一般質問

平成19年第4回9月定例会

質問1回目

24番(小森唯永議員)  市原議員の非常に熱のこもった議論の後でございます。一般質問もいよいよ最後となりましたが、重複する点もございますが、あといっとき御辛抱いただきたいと思います。
 さて、市長の市政執行に対する考え方についてお伺いいたします。
 現在我が国の財政は極めて厳しい状況にありますが、危機的な財政状況にあるのは地方財政も例外ではありません。特に財政基盤の弱い地方自治体の家計は火の車となっております。
 一方で、地方分権や今後の高齢化の進展などに伴い、地方自治体の役割はますます大きくなっております。このため、行財政改革の推進などにより、地方財政の健全化を進めるとともに、地方自治体が地域の実情に応じた自主的な財政運営を行うことができるよう、地方税財源の充実強化を図っていく必要があります。
 さきに報告されました本市18年度監査報告によりますと、実質単年度収支は9,815万円の赤字であり、前年度6,961万円よりわずかながら赤字が増加しました。歳入の自主財源を見ますと、市税は対前年度比1億6,208万円、0.8%減少したこと等により、自主財源全体で対前年度比2億1,141万円、0.6%減となりました。本市予算で、市税は今年度大幅な伸びを予定しておりますが、しかし近年は市税の減少傾向が顕著であります。
 歳出を見ますと、これまで減少傾向が続いていた人件費が、団塊の世代の退職期を迎え、対前年度比4億1,052万円、3.1%増、生活保護費等の扶助費が対前年度比1億3,362万円、1.0%増となっており、義務的経費の増加が目立ちます。財政構造の硬直化がわずかながら進み、財政状況は厳しさを増してきていると報告されております。
 そこで、お伺いいたします。今年度予算中、市税は昨年度に比べ約19億円の伸びを見ております。しかし、現実にはそのようにいくのでしょうか。財源が足りなくなれば、一番簡単なのが基金の取り崩しであります。市営競馬の清算金に高等教育基金の取り崩しも行われたのですが、基金の現在額と今後の基金の残高はどうなるのでしょうか。
 国の財政健全化計画の影響と思われますが、国からの地方交付税の今年度分の約5億円の減額に対しどう対応するのか。不足の財源は何をもって充てるつもりなんでしょうか。
 次、市有地売却について伺います。
 今回2カ所の市有地売却に対する市民感覚は、到底納得できるものではありません。保健福祉センター跡地、旧清掃センター跡地の土地等であります。幾らアスベストを処理しなければいけないといっても、福祉センター跡地は建物の解体費5,096万円であり、更地にしての売却費2,658万円で、2,438万円もの逆ざや、損をしてまで売却する必要があったのか。この財政難にあってなぜ2,438万円も損をしてまで売却しなければならなかったのか。もう少し時間をかければアスベスト処理技術が進み、解体費用も安くなったかもしれませんが、逆ざやが発生することが明らかな中で、すぐに売却しようとする考え方に疑問を呈するものであります。時間をかけて利活用を含めた検討をするなど、様子を見ることも必要ではなかったのでしょうか。
 旧清掃センター跡地にしても、建物解体費2,551万円で、売却価格2,616万円であり、売却利益はわずか64万円であります。災害時の生ごみ等は衛生上の問題から街中には堆積できません。処理場すぐ前の旧清掃センターの跡地は緊急災害時用に必要であったのではないでしょうか。実質たった64万円で売却するのですか。今後もこのように利益が出なくても、企業等から売却要請があればどこでも市有地を売却するのでしょうか。今回の売却理由を明確に説明していただくとともに、今後の売却に対する考え方をお伺いいたします。
 次に、市発注入札のあり方と暮らしのガイド1円入札による市長の考え方をお伺いいたします。
 市が発注する契約に関しましては、当然市民の税金であり、安ければそれだけ市民負担が減るわけですから結構なことであります。
 しかし、昨今の市発注大型事業を見ていると、仕事量の少なさからか、採算ぎりぎりで、もしくは赤字ではないかと思われるような金額で市は発注し、企業が低価格で受注しているような事業も見受けられます。入札企業の少なさがその実態を示しているのではないでしょうか。
 その結果は、中小零細企業へと向いていき、管外企業への発注とか管内企業の下請や孫請が低価格で受けざるを得ません。市発注工事が市内企業を潤すのではなく、逆に市内企業を苦しめることにはならないでしょうか。
 また、今回の市発注くらしのガイドを管外業者が1円という低価格で落札したことに対し、砂川市長は当然のことであり、今後もその必要はあると言っておられました。
 しかし、この発言に対し非難の声が上がっております。市内企業は今大変な景気低迷が続いています。適正な発注価格でなければ市内企業は赤字になり、利益を得ることはできません。市内企業が元気になってこそ雇用と税収がふえ、本市は潤うわけであります。今回のくらしのガイド発注については、その方法や条件等を市内業者にきちんと説明なされたんでしょうか。
 市発注の契約についてお伺いいたします。
 入札については、品質の保証や競争性の確保なども必要でありますが、現下の厳しい経済情勢の中、地域経済の活性化などの観点から、地元優先発注も重要と考えますが、いかがでしょうか。
 くらしのガイド1円入札及び地元発注に対する考え方をお伺いいたします。
 印刷は当然地元でもできる仕事であります。くらしのガイドの過去2回分の契約額はどのようになっていましたか。今回の予定価格はどのように決定されたのでしょうか。また、その価格は適正と考えられていたんでしょうか。
 それから、私が平成17年10月の決算委員会で質問いたしました本市における電子入札の進捗状況についても伺います。
 電子入札制度の導入はどこまで進んでいるのでしょうか。実施時期は明年度可能なのでしょうか。
 次、今年自衛隊が防衛庁から防衛省に昇格されました。自衛隊の国際貢献は、東ティモールを初め、近年はパキスタンの地震、イラクへの復興支援活動等、日本の自衛隊の勤勉さは他国とは比較にならないほど優秀であり、現地での犯罪率ゼロと、国際的にも大いに貢献が認められたところであります。
 結果、日本国民の理解も得られ、今年庁から省への昇格がなされたものであります。帯広空港が大正に移転し26年目を迎えました。新空港開港時に締結された自衛隊機の離発着に関する5者協定が締結され、その後4者協定に変更、その4者協定が現在も効力を持っており、いまだに自衛隊機の離発着が認められていません。
