一般質問

平成18年第6回12月定例会

質問1回目

12番(小森唯永議員) 通告に従いまして、次の4点についてお伺いいたします。
 第1点、本市の財政見通しについて、第2点、本市のR&Bへの取り組みについて、第3点、市営競馬の対応について、第4点、水道料金のあり方についてであります。
 まず、本市の財政見通しについてをお伺いいたします。
 今年は、北海道の自治体にあって大変衝撃的な1年でありました。もちろん、夕張市の財政破綻であります。炭鉱閉鎖に伴い数多くの箱物をつくった結果、違法に近い一時借入金で、北海道はもちろんのこと、一般市民にも事実を知らせることなく隠ぺいした結果であります。経営能力のないお役所経営が、いかにずさんであるかを全国に知らしめました。市民に事実を知らせず膨大な借金をした首長、それをチェックできなかった市議会、すべてが無責任な結果であり、言いわけできるものにはなりません。
 一部事務組合における市営競馬も、形は違えど同じような状況であると言わざるを得ません。夕張市の再建計画には、職員数の半減化、職員給与の削減、事務事業の見直しはもとより、何より住民負担を強いる市税、水道料金等公共料金の値上げ、市民生活に身近な各種施設の統廃合は驚くべき内容であり、まさにまちの存続すら疑う内容であります。私たちはこの教訓を真摯に受けとめなければなりません。本市における財政状況も悪化の一途をたどっており、健全な財政計画が必要であります。
 市の貯金とも言える基金は、5年前までは100億円以上あったものが、今年度ついに60億円を切ってしまいました。恐らく来年の今ごろは30億円になっているのではないでしょうか。管内でも12の町村は、本市とは逆に基金残高をふやしており、士幌町などは、帯広市と同じくらいの54億円という膨大な基金を持っています。人口割にすると1人当たり79万円にもなり、片や帯広市は3万5,000円で、管内19カ市町村中最低であります。市の借金である起債は、人口の減少が続いているにもかかわらず、一般会計で約1,005億円、特別会計、企業会計合わせると実に1,600億円近くになってしまいます。一般会計だけでも市民1人当たりの負債は、財政危機が言われている釧路市64万円、北見市66万3,000円よりさらに多く69万8,000円で、道内主要6都市中最大の借金額であります。依存財源の中でも多くを頼っている地方交付税は、合併したところに優先的に配分されるため、本市への来年度以降の削減も予想されます。歳出では、団塊世代の職員退職金を初め生活保護費の急増など、本当に来年度の予算が立てられるのか非常に危惧するところであり、本市における財政状況は大変厳しいと言わざるを得ません。
 以下、お伺いいたします。
 1、このような財政状況を、市長はどのように考えられているのかをお伺いするものであります。
 2、ここ数年、自主財源が減少傾向にあり、依存財源の比率が増す中、本市の対応策は。
 3、先ごろ公表された次年度の13億2,000万円の財源不足を、何をもって充てる考えなのでしょうか。
 4、本市には多くの審議会があります。多くの市民の意見を取り入れて市政運営に反映されているわけでありますが、法定及び市条例を含めて現在どのくらいあるのか、また、どのように行政に反映されているのかをお伺いいたします。
 次に、十勝型R&B構想であります。
 10月24日に、市長、議長、及びマディソン交流協会の人々と米国のマディソン市に行ってまいりました。昨今は精神医療の関係で、マディソン市との交流が盛んになっており、非常によいことであります。酪農の分野では、ウィスコンシン州と十勝はもう50年以上前から交流があり、数多くの酪農家の子弟が、短期・長期にかかわらず酪農家実習や大学で学んできました。まさに十勝酪農のモデルとしてきた地であり、酪農の技術はもちろんのこと、種牛、雌牛等も数多く導入されており、ウィスコンシンなくして十勝酪農を語ることはできません。近年のウィスコンシン州マディソン市は、ウィスコンシン州立大学を核に産・学・官連携が進み、全米でも屈指のバイオ産業成長都市として、「中西部の奇跡」と呼ばれています。人口若干20万人、学生数4万2,000人の大学のまちは3年間で22万人に増加し、ウィスコンシン州の失業率5.5%に対し、マディソン市は2%台と低い失業率で、全米でも屈指のバイオ産業と大学、農業が融合した都市となりました。これによる特許取得数は今までに1,600を超え、1,700億円の特許料収入を得、1,000億円超の資金を大学の研究費に還元しました。その結果、114社に上る企業が設立され、4,000人超の雇用を確立し、経済効果は年間800億円を超えると言われております。まちは活気に満ちており、人口増による住宅、道路等の環境整備等の施策に追われるという、うらやましい悩みを持っております。
