に時間を要するものもあると考えております。したがいまして、まずはオール十勝での定住自立圏形成の実現を目指すために、連携が可能なものから着手し、十勝が一体となった地域づくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 次に、農畜産物の輸出戦略についてでございます。 十勝は日本の食料基地として、畑作と酪農、畜産とがバランスのとれた大規模農業を展開しております。こうした中、畜産物の輸出につきましては、和牛の飼育頭数も増加してきておりまして、また農業団体によるブランド化の取組みも進められておりますことから、今後和牛の産地として生産の拡大が期待できる地域であるというふうにも考えております。 なお、牛肉を輸出する場合は、屠畜場やそれから加工処理施設について、いわゆるHACCP認証を受ける必要がありますことから、現在関係事業者において、その課題について検討を行っているところであります。 また、牛肉の輸出を本格的に展開するためには、北海道全体での取組みが必要となってくることから、全道的な視点で施設整備のあり方などについて関係団体とも協議することが必要であると考えております。 農産物の輸出につきましては、現在JA帯広、かわにしのナガイモやJA中札内村の枝豆が台湾またアメリカなどに輸出されております。今後もこうした十勝の安全で安心な農作物や加工品の輸出を促進してまいりたいなと考えております。 次に、ばんえい競馬についてお答えいたします。 先ほどもお答えいたしましたが、新年度におきましてこれまでの競馬運営のあり方や観光資源としての活用など幅広く検討し、これらの議論を通して競馬を取り巻く環境の変化に対応した安定的な運営のあり方を模索してまいりたいと考えております。 また、競馬関係者への対応についてでございますが、平成18年の帯広市単独開催を判断するに当たりまして、馬主の皆さん初め競馬関係者の方々の同意を得て、今日の枠組みを決定させていただいたところでございます。しかしながら、既に単独開催から4年が経過しております。新年度の運営のあり方に関する検討などにおいて、売上向上につながる安定した経営の確立を考える中で、競馬関係者の皆様への対応につきましても協議してまいりたいと考えております。 また、北海道に対しましては、これまで馬文化の伝承や馬産振興等について支援要請は行ってきておりますけれども、農用馬の生産が年々減少傾向にあり、広域的な取組みが必要でありますことから、今後は農用馬の振興の観点からも北海道と協議してまいりたいと考えております。 以上であります。 |
質問3回目
24番(小森唯永議員) | まず、役所のあり方ですね。外国人は通常の生活するに当たって役所に対して一般的におおらかなんですね。しかし、日本の人たちは役所に対してかなり不満をぶつけてくる。この違い、何か。外国では保健ですとか福祉ですとか教育ですとか大きな部分がほとんど民間なんです。しかし、日本では生まれてから亡くなるまで、ほとんどの分野が役所がかかわっている。この違いが、日本の大きな役所の予算であり仕事であり、外国よりも多い職員数及び議員も多くなるわけであります。日本の役所の仕事というのは、その分住民への影響が大きく、職員個人の能力が大きく市民生活に影響を与えています。よって、職員の人事評価は当然のことであり、私は2年前から申し上げておりましたが、この人事評価を正しく使うことが必要だろうと、そう思っています。この人事評価の結果、もうすぐ、3月には出るということなんですけれども、これを何にどのように利用、活用されるのか、また給与ですとか退職金、人事配置に、どのように配置されるのかをお伺いしたいと思います。 今回、フードバレー推進事業のニューフロンティア資金の創設について回答いただきました。これを聞いて、ああよかったなあという感想がまず第1です。これで事業が一歩前進する、目鼻がつくんではないかなと思っています。 しかし、国際総合特区構想ではどの事業を想定しているのかという、これはまだいただけませんでした。さきの報道では、特区構想の具体案が随分詳しく載ってたわけですけど、不思議なことであります。 財源について、国の財政支援措置の重点配分だとか融資制度の拡充など想定はしていますが、具体的な事業費及び財源についてはお示しできる段階でないとありました。しかし、この財源問題が私は一番大事だと思っております。財源がなくてはすべての事業が進むはずはありません。特区採択にならなかったとしても、市長はこういう考えを進めると、そういうお考えなんでしょうから、この財源確保の手段として、私は関連事業も含めて、資金提供を行うNPO法人を設立するなど、地域挙げて事業資金の調達をする仕組みづくりをつくる必要があるんでないかなと考えておりますけども、いかがでしょうか。 