 第5旅団の自衛隊員がイラクへ平和活動に行った際にも、帯広空港が使われず、わざわざ千歳空港から出発いたしました。帯広空港の利用者増を日ごろから言っていながら、何と情けないことでありましょうか。市長はこの現状をどう思い、今後自衛隊機の帯広空港使用ができるように4者協定の見直しを早急に行うべきと考えますが、お考えは。
 次に、一連の市長検証報道についてお伺いいたします。
 この間の報道は一方的になされた感が強く、砂川市長にとりましても大変に不本意なことも多々あったことと思います。ぜひこの機会に市長のお考えを市長自身の言葉で説明いただきたいものと思います。
 まず、市町村合併問題であります。18町村で組織する町村会と市が、十勝1市のグランドデザインをもとに自立の道や合併、広域連携などさまざまな可能性を話し合う共通のテーブル設置で合意したのは昨年8月。その後、十勝の中核となるべき帯広市からの提案や呼びかけは一切なく、進展はないとありますが、本当でありましょうか。
 十勝1市構想の中で、市は当初から町村と対等として19分の1の立場を主張、主導権を握ることを避けている。市幹部はテーブル設置は町村会からの呼びかけだと。こちらから何か言う立場にはないと、あくまで受け身の姿勢を強調するとありますが、そのとおりでありましょうか。
 帯広がどの方向を向いているかわからず、皆疑心暗鬼になっている。ほかの政治関係者も疑問を呈する。砂川さんはやらないと言えばよいが、大事な問題などとぼかすだけだとあります。市長の本当の思いをお聞かせください。
 屋内スピードスケート場建設でも、管内町村から、胸襟を開かない、本音で語ってくれれば利用などの面でも協力体制がとれる、トップ間で協議すべき問題なのにとの声が漏れるとありますが、どの程度管内町村長と話し合われたんでしょうか。
 次に、情報収集力不足についてであります。明治乳業の新チーズ工場が芽室に持っていかれたのは、市に情報がなかったの一言。土地や水という物理的問題はあったが、工場建設の情報を得るのが遅過ぎる。公約の企業誘致に市はどれほど熱心に取り組んでいるのか。明治の大規模なチーズ工場の建設場所が芽室に決まったとき、帯広の経済界のショックは相当なものだった。カルビーポテト進出のときには、芽室との熾烈な綱引きで一時負けそうになった流れを、粘り強い交渉で巻き返すことができた。雇用の確保、人口増、税収増に必死だった。明乳のときには職員にそんな気概はみじんも見られなかった。当時の市職員OBは振り返るとありますが、明治乳業での市の対応と企業誘致の市長の考え方をお伺いいたします。
 市のあるOBは、現状を憂えてこう語る。1人では限界がある。1,500人の職員をいかに気力を持って働かせるかが市長の最高の命題。しっかり指示を出し、全員一致で動けばあっという間に情報が集まり、物事が形になる。黙っていても市長は光るのに、何もしないとありますが、私はそんなことはないと思っております。市長がしっかり指示をした事例を具体的に挙げてください。
 次、大学設置、見えぬ市長の本気度であります。あったらいいはだれでも言える。大学をつくる気があるのかないのか、公約し3選、今も進展せず。市職員OBによると、砂川市長1期目からあと一歩という場面は幾度かあった。だが、関係者が話すばかりで市長の意思が伝わらない。市長が熱意を示すかどうかで向こうの受けとめ方も違う。誘致したいのか、つくりたくないのかわからないと職員さえ困惑すると、ここまで言われております。ここではっきりした意思、誘致ができるのかできないのか、誘致に向けた具体策はあるのか、あるいは大胆に見直し、他の選択肢に向かうのかを示すべきではないでしょうか。
 次に、人口減少に関する記事であります。帯広の人口が減っても帯広圏の人口は確実にふえている。砂川市長の発言に対し、合併論議をしているわけでもないのに危機感が感じられない。人口減は税収減になる。帯広の社長の発言とは思えないと地元道議、経済人は口をそろえて批判するとあります。
 3年前、道と大手旅行会社が市内で管内自治体を対象に移住関連の説明会を開催したが、市担当者だけは姿を見せなかった。道が進める北の大地への移住促進事業、全体の半分を占める102市町村のうち管内は13町村が登録し、専用のホームページなどでPRに懸命だが、帯広は未加盟。今は情報が充実している。希望者が自分で調べて問い合わせてくることが多いと、他人任せの模様。来なくてもリスクはなく、来れば人口増などのメリットは大きいのに、言っても動かない。道議は市のフットワークの鈍さに首をひねる。地元経済人は語る。企業なら売上減を察知すれば、存続のためあらゆる手を打つ。自衛隊旅団化で1,000人もの異動がわかったとき、実施の先送りを含め市はどんな人口増の対策を打ったのか。人口の減少はあらゆる面で地域力の低下につながるとの危機感が欠如していると、具体的例を挙げて痛烈に批判されていますが、その具体的例を挙げた指摘についてどのように感じておりますか。
 また、市長がこれまでとられた人口減抑制対策と今後本市の人口増加対策についてお話しいただきたいと思います。
 次に、じり貧脱却へ市長は戦略を示せの記事であります。農業と建設業によって支えられてきた十勝経済。公共事業の減少で建設業は後退し、企業倒産はこの10年で過去最多のペース。第3の産業にと関係者が期待をかける観光も発展途上の一方、人口減少が進み、帯広中心街の衰退も目を覆うばかりだ。魅力ある帯広にするため市長がどうしたらいいのかがわからない。何も考えていないのではないか。現場を歩いて声を聞いていない。もっと職員や関係者とのコミュニケーションを密にして知恵を出し合う必要があると与党関係者は提言する。
 地域間競争を勝ち抜くために、危機意識のなさは航空行政にもあらわれている。とかち帯広空港の東京・帯広線のダブルトラック化に向けた誘致活動の相次ぐおくれ、通り一遍等のことしかやっておらず、真剣味がなかった等々あります。市長はこの機会にぜひ産業、建設業、観光に対する具体的政策を示していただきたいと思います。
 私は市長の帯広にかける思いを期待し、1回目の質問といたします。
◎砂川敏文市長 小森議員の御質問中、初めに市町村合併についてお答えいたします。
 十勝管内では、旧合併特例法のもと、すべての市町村がそれぞれの枠組みで、合併協議を進めてまいりましたが、結果としまして、幕別町、忠類村の合併を除きそれぞれの町村はみずからの意思で自立の道を選択し、現在に至っております。
 各町村は自主自立のまちづくりのため、行財政改革や広域連携など、簡素で効率的な自治体運営にまちを挙げて取り組まれているところであり、この意思を最大限尊重しなければならないと考えております。
 なお、管内町村長さん方とは、十勝圏活性化推進期成会を初めさまざまな機会を通しまして幅広く意見交換を行っているところであります。
 屋内スピードスケート場につきましても、町村会の会議の場におきまして私の考えをお伝えするとともに、全十勝の施設としてPRや利活用をお願いをしてきたところであります。
 地方分権が進展する中で、帯広・十勝がさらに発展していくためには、管内市町村の連携はますます必要となってまいります。今後におきましても、各町村長とはさまざまな機会をとらえながら、自治のあり方など十勝の諸課題などについて協議をしてまいりたいと考えております。
 次に、情報収集力についてのお話がございました。日ごろから会議や打ち合わせなどさまざまな場面で私の思いを職員に伝え、その都度必要な指示をしているところであります。各職員はそれを受けとめ、職務に当たっているものと考えております。
 情報化社会におきましては、情報は力であり、職員には正確な情報を幅広く収集し、迅速に行動に結びつけていくよう求めてきているところであります。
 次に、自衛隊機についてのお尋ねがございました。とかち帯広空港に関する地元の方々との協定といたしましては、昭和50年9月16日付で地元の5者との覚書、いわゆる5者協定を締結しました。その後これを見直しまして、平成12年12月28日付で新たに地元4者との覚書を締結し、現在に至っております。
 そして、この覚書の中で、自衛隊機の乗り入れは急患搬送、災害派遣に限るものとし、これ以外は原則として行わせないものとするとなっているものでございます。
 とかち帯広空港の覚書につきましては、空港建設の際に地元の皆さんとの真摯な話し合いの結果締結されたものでありますので、その経過を踏まえましてしっかりと対応していかなければならないものと考えております。
 しかし、平成12年にも協定の見直しが行われておりますように、その時々の状況を判断するとともに、地元の皆さんとしっかりとお話をさせていただきながら、その意向を把握いたしまして適切に対応していかなければならないものと考えているところであります。
 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。
◎本迫哲政策推進部長 私から初めに、地方交付税の状況につきましてお答えいたします。
 今年度の本市の普通交付税につきましては、129億8,216万円と決定されたところでありまして、当初予算対比では約5億2,500万円の減となっております。この財源不足分に対しましては、45億円の通常債発行ガイドラインをにらみながら、今後発行が可能な市債の借り入れをふやすなどにより対応していかなければならないというふうに考えております。
 次に、基金残高につきましては、平成18年度末で約62億3,000万円でございまして、おのおの基金の目的に応じまして各種市民サービスの充実のために使用いたしております。厳しい財政環境の中にありまして、一定のサービス水準を維持していくため、今後も基金を効果的に使っていかなければならないというふうに考えているところでございます。
 次に、人口対策についてお答えいたします。
 戦後一貫して増加してきました我が国の人口は、少子・高齢化の影響によりまして減少局面を迎えております。しかし、人口は地域の活力や発展をはかる基本的な指標の一つでもありますことから、こうした状況を踏まえまして、総合的な観点から人口対策を進めていく必要があるものと考えております。
 本市におきましては、これまでも新市街地の開発や企業誘致、子育て支援などの取組みを進めてきたところでありますが、今後とも産業振興や子供を産み育てやすい環境づくりに取り組むなど、本市の特色を生かしまして都市としての魅力あるまちづくりを進めることで人口減少時代に対応してまいりたいというふうに考えております。
 最後に、くらしのガイドの入札についてお答えいたします。
 くらしのガイドの作成に当たりましては、これまでは企画編集は市が行いまして、印刷に要する経費いわゆる印刷製本費について入札を行ってまいりました。過去2回の全面改訂の際の契約金額につきましては、平成4年度が全52ページで作成部数7万部、これで約1,190万円、平成14年度の改訂の際には全88ページ、作成部数8万部で約1,200万円というふうになっております。
 今回の制作に当たりましては、受託者が企画編集から制作までを一貫して行う委託事業として制作方法を改めますとともに、受託者の事業として広告を掲載する手法を取り入れ、制作経費から広告料収入を差し引きまして帯広市が負担する金額について入札を行ったものでございます。
 今回取り入れました手法は、帯広市として初めての試みでありましたことから、入札に当たりましては、同様の制作手法を取り入れております他市の事例や本市において広報紙あるいはタウン情報誌発行の実績のある業者から徴集をいたしました見積もり等を参考にいたしまして積算を行い、予定価格は約680万円と定めたものでございます。
 この入札の結果、落札の金額は、お話しのとおり1円ということになったわけでございますが、これは落札者がガイドの制作経費をみずから企業努力によりまして広告収入で賄えるものと判断したものであるというふうに考えております。
 私どもといたしましては、入札の執行そのものにつきましては適正に行われたものと判断をいたしておりますが、1円落札という結果につきましては、想定をしていなかったことでもございますことから、今回のこの経過を精査いたしまして、また成果品のチェックをしっかり行いまして、今後の事業の進め方の参考としたいというふうに考えております。
 以上でございます。
◎佐藤秀樹総務部長 御質問中、まず平成19年度の市税の収入見通しにつきましてお答え申し上げます。
 今年度予算中、市税の増加分の主な内容につきましては、国の三位一体の改革によります所得税から住民税への税源移譲などによります個人市民税の増加分のほか、法人市民税、住宅の新規着工などによります固定資産税及び都市計画税、そのほか軽自動車税及び市たばこ税の増加分を見込んでございます。
 平成19年度の市税収入の見通しにつきましては、全国ベースでは景気は回復基調にあり、企業収益は比較的好調に推移しておりますが、北海道十勝・帯広におきましては、依然として厳しい状況が続いておりまして、個人市民税につきましては、個人所得の低下傾向に歯どめがかからず、厳しい状況ではありますが、他の税目につきましては、一定程度の収入が見込まれるものと考えているところでございます。今後とも収納率の向上に意を用いてまいります。
 次に、市有地の売却に対する考え方についてお答えいたします。
 普通財産のうち、将来とも保有し使用することが公益上の観点から見て必要かつ適当と判断されているものを除く土地につきましては、行政執行の財源に充てることが適当であり、財政運営上の判断に基づきまして順次処分をしていくものというふうに考えております。