また、定住自立圏構想は、今現在全国各地で200件ほどですか、申請されてるそうです。構想自体は、これは大変いい構想だと思います。本当に地域のためになる構想だと思いますが、国が言い出す新しい事業は、私は慎重に進める必要があると。といいますのは、今までも国は地方に仕事をさせて裏切ってきた、こういう経過があります。市町村合併がその最たるものでした。国は全国で3,232の市町村を1,727にまで減らしました。その際、合併特例債があるからと大々的にうたってたわけです。合併特例債は特別の地方債であり、合併後10年間建設事業の95%に使用でき、国が70%を地方交付税で補てんできるとのこと、あめをちらつかせたわけであります。しかし、この合併特例債そのものは借金であり、地方交付税が措置されるからという安易な考え方では、合併して10年たって残ったのは大きな借金と大型施設の維持管理費となるのは必至であります。 また、地方交付税の不交付団体はこの規定に当てはまらず、特例債は1割程度しか交付されませんでした。結局借金だけが残ったんですね。この間セミナーに行ってまいりましたけれども、静岡市などでは、市税は、これはもちろん値上がりです。上下水道、ごみの収集代は2倍にまで上がってしまいました。このように国は地方に仕事を今押しつけますが、実際の運営費は予定どおり配分されないのがすごく多いんですよ。また予定どおり配分されたとしても、関連する予算の、似たような仕事をやってたら、そっちのほうをすべて削る。こういうことも日常茶飯事であります。冷静に考えると、国は、今現在破綻状態にあるものが、地方に回すお金が余分に、これ以上どんどんどんどん余分に回せるはずがないんです。今後さらに民生費、衛生費の増加を考えると、ますます厳しくなるでしょう。国の税金は、まず義務的経費として、自分たち役人と国会議員の歳費、これ一番先にとりますよね。次に、国の施設を維持するために使う。自分たちが将来天下りするところの組織維持にかけるんですよ。これで地方に回すお金があるんでしょうか。民間でもそうです。ゼネコンが低額で落札した工事費は、まず自分の会社の維持費をとらなきゃならないわけですから、生きるために。それから下請、孫請。国と地方も同じような関係にあります。 定住自立圏構想、これを実現することによって十勝全体の発展を考える、これは非常にいいことです。ぜひそうしていただきたいと思いますけども、この計画実施に当たって、特に大型事業は十分な検証を行っていただきたい。将来国から予算が切られる可能性が十分にあるわけですから、これは検討を行った上で実施していただきますよう念のために申し上げておきたいと思います。 次に、TPPについて、ジャーナリスト東谷暁さんのコメントもあります。TPPについては、国民が内容をよく知らないまま、賛成の雰囲気だけが醸成されているが、国会で質問されても、菅首相はTPPはどのような内容になるか明らかでないなどと答弁する始末だ。政権として具体的な内容を示さず、しかもその方針すら話せないというのである。TPPは4カ国が締結した地域経済協定だったが、2008年に米国が参加を表明してから急速にその性質を変え、まだ条文化されていない部分も多い。しかし、その概要は米国との情報交換の後そそくさとつくられた日本政府の24作業部会の構成から推測することができる。そこには菅政権がスケープゴートにした農業だけでなく、サービス、政府調達、労働移動などがずらりと並んでいる。殊に、もとの4カ国TPPにはなかったのに、米国が加わることで登場してきたのが金融と投資であり、ここにオバマ政権の本当のねらいがあることが透けて見えてしまうのであると。行政刷新会議はこうしたTPPの要求する事項を実は検討してきた。例えば、農地や農業生産法人への投資規制のさらなる緩和、混合診療の解禁、外国人医師の受け入れ、訪日ビザの発行の簡易化など、重要な事項を国民に内容を知らせないまま推進しようとしているのだ。今月6日からの規制仕分けにも多くが既に前倒しの形で入り込んでいる。こんな無法を民主党に投票した有権者は望んでいたのか。そしてまた、菅首相はこうした政策について説明責任を果たしているのだろうか。これから始まる規制仕分けという茶番劇は国民への裏切り行為そのものなのである。非常に厳しいコメントになっています。民主党の中でも前農林水産大臣の山田正彦氏など、私たちの立場に立ってTPPを反対している方もいますし、さきに北海道民主党も反対要請文を農林水産省、外務省、経済産業省に出していただきましたので、私は一概に民主党を非難するわけではありません。中央と地方では、今ねじれ現象が起きているんじゃないでしょうか。いずれにせよ、今の政府の方針には全十勝一丸となって絶対に阻止しなければなりません。本市もより明確な反対行動をすることを求めておきたいと思います。 今農畜産物の輸出戦略を伺いまして、考え方は理解できます。ぜひ早期の実施を求めたいと思います。十勝農業が持つ安全性、品質の高さを大いにアピールし、時期を失うことのないよう万全の対応をとっていただきたいものであります。 次に、ばんえい競馬でありますが、売り上げは現在110億円程度でありましょうか。一概に100億円といいましても、この100億円企業というのは簡単につくり出せるものではありません。管内で100億円の売り上げがある企業はわずか12社しかありません。この100億円売り上げしてる企業を見させていただきますと、地元企業では管内でも創業50年以上の企業だとか、あとはカルビーだとかパナソニックといった上場企業でしかありません。ですから、この100億円企業というのは一朝一夕にしてできるもんではありません。その中で、ばんえい競馬は貴重な私は地場産業だと思っています。経済波及効果も65億円とお伺いしました。十分納得できる額であります。私たちは100億円企業の存続と馬文化の伝承、十勝の数少ない観光産業として育てていく必要があると思っています。 運営経費の削減や売り上げの向上を図ることはもちろんでありますが、競馬関係者の今の収入ではとても生活できるものではないということも理解していただきたいと思います。朝早くから起きて365日、一日も休みはありません。競馬運営に命をかけてる人々であります。この年収が200万円をはるかに下回っていると言われています。また、馬主も利益が出てる方は10分の1といっている、そういう状況だと伺っています。このままでは競馬運営会社が手を上げる前に競馬がなくなってしまう可能性すらあるのではないかなと思います。確かにばんえい競馬の存続の際、当初競馬関係者には、お金のことは二の次でいいと言っておりましたが、もう5年目に入る現在は、やはり市の経営責任というのは私はあると思っております。今のお答えで、いろんな対応策をしていただいているようですけども、とにかく私は緊急的な措置として道や国に支援を求めなきゃもうやっていけないんじゃないかなと思っております。ぜひいろんな知恵を出していただきたいもんだなと思います。 それから、詳しい収支見通しがなかなか明らかにされないというのは、これ残念なことであります。民間企業なんで、これはそういうところあるかもしれません。しかし、市営競馬には今まで多額の市費を投入しており、やはり売り上げの見通し程度はしっかり出していただかなければ、これは納得できるものではないと、そう思います。黒字で問題がなければいいんですけれども、先ほども言ったとおり競馬関係者が泣いている状況では、できる限りの情報を開示してやる必要があるんではないかなと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。いずれにしましても、ここは貴重な財産であるばんえい競馬、これをできる限り全力で守っていただくことをお願いしたいと、このように思っております。 何点か質問いたしましたので、よろしくお願いいたします。 |
◎米沢則寿市長 | 御要望等多々いただきましたけれども、御質問いただきました2点についてお答えさせていただきます。 まず初めに、人事評価についての御質問をいただいたと思います。 先ほども申しました人材そだち評価制度というのを今やっておりますけれども、これにつきましては、その評価プロセスにおける効果を最大限に生かしながら、評価結果の処遇への反映を初め適材適所の人事配置、それから人材活用につなげていくことが重要であるというふうに考えております。 今後は、現在の試行結果を踏まえまして、職員の十分な理解のもとに、より効果的な仕組みとなるよう制度設計に当たってまいりたいと、かように考えているところでございます。 制度設計は、当然これから進めてまいる予定でございますけれども、制度設計だけで人事動きませんので、まさにこの評価の過程というのが非常に重要だというふうに思っております。つまり、私も長く人事やっておりますけれども、評価はする側もされる側も緊張感を持ってやらなければいけません。かつ、その結果について一定の納得度がなければいけないというふうに感じているところであります。よって、制度の設計は当然でございますけれども、その運用というのが非常に重要だというふうに認識しておりますので、いわゆる評価をする側もそれなりの経験なり勉強をしなければならないということを感じておりますので、運用も重要なものとして認識しているということをコメントさせていただきました。 次に、フードバレー関連事業の財源確保についてでございますが、総合特区制度、フードバレーとかちを進める上でも大変有効な方策の一つであると考えております。ただ、仮に採択とならなかった場合には、提案事業を進める上で少なからず影響が出てくるということも考えております。 昨年の9月の段階で99件の総合特区の中で国際戦力総合特区ではアイデアが提案されております。その中で、恐らく3件から5件だろうというふうな話も一部伝わってきておりますので、この採択にならないということも十分に考えられるところでございます。御指摘いただきましたように、その場合事業費の確保が重要となってまいりますので、税財政面なども含めまして多角的な視点から十勝全体でこれを進めていかなけりゃいけないなというふうに感じております。十勝全体で食と農業を柱とした地域産業の振興に取り組んでいくんだと、その中には、今御指摘いただきましたような資金というところについても同様であるという認識をしております。 以上であります。 |