 なお、お話しございました建物つきの土地につきましては、飛散の危険性のあるアスベストが存在する建物でございまして、解体後に売却するなど、その状況によりまして適宜判断しているところでございます。
 次に、地元優先発注に対する考え方でございます。
 公共工事や各種業務の発注につきましては、地域経済の活性化や雇用の確保の面で重要な役割を担っており、また地元企業の育成の観点から、一部の特殊あるいは考慮すべき工事業務を除きまして、地元企業で可能なものにつきましては、極力地元企業に対しまして優先的な発注に努めているところでございます。
 地元企業への優先的な発注につきましては、今後とも十分に意を用いてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 次に、電子入札制度の導入についてでございます。
 電子入札につきましては、現在北海道と道内市町村で共同開発、運用を目指します電子調達システムの開発運用主体でございます株式会社ハープから初めてシステム概要の説明会を開催するとの連絡がございまして、平成20年度後半から運用が可能との情報を得たところでございます。
 本市におきましては、これまでシステムの構築状況、運用の具体的な内容、費用負担などにつきまして問い合わせを重ねてきたところでございまして、システム導入の運用に当たりましては、初期費用、年間利用料、参加する事業者の負担など、さまざまな課題もございますことから、新年度の予算編成の中で慎重に判断をしてまいりたいというふうに考えております。
 私からは以上でございます。
◎松山豊商工観光部長 御質問中、明治乳業の移転に対します市の対応と企業誘致につきましてお答え申し上げます。
 お話にありました明治乳業の移転につきましては、移転発表の半年ほど前から情報をキャッチし、拡張計画の内容や地元に残るための協力条件等につきまして協議をさせていただき、私どもとしては市内での拡充操業を期待いたしたところでございます。
 しかしながら、他の理由もあると思われますが、13ヘクタールの広大な土地と豊富な水が必要であるということが決め手となり、芽室町への移転を判断されたものと考えております。
 産業の振興におきましては、企業誘致と地場産業の育成が両輪であります。特に企業誘致につきましては、地域の活性化に大きなインパクトを与えるものであることから、十勝の豊富な農畜産資源を生かした食品加工製造業や金属加工型製造業等をターゲットに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、産業振興の具体的政策であります。国におきましては、経済のグローバル化戦略と地域活性化戦略などを柱にした経済成長戦略大綱に基づきまして、着実な経済成長の実現を目指しているところでございます。
 地域経済の活性化に関しましては、新たに中小企業地域支援活用促進法それから企業立地促進法、産業活力再生特別措置法の一部改正など、地域独自の取組みを積極的に支援する法律が国から打ち出されてございます。
 北海道におきましても、この厳しい経済環境を踏まえ、北海道の資源を生かし活性化の芽を育てつつ、将来の持続的な発展を目指して経済活性化戦略ビジョンの策定や企業立地促進、中小企業の競争力強化に関する条例制定などの現在検討作業を進めているところでございます。
 本市はこれまで総合計画等に基づきまして新製品、新技術の開発支援、経営基盤の強化、産業支援施設の整備など、幅広く地域産業の振興に取り組んできたところでありますが、昨今の厳しい地域経済の状況を踏まえまして、中小企業の一層の振興を図るため、本年4月に中小企業振興基本条例を施行したところでございます。
 今後地域産業の振興を図るためには、国や北海道の政策動向を十分に踏まえながら、地域の特性や資源を生かした独自の振興策が必要であると考えているところであり、現在中小企業振興協議会を設置し、物づくりと創業、経営基盤と人材、交流、さらには産業基盤の4つの視点から市と中小企業者が協働で今後の振興方策の検討を進めてまいりたいと考えております。
 いずれにいたしましても、昨今の厳しい経済の状況を踏まえ、地域の産業経済の活性化を図るべく、こうした取組みを進めながら時代に合った地域産業の振興策を構築してまいりたいと考えております。
 以上であります。
◎合田隆司政策室長 大学につきましてお答えをさせていただきます。
 新たな大学につきましては、大学収容力が全国で最も低い帯広・十勝の長年にわたる願いでございまして、人材の育成さらには地域産業の振興など、地域の発展に大きく貢献するものでありまして、本市にとって必要な都市機能と考えているところでございます。
 こうしたことから、これまでも帯広市の大学の取組みに興味を持っていただいております学校法人の関係者を初め、さまざまな方々と協議や意見交換などを行ってきているところでございますが、残念ながら現時点におきましては実現に至っていないというところでございます。
 しかし、新たな大学の設置は、地域の発展に必要な機能でありますことから、大変厳しい環境と承知をしておりますけども、実現に向けさらに努力をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
 以上であります。

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質問2回目

24番(小森唯永議員) 今の御答弁で、北海道十勝・帯広の企業は依然厳しい環境にあり、また個人市民税についても、個人所得の低下傾向に歯どめがかからず厳しい状況というのはわかりました。残念ながら今年度地方税の予算19億円の増は難しいのではないかと判断しています。
 地方交付税にしましても、不足額を市債の借り入れで対応したいとのことであります。会社で言えば借金経営にどんどん向かい始めたのかなという感じであります。この現実をどう考えられているのでしょうか。
 そこでお伺いいたします。市税収入と地方交付税は大幅に不足すると予測され、結果起債に頼らざるを得ませんが、当初予算に比べどの程度起債の増額を考えられているのでしょうか。
 次に、市有地の売却であります。普通財産のうち、将来とも保有し使用することが公益上の観点から見て必要かつ適当と判断されるものを除く土地については、行政執行の財源に充てることが適当であり、財政運営上の判断に基づき順次処分していくべきものだと考えておりますと言われました。
 何か勘違いしていませんか。行政執行のためなら土地売却は適正ととれます。市民の財産の切り売りを何と心得ているのですか。市有地を売却するのは、タコと同じではありませんか。自分の足を食べるタコと同じではありませんか。これらの土地取得には先人の血税がつぎ込まれたのであります。売却に当たって、公益上の観点から見て必要かつ適当と判断される以外の土地とありますが、売却される土地が将来とも必要ないとだれが判断できるのですか。明確な土地利用計画をお持ちなのですか。中心部の土地が今後も必要にならないのですか。ごみ処分場の真ん前にある土地がなぜ必要ないのでしょうか。
 市財政の緊急事態でも、土地売却はやむを得ない場合もあります。しかし、逆ざやで市有地を売却されることなど許されることではありません。この財政の厳しい折、何を考えておられるのか。アスベスト処理に費用がかかったなどとの言いわけは通用しません。市民の財産を処分するに当たり、損失を出したことに責任を感じてないのですか。市の将来の土地利用計画を真剣に検討して、適正、妥当な運用が求められるのは当然のことであり、極めて重要であります。今回の市有地処分に当たり、どのような土地利用計画の検討がなされたのかをお伺いいたします。
 このような低価格どころか損をしてまで売却することが市民に対してどういうメリットがあったのか、理由を明確に伺います。
 次、市発注の契約であります。公共事業等の発注については、市民の税金で行われるのですから、当然少しでも安く発注しなければなりません。市長は今回の入札で、基本的な入札の原則として大前提になるのが、品質の保証と透明性、競争性の確保と言う一方、自治体として地域、地元配慮も必要だと相反することを言っております。
 御存じのように、市内企業は今未曾有の不況に陥っており、本市でできることは少しでも地元企業のために実行しなければなりません。今回のくらしのガイド以外にも市役所備品の購入等、管外大手企業の落札も多く見られるようになりました。透明性と競争性だけでいくなら、管内企業は恐らく全滅するのではないかと思われます。市内業界組合からの陳情書が出てきた事情を察する必要があります。市内企業が健全に育つことにより、働いている方々も安心され、ひいては市の発展につながるものであります。
 今回のような発注方法に問題はなかったのでしょうか。予定価格680万円の入札がどうして1円で落札されたのか、市民にはわかりづらいでしょう。単に結果オーライというわけにはいかないのではないでしょうか。入札の透明性を高めるためにも、課題を整理し、今後のこの種の発注には十分留意されることを求めます。
 公共事業の地元発注の考え方については、前向きな御答弁であり、理解できます。
 そこで、再度伺いますが、地元発注を優先するような方法はないのか。発注した後、元請企業に地元でできるものは地元業者の雇用を義務づけることはできないのでしょうか。また、最低落札価格の設定等、契約の見直しはいかがでしょうか。
 電子入札制度の導入は、平成20年度からの運用が可能とのことでありますが、本市においては新年度予算の中で慎重に判断するとのこと。ということは、まだ先のことかなというぐあいに感じました。
 北海道では今年度より試行が始まったとのことであります。本市におきましても、経費等諸問題を早急に検討し、早期の実施を求めるものであります。
 次に、自衛隊の帯広空港使用であります。自衛隊の主な任務は、国民の生命、財産、国土、領海、領空を守ってくれるのはもちろんのこと、地震や台風によるその他災害時の支援、病気やけがによる輸送、氷祭りやラリージャパン等イベントなどの支援、その功績は上げれば切りがないほど膨大であります。
 また、自衛隊が駐屯していることによる数々の補助金、周辺整備事業、国家公務員として優良な納税義務者は、本市にとってはなくてはならない存在であります。その自衛隊の自衛隊機を帯広空港に離発着させないという4者協定が現在も存続していることにいら立ちを覚えます。
 自衛隊機の帯広空港使用を認めてどれだけマイナスがあるのでしょうか。1日に何便利用するのでしょうか。戦闘機が離着陸するわけでもないのに、民間機と比べてどれだけ騒音に差があるのでしょうか。急患搬送と災害派遣のときだけしか認めない。自分の都合のよいときは利用するが、あとは使わせないなどという身勝手な覚書は即刻改定すべきと申し上げます。
 自衛隊の施設周辺整備事業などによる地元支援策も視野に入れ、地元を説得し、協定見直しの判断を市長に求めるものであります。
 今御答弁をいただきました。平成18年10月に同僚の栗田議員が決算審査特別委員会で質問をしております。このときの質問では、地元の意向をきちっと把握しながらお話をいただきながらいい形の運用なりをしていくということが私の基本的な姿勢でございますと市長は述べられました。
 今回の御答弁では、私は一歩踏み込んだのかなという感じがしております。適切に判断という言葉を使われました。自衛隊員も帯広市民です。再度市長の見解をお伺いしたいと思います。
 次に、一連の新聞報道についてであります。人口問題と情報収集のあり方、じり貧脱却のための産業振興につきましては、一定の考え方が示されました。市長は日ごろから、さまざまな場面で市長の思いを職員に話し、その都度必要な指示をしているとのこと。職員はその思いを受けて情報収集を含め職務に当たっているとのことであります。また、情報は力であり、さまざまな情報を収集し、速やかに行動に結びつけ、情報収集力の向上に努めていかれるとの御答弁をいただきました。新聞や外から見ているのとは大違いであります。今後御答弁どおりなら、私たちが誇れる情報基地帯広市役所になることでしょう。
 人口減少対策では、住宅政策に取り組まれているとのこと。中心市街地への居住政策の推進や子育て推進の政策が一定の評価に値するものと認識します。しかし、市街地の中にはまだまだ空き地や未開発の土地が多く存在しています。これらの土地の有効利用を図らなければなりません。規則でがんじがらめのおかたいお役所仕事では、地域住民の気持ちをとらえることができないばかりか、近隣町村への移転がますます進むものと思われます。市街地に住んでもらえるよう規則の弾力運営や随時計画の見直しを行うぐらいの行政運営を求めます。
 また、人口減少の抑止には、住宅行政だけではなく産業振興抜きには考えられないのであります。働く場の確保、若者が働きたいと思える企業の誘致、地場資源に根差した新しい産業の育成など、幅広い取組みが必要なのであります。
 このように、人口対策は地域の環境整備や住宅政策、子育て支援、産業政策など総合戦略が求められるわけでありますが、こうしたことから本市のまちづくりや経営をどのように進められようとしているのかをお伺いいたします。
 じり貧脱却のための産業振興では、明治乳業、柳月、日本高圧や白樺高校、大谷短大等が近隣町に移転してしまいました。新聞の報道どおり、市の対応のおくれによる甘さが指摘されても仕方ないところでありましょう。