質問4回目
24番(小森唯永議員) | フードバレー関連事業等への財源確保の考え方であります。今の日本というのは、55%46兆円の税金が、国民の税金が国に支払われ、地方は45%40兆円が地方に入っております。地方に入っている中でも、県だとか道にその半分が入りますので、末端の基礎自治体には、全国で、ざっとですけども20兆円ぐらいかなと思っております。基礎自治体は義務的経費が多くて、地方が自由に使えるお金、経常収支比率ですね、こういうので見ると、帯広市は全予算の12%、48億円しかないんですね、実際に自由に使える金は。しかし、帯広市が国に払っている税金、これ消費税も含めると、これ推計ですけれども、290億円払ってると、帯広市の市民がですよ、帯広市が払ってるのは。予想できます。私はこのうち5%でも国に納めてる税金を本市に還元できないのかなと、前から提案してきたんですよ。毎年約20億円が地域のこの産業創出に使えるなら、これほど心強いことはない。日本の寄附金は、これ寄附で戻さないと、税金で新設するわけにいきませんから。要するに、国に納めてる税金をNPO法人なり何なりに寄附をしてもらうわけですよ、そういうことを私は考えているんですけども。 日本の寄附金、これ先日報道もされておりましたけども、欧米に比べて非常に低い。名目GDPに占める割合を見ると、米国では1.87%、イギリス0.87%、日本は0.22%と、アメリカの8分の1以下と報道されています。ところが、政府は2011年の税制改正で、個人の寄附が行われやすいようにしました。市民公益税制の優遇措置を打ち出したんです。これにより個人の寄附が最大で5割近く税額で控除されることになりました。例えば、500万円の収入のある方が10万円寄附したと、この場合、今までですと2万9,000円程度しか税額控除されていませんでした。しかし、今改正で最大4万9,000円の控除となり、約50%が認められるようになりました。まだ国会を通過してないんですけれども、これ早急に受け入れ態勢の確立を図らなければならないんじゃないかなと私は考えています。また今回、受け皿となるNPO法人ですね、NPO法人の対象も拡大されることになるそうです。このNPO法人の認定方法を、設立間もないNPO法人を仮認定する。それから、地域のことは地域住民が決めるという考え方で、国税庁でなく地方が認定する仕組みをつくる。こうなってるそうです。これ本当に画期的なことではないかなと思っております。私が前から主張してきたこと、これが実現するのかなと思っています。 私はかねがねマディソンのワーフというような組織づくりの可能性をずっと言ってきたわけでなんですよ。もう3年以上前、4年近くになりますが。このワーフというのは、ビタミンDの特許を持ってる方が、この人たちが始めたことなんですけれども、たった9人で、ウィスコンシン州立大学の卒業生9人が100ドルずつ、今で言う1万円ずつです。これを出して設立したNPOで。同大の特許技術の管理だとか民間移転だとか大学研究の支援が目的の非営利組織です。今現在職員は50人、基金総額は1,800億円にもなっています。ですから、こういう小さいことからやれば可能性としては私はあると、現実にアメリカでこういうのはもう行われていたわけですから。ですから、今日本政府もそのように法改正し始めたわけですから、ぜひ私はこれをやるべきだと、そのように思っております。地元のお金を地元で使える絶好のチャンスだと。このチャンスを逃がさないでいただきたいと思っております。 それから、TPPは私たちの地域だけじゃないと思います。このTPPでこの間、これは全国市議会の情報にも書いてますけれども、全国でTPP交渉の反対、この慎重対応は非常にふえております。12月の定例会だけで、市議会に出した意見書の872あるうちで273と、もう断トツなんですよ、その次はヒトT細胞白血病というのが75ですけど、273ともう断トツに多いんですよ。