 しかし、今年に入り中小企業振興基本条例の制定を初め、帯広市産業振興ビジョンの策定などに対応、市政に変化が見られ始めました。遅きに失している感は否めませんが、今後全力での取組みを求めます。
 そこで、再度お伺いいたします。十勝の中核都市としての地域の経済力を高め、人口、雇用、産業など多くの重要なるかぎを握るR&B、企業誘致、地元での産業クラスター連携など、山積する政策に対して市長の決意をお伺いいたします。
 市町村合併と大学設置に対して御答弁をいただきました。はっきり申し上げて前進はありません。新聞にあれだけ言われているのですから、もっと反論なされるものかなと思っていましたが、納得できる内容ではありません。
 とりわけ大学設置では、高等教育基金を市営競馬の清算に流用するわけですから、幾ら市長が大学設置を言ってもむなしく聞こえるだけであります。諸情勢をかんがみ、一定の結論を早く出すべきではないかと考えますが、いかがでありましょうか。
 何も新設大学だけが高等教育ではありません。いつまでも実現性の薄い大学誘致にしがみつくことなく、このあたりで大胆に方向転換し、専門学校とかR&Bへの研究費助成とか、幾らでも有効な活用方法が検討できるはずであります。
 次に、市町村合併問題であります。市長はさまざまな機会を通して幅広く意見を交換しており、屋内スピードスケート場の利活用についても、町村会の会議の場に出向き私の考えを伝えるとともに、利用面において全十勝の施設として応援やPRをお願いしてきた。今後においても、帯広の発展はもとより十勝全体の発展の観点から、管内町村長と連携を図り、課題等について協議を重ねていきたいと言われました。
 新聞のコメントとは全く正反対の主張であります。しかし、外野から見ている限り、市長にはその意思があるのでしょうが、ほかの人には伝わっていきません。私が聞くところ、他の首長からSSに対して応援したいとの声は全くと言っていいほど聞かれません。どのように管内首長と話し合われているのでしょうか、疑問を感じます。
 市町村合併問題は、十勝の将来を左右する大事な政策であります。現在の管内の産業の停滞を見るとき、行政がまとまらなければこれから待ち受けるであろう諸課題に立ち向かうことはできません。外国との競争に立ち向かえる農業の育成、公共事業縮小の中、中小企業間の合併による体力の増強、人口減と高齢化に対応するための施策、公共施設の統廃合による有効利用など、上げれば切りがありません。
 市長はよく自立を選択した町村の意思を尊重すると言って帯広から動くべきではないと言います。では、どこが動くのでしょうか。親が子供を説得しないで子供が親を説得できるのでしょうか。はっきり言わせてもらいます。今管内町村とコンタクトをとらないなら、市長としての責務を果たしていないと申し上げます。上辺だけのコンタクトなら必要ありません。本音で話し合っていただきたい。
 高齢化と人口減に苦しむ町村がわかりますか。さらにもっとひどいのは、管内中小企業の苦しさがわかるでしょうか。マスコミにも報道されているとおり、管内建設業などは7割が赤字と言われております。そこに働く人々の生活も当然大変な状況に陥っております。確かに市町村合併ですべてが好転するはずはありません。精神面の方が大きいかもしれません。
 しかし、合併による効果は確実にあります。十勝ブランドの統一、企業間合併の促進、団塊の世代の大量退職による新規職員採用の抑制、公共施設、特に老健施設及び少子化による保育施設等の有効利用等々であります。
 そこで、もう一度お伺いいたします。十勝全体の発展の観点から、管内首長と連携を図り、課題等について協議を重ねていきたいと答えられました。これまでどおり待ちの姿勢をとられるのでしょうか。また、話し合うとすれば何を話し合われるのか。市長は十勝1市構想に向けてリーダーシップを発揮し、実現に向けた話し合う姿勢をお持ちでしょうか。
 以上をお伺いし、2問目の質問といたします。
◎砂川敏文市長 初めに、市町村合併についてお答えいたします。
 十勝の市町村は、互いに深くかかわり合いながらともに発展してきた歴史がございまして、現在も農林水産業を基幹産業とした一つの経済圏を形成するなど、経済的、社会的な結びつきが強い地域でございます。
 このため、共通する課題も多うございまして、管内町村長とは十勝全体の観点から、十勝圏活性化推進期成会や十勝圏複合事務組合の会議などを通しまして、広域連携のあり方を初め、産業振興など十勝地域が抱えている課題等について幅広く協議を行ってきております。
 地方分権改革が第2ステージを迎え、基礎自治体の役割はますます重要性を増し、自治体の知恵や力を最大限発揮できる体制が求められてくるものと考えております。
 このため、管内の町村長さんとはさまざまなテーマにつきまして率直に話し合いを行いますとともに、自治のあり方について意見交換を行っていきたいと考えているところであります。
 大学についてであります。少子化が進む一方で大学がふえていることなどから、いわゆる大学全入時代を迎えておりまして、大学間の学生獲得競争は一段と激しくなってきております。したがいまして、大学誘致の環境につきましては、ますます厳しい状況になってきているというのは偽ざるところであります。
 しかしながら、新しい大学は帯広・十勝の発展に大きな役割を果たすものでありまして、これからのまちづくりを考えますと、取り組むべき重要な政策であると考えておりますことから、厳しさは十分承知しながらも、その実現を目指しまして粘り強く努力を続けてまいりたいと考えているところであります。
 次に、自衛隊機の十勝・帯広空港の利用についてでありますが、過去に市民との文化交流を目的に訪れました防衛大学校吹奏楽部を輸送する自衛隊の輸送機が空港を利用したことがありますが、このときは地域の皆さんと話し合いを行いまして、御理解をいただいた上で利用したものであります。
 繰り返しになりますけれども、覚書の経過を踏まえまして、その時々の状況を判断するとともに、地元の皆さんとしっかりと話をさせていただきながら、その意向を把握しまして、適切に対応していかなければならないものと考えているところであります。
◎本迫哲政策推進部長 初めに、市債についてお答えいたします。
 本年度の市債発行見通しにつきましては、当初予算に計上いたしました普通会計ベースの発行総額約54億4,000万円に加えまして、先ほどお答えいたしました地方交付税の減額に伴う財源補てんといたしまして、今のところ約3億4,000万円の発行を考えているところであります。