ですから、これは私たちの地域だけじゃない、もう日本じゅうの地域がこのTPPに反対してると、そういうことなんで、ぜひこれは私たちも、何度も言いますけども、断固反対していかなきゃならないと、このように思っておりますので、そちらのほうの協力のほう、活動のほうもよろしくお願いしたいと、このように思います。 次に、人事配置への活用は、これはある程度理解させていただきました。ただ、給与面等では納得できていません。どのように具体的に反映させていくのか。今評価中であってもなくても、もう試行して3年にもなるわけですから、実際の具体的な対策というか、評価の方法を出していただきたいと思います。 給与面につながらない制度だったら、私はこれはなくてもいいんじゃないかなと思います。そういうことで、私のこれ考えですよ、考えですけども、例えば全体の給料を下げて、そしてその財源、当然余ります。それで、実際に仕事をしている方に加算していくと、給与自体を別に下げるわけじゃなくて、総体は同じで、要するに仕事をやってる方とやってない方を、これはやはり私は差をつけるべきだろうと、やはり役職、課長、係長もそうですけども、課長、部長になるような人には、やっぱりそれなりの待遇を私はすべきだと、そう思っております。市長として具体的な考え、再度お伺いしたいと思います。 |
◎米沢則寿市長 | それでは、御質問は今の人事の件だというふうに思いますので、人事の件についてお答えさせていただきます。 先ほども一部お話しいたしましたけれども、当たり前のことを申しますが、人事の評価というのは、やっぱり人材を育てるために、能力を上げるためにやっていくんだと、それからいわゆる報酬というものもモチベーションを上げるためにやるものだろうというふうに感じております。創造的な職員をぜひ一人でもふやしていきたいというふうに思っております。 そういう中で、今行われております人事のシステムをどうつくっていくかというのが今現状でございますけれども。繰り返しになりますが、システムだけではなくて、つまり仕組みだけではなくて、実際評価をする者とされる者、そこがしっかりと制度の内容を理解して、それに納得感を持たなければいけないなというふうに思っております。 今私初めて、今回この評価に関与しているところでございますけれども、印象で申し上げますと、まだまだ、先ほど言いましたけれども、緊張感とその緊張感に基づく納得感というところに到達するには、もう少し時間がかかるような気がしながら今回見ております。 ただ、今御指摘にございましたけれども、もう何年もやってきているところでございますので、いつまでもトライ、トライ、トライっていうわけにいきませんので、そういう面ではスピード感を持ってこれやらなくちゃいけないなというふうに思っています。 非常に官僚的な回答になりましたが、余り時間をかけることなく、処遇を初めいろんな活用方法について考えていきたいなと思っておりますが、私はここは大変重要なポイントだと思っておりますので、一生懸命やっていきたいと思っております。 |
24番(小森唯永議員) | 今お答えいただきました人事評価については、スピード感を持って時間をかけずに対応していただけるということなんで、次回以降結果をお伺いすることにしたいと、このように思います。 戦後から高度経済成長期にかけて、日本は霞ヶ関の大号令と戦略のもと、国民は欧米に追いつけ追い越せで一丸となって走り続け、経済的に豊かさを手に入れたわけです。しかし、人口も経済も右肩上がりという時代はもう終わり、国全体に閉塞感が漂い、国民の不安が今増している状況です。グローバル世界の到来、地域を巻き込んだ激動の時代となってきました。世界の中での大競争にどうやって打ちかっていくのか。本格的な人口減少、少子・高齢化を迎えて、この国の地域産業をどう育てるのか。国と地方の戦略、計画的な行動計画を早く立てないと、日本、特に地域は沈没してしまうと思っております。中央政府と地方の役割をはっきりさせなければならない。私たちはこのことのため勇気を持って、国への依存を断ち切るところは断ち切り、それこそ真の意味の地域主権を実現する必要があると言えるのでないでしょうか。 最近の地域政党の考え方、大阪府の橋下知事が言われるように、自分たちのまちのことは自分たちで決める、これが基本であり、地域主権の実現に向けてさまざまな取組みをしていると言っております。名古屋市長の河村さんもそうであり、私たちの愛する自分の地域は自分たちで守ることを考え行動を起こさなければなりません。特に、TPPのような地域を崩壊させるような大問題は、これは党派を超えて地域一丸となって立ち向かっていかなければならない。そういう事項であります。 その先頭に立つのが米沢市長であり、市長に提言を行い、政策を正しい方向に導くのが帯広市議会の役目であると私は考えております。米沢市長の感性と民間での経験を存分に発揮することを期待いたしまして、私のすべての質問を終了させていただきます。ありがとうございました。 |