 この合わせて57億8,000万円のうち、いわゆる通常債の発行額は43億円程度となる見込みでございますが、市債につきましては、これを財源とする事業の進捗状況や今後の追加財政需要におきましても発行が想定されますことから、現時点におきまして発行総額を明らかにすることはできませんので、御理解をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、市債につきましては、将来の財政負担を伴うものでございますことから、通常債のガイドラインを念頭に置きながら適正な発行管理に努めていく考えでございます。
 次に、人口対策についてでございます。
 少子・高齢化による人口減少や地方分権の進展によりまして、各自治体は都市間競争の時代を迎えております。このため、自治体は地域の個性や資源を最大限に生かした個性豊かなまちづくりがこれまで以上に求められていることになります。多くの人々に住みたい、住み続けたい、あるいは訪れてみたいと思っていただけるまちにするためには、お話にもありましたように、生活の利便性はもとより、働く場や教育の充実などとともに、帯広の風土や文化に根差した特色と魅力あるまちづくりに取り組むことが必要でございます。
 これまでも個性あふれる帯広づくりのために、総合計画に基づきまして総合的かつ計画的なまちづくりを進めてきておりますが、今後におきましても、現在策定作業を進めております新しい総合計画におきまして、多くの方々の知恵とお力をおかりしながら、より魅力あるまちづくりの方向性を示してまいりたいというふうに考えております。
 以上でございます。
◎佐藤秀樹総務部長 御質問中、まず市有地の売却についてお答えいたします。
 普通財産のうち、土地利用の将来計画から見まして今後とも保有をしていく必要がある土地につきましては、公共公益を第一に検討いたしまして常に庁内調整を行っているところでございます。利用計画のない土地を財政上の判断に基づいて順次処分をしているところでございます。
 売却額の件につきましては、アスベストの存在をいたします老朽建物がある土地の処分につきましては、市が解体処分した後に売り払いすることが環境保全の面から最適と考えたものでございます。
 次に、地元優先発注の件でございますが、まず請負工事について申し上げますと、地域の実情を踏まえました円滑な工事施行への期待や地域経済の活性化、雇用の確保の観点から、本店の所在地が帯広市内にある地元企業に対しまして極力優先的な発注に努めているところでございます。
 業務委託関係につきましては、各施設の清掃警備業務委託にかかわります事業者の指名に当たりまして、過去の指名、受注実績や履行状況、市内営業拠点の状況等を踏まえまして、技術的な履行能力と競争性の確保、地域経済の活性化などを総合的に勘案しながら適正な実施に努めているところでございます。
 そのほかの各種業務につきましては、当該業務の性質、内容、受託可能事業者数など、さまざまな状況がございますので、各課におきまして履行能力、コスト、地域経済活性化などを考慮しながら、個々具体的に条件を設定しているものでございます。
 いずれにいたしましても、地元企業への優先的な発注につきましては、今後とも十分に意を用いてまいりたいと考えております。
 次に、元請業者によります地元優先の義務づけの件でございますけれども、発注者の立場から地元企業の活用を強くお願いをいたしているところでございます。
 次に、最低制限価格の設定と契約方法を見直しする考えでございますけれども、この最低制限価格制度につきましては、地方自治法施行令第167条の10第2項の規定によりまして、あらかじめ最低制限価格を設け、予定価格と最低制限価格との間の中で最低価格をもって応札したものを落札者とする制度というふうになってございます。この制度におきましては、設定した制限価格を下回った入札につきましては無効となるものでございますが、一方その前提となります適正な制限価格の設定が極めて難しいことから、本来契約履行が可能な申し込みでありましても、当該入札を無効としてしまうことが懸念されております。
 このことから、本市におきましては、人件費が多くウエートを占めます清掃警備業務、ごみ収集運搬業務委託のみこの制度を採用をいたしております。なお、500万円以上の工事請負契約につきましては、低価格の入札でありましても履行が可能かどうかを調査した上で契約相手方を決定をいたします低入札価格調査制度を採用をいたしているところでございます。
 私からは以上でございます。

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質問3回目

24番(小森唯永議員) 地方自治体にとって財政運営の幅を広げる基礎となるのは、地方税、地方譲与税、地方交付税などの一般財源であります。過去の推移を見ると、景気の悪化、恒久的減税、国の地方財政改革、三位一体改革などにより、地方税や地方交付税が減少しました。
 そのため、都道府県、市町村とも一般財源の水準は減少傾向を示し、財政危機の深刻さが増しました。本市も例外ではなく、監査報告の意見にあるとおり、当初予想していなかった退職手当債の借り入れによる財源確保、国の動向による不安定な依存財源、団塊世代の多額の退職金や扶養費など義務的経費の増加、学校、保育所、コミュニティ施設、スポーツ施設の改修、改築時期等、決して楽観できないとあります。
 また、市営競馬の清算金によって生じた不足金の負担、国民健康保険会計や企業会計などへの一般会計からの財政支援の繰出金も多額に上り、財政を圧迫している状況にあると監査委員から指摘されています。
 こういう厳しい財政状況にあって、財源不足を起債で補わなければならないのは大変に残念なことであります。現段階において3億4,000万円、今後追加財政需要においても発行が予想されるとのことであります。健全な財政運営を目指すために、安易な市債発行ではなく、今後は人件費や退職金等義務的経費の削減に大なたを振るわざるを得ません。財政健全化に向けた市長及び財政当局の強い意志を求めます。
 さて、市有地売却でありますが、市有地の財産につきましては、行政財産と普通財産があります。どちらも貴重な市民の市税によって取得したものであります。この売却処分については、安易に売却したり、赤字の穴埋めにすることは十分留意しなければなりません。ましてや損失までして売却することなど許されるはずがありません。もし自分の土地なら損をしてまで売る人がいるでしょうか。
 御答弁では、アスベスト処理を行ってから売却するが環境保全の面から最適と考えたとありますが、ではそのままにしておいたら環境汚染はするのでしょうか。そのままにしておいても問題が出るはずはありません。もし環境に問題が起こるなら、市所有の市営駐車場を初めすべてのアスベスト使用施設を即刻解体しなければなりません。よって、環境汚染が売却の理由には当たりません。今後市有地の売却に当たっては、土地の利用計画をしっかり立て、その上で実行すべきであります。
 また、競馬の清算金には高等教育基金の一時流用、その返済には市有地の売却をもって充てるとのことでありましたが、どうしてそういうことになるのでしょうか。失政の責任を市民の財産をもって充てるとは何と場違いなことでしょうか。自分たちの失敗は自分たちで処理するのが当たり前であり、行財政改革で処理しなければなりません。これからの市有地は、安易な売却、ましてや逆ざやでの売却は絶対に認められないことを申し上げておきます。
 次に、地元発注に対する考え方をお伺いいたしました。公募あるいは指名に当たり、地域実情を踏まえた円滑な工事施行への期待や地域経済の活性化、雇用の確保の観点から地域要件を設定するものであり、具体的には、本店の所在地が帯広市内にあることとの御答弁をいただきました。非常に前向きな考えに感謝いたします。
 また、地元企業への優先的な発注につきましても、今後は十分に意を用いていくとの御答弁でした。地元企業の方々も、さすが砂川市長と大いに期待するでしょう。速やかな実行を求めます。
 最低価格の設定にはまだ若干の検討の余地があるようでありますが、適正価格より下回って下請や孫請が泣くようなことがないように、順次検討していただきますようお願いいたします。
 自衛隊機の帯広空港使用についてであります。自衛隊機の空港使用に何が問題があるのでしょうか。私たち国民を守ってくれる崇高な使命を持ったれっきとした国の機関と公僕なのであります。自衛隊員の地域貢献は、2問目でも言いましたように、この地域になくてはならぬ存在であります。今北朝鮮や中国のミサイルは日本を標的にしているとの情報もあります。米軍の飛行機は日米地位協定により帯広空港が使用できるが、我が国の自衛隊が使用できない。おかしいとは思いませんか。有事のとき、十勝・帯広の市民の生命はだれが守ってくれるのでしょうか。市長、真剣に考えていただきたいと思います。
 現実的な話をします。今日財政難の中にあり、農村の基盤整備、特に農道の整備はほぼできないのが実情であります。仮にの話でありますが、自衛隊の周辺整備費用が増額されたなら、地域公共施設の改築ですとか、周辺の農道整備等、地域住民にとって大いに貢献できます。また、本市は5者協定、4者協定に基づき地域振興策も誠実に実行してきたはずです。
 先ほどの御答弁により、適正に判断していきたいとのお答えがいただきました。私は、前向きに考えていただけるものと判断いたしました。市長は政治家であります。自衛隊への正しい認識と地域の振興に大局的な判断をする責任があることを申し述べておきます。
 十勝の中核都市として地域の経済力を高め、人口、雇用、産業などが多くの重要なかぎを握るR&B、企業誘致、地元での産業クラスター連携など、山積する政策に対してであります。産業クラスター形成を初め産・学・官連携や企業誘致などに取り組まれようとしている姿勢はうかがうことができ、数社が誘致に成功したことは認めます。
 しかし、市長公約でもありましたR&Bを初め、実態はまだまだと言わざるを得ません。今後本市の経済にとどまらず、全十勝の産業の根幹を担うわけでありますから、全庁挙げた取組みを求めます。
 最後に、十勝全体の発展に対する市長の姿勢、十勝1市構想に向けた市長のリーダーシップについてであります。
 高橋はるみ北海道知事は次のように言っています。とりわけ北海道では全国より早く人口減少が始まり、全国を上回る速さで少子・高齢化が進むとともに、財政状況も厳しさを増すなど、市町村を取り巻く状況は大きく変化しています。こうした中で、それぞれの市町村が自己責任と自己決定という地方分権の理念に立脚して、今後とも住民に必要な行政サービスを提供し続けていくためには、行政体制そのものの充実強化を図り、足腰の強い基礎自治体をつくり上げていくことが極めて重要であり、そのための手だてとして市町村合併は最も有効な手段と考えられます。このため、道としては、市町村合併の特例等に関する法律のもとにおいても、道内の各地域において自主的な合併協議が円滑に進められるよう道としての必要な役割を果たしてまいります。本構想を契機として、地域住民の皆様が一体となって地域のあり方についてオープンに論議し、心を1つにして魅力ある新しいまちづくりに取り組んでくださるよう心より期待しておりますと言っております。もっともな話であります。
 以上のように、道は積極的に応援してもらえる体制にあります。私は、帯広ほど地理的に合併に適したところはないと思います。帯広と音更で釧路を抜き全道第4位、十勝1市なら全道第3位で、文字どおり道東の拠点都市となります。
 今の御答弁では、管内町村長とは十勝全体の発展の観点から十勝圏活性期成会や十勝圏複合事務組合会議のほか、管内首長が集まる会議等を通じて広域連携のあり方を初め、産業など十勝共通の課題について幅広く協議しており、今後も率直に話をしていくとのことでした。
 また、十勝町村会と確認した自治のあり方研究会などの場に参加し、合併など自治のあり方について意見交換をしていくとあります。
 十勝発展のため、母都市帯広の市長として、産業発展、生活環境向上について話し合うのは当たり前のことであります。しかし、殊合併問題になるとどうしてこうも抽象的、消極的な発言になるのでしょうか。前にも言っておりますように、十勝の発展は帯広の発展と一心同体なのであります。市長の待ちの姿勢を容認することはできません。期成会で話すとか、会議で話すのではなく、個別に各町村長と話し合いを持つべきであります。本音で話し合うには1対1でなければなりません。今の十勝経済の再建及び住民生活の向上は、帯広市長である砂川市長以外にいないことを認識してください。この点、市町村合併に対する姿勢だけではどうしてももう一度砂川市長のお考えをお伺いしたいと思います。
 市長の任期はあと2年半であります。リーダーであるということは、組織の目的を達成するための指導者であり、目的達成の責任者として存在することであります。また、その目的を実現していく力量、実行能力が求められております。つまり、絶えず組織の目的は何であるか、そのためには何をすべきか、理念や方向を明確にさせなくてはならず、組織のメンバーが目的にかなわないことをしたり、結果が出なかった場合は、すべてリーダーの責任であります。リーダーシップに弁解はないのであります。
 私は批判のための批判をするつもりはありません。しかし、市民の負託を受け、帯広市のリーダーとして存在する以上は、新聞報道などにあらわれた声もあるということを謙虚に受けとめて、説明不足や信頼感不足があることを真摯に改める姿勢が必要だと言いたいのであります。十分にそのことを意識して、今後も市政執行に当たられるよう申し上げ、私の質問を終わります。