 本市は、帯広畜産大学校を有し、農業関連の国と道の試験場もあり、確固たる農業基盤を持っているのですから、マディソン市と大変に似通った環境にあります。私は、平成15年3月の議会から、十勝農業と本市がより発展するには、この産・学・官連携によるバイオ研究しかないと常に主張してきました。当時私は、我が国は、バイオテクノロジーの分野ではアメリカから非常におくれをとっている。米国の7分の1の予算しかとっていない。そして、研究者はたった10分の1しかいない。このバイオテクノロジーの取り組みを国家的に強化しなければ、21世紀の科学技術の進歩に我が国は取り残される。5年から10年間の取り組みが非常に重要だ。国がこの大きな飛躍を目指した取り組み、国全体として、官民挙げてするために2010年を見据えたバイオテクノロジー戦略大綱というのを策定した。そして、その中の基本行動計画の中で、国は大学における取り組みの促進と支援、それから産業界における取り組みの促進、若手研究者、女性研究者等の確保と活動の支援、こういうことを言っている。帯広市として、このバイオテクノロジー戦略大綱のお考えをお聞かせいただきたいと質問いたしましたが、お答えは抽象的なものでありました。実際の取り組みは全くなされなかったんであります。
 また、3カ月後の15年6月議会でも、次のように質問いたしました。バイオテクノロジー戦略大綱の中で、国は地方での研究の重要性を訴え、バイオ研究所設置に助成を打ち出しています。十勝は日本の最重要食料基地であります。ここで、日本の最先端の農業の研究所があってしかるべきではないでしょうか。何も遺伝子組み換えばかり行うわけではありません。十勝農産物の遺伝子は100%解明し、消費者に安心してもらう必要があると思います。基礎研究では農林省の研究所や千葉県立のかずさDNA研究所にやってもらい、帯広では実際の圃場を使った地域活性型研究を行い、生産者と一体となった地産地消や地域食品産業の活性化に取り組むべきと考えています。この(仮称)十勝DNA研究所は、これらの課題を一挙もしくは複数同時に解決できるものと考えております。サンフランシスコの南にあるシリコンバレーのように、帯広にバイオの一大基地の建設を期待しておりますと発言しましたが、市長は覚えておいででしょうか。
 やっとここに来て、取り組みがなされているのかなという思いがいたします。しかし、本市においてはもっと早い取り組みが必要ではなかったのではないでしょうか。今回のマディソン訪問は非常に参考になった結果であります。
 そこで、お伺いいたします。
 1、本市のR&Bに対する取り組み状況は、2、具体的な取り組み項目は、3、畜産大学及び国や道との連携状況は、4、今後本市として予算措置はどのように考えているのか、5、本市におけるバイオマスタウン構想への取り組み状況は。
 次に、市営競馬についてお伺いいたします。
 馬は、従順で忍耐強く、どんなにつらい仕事も一生懸命に働き、すべてを人間のために尽くしてくれました。そのくせ、人なつっこく、愛きょうがあり、決して逃げようとせず、まるで家族のような存在でした。ばんえい競馬を見たとき懐かしく感じるのは、そんな当時の暮らしの風景が潜んでいるからかもしれません。
 昭和26年競馬法が改正され、競馬場所在地の市町村でも競馬を開催できるようになりました。この改正を受け、昭和28年、旭川市、岩見沢市、北見市、帯広市で道主催のばんえい競馬が行われ、やがてばんえい競馬は市主催として一本化されるようになりました。旭川、岩見沢、北見、帯広、開催4市の執行体制の一本化を目指すため、現在の北海道市営競馬組合の前身となる北海道市営競馬協議会が発足したのは昭和43年のことでした。この歴史あるばんえい競馬がなくなることは、まことに残念であります。当時を知る人のお話を伺うと、現帯広競馬場が開場した初日、市内中心部から人がいなくなり、その人々は競馬場に押しかけて入り切れない人だかりだったとのことであります。現在は、全レースで1日8,000万円ぐらいしか売り上げはありませんが、当時はわずか1レースで1億円を売り上げ、勝ち馬投票券がなくなり、急遽前年度と2年前の未使用券まで持ち出したことがあったそうです。よって、競馬売上金の市税への還元も多く、それなりに市民への貢献がありました。しかし、平成7年度から平成9年度を除く毎年赤字を繰り返してきました。平成10年度から3億円から9億円近い単年度赤字であり、ここ3年間は6億円、7億円、今年度8億円の赤字が予想されており、末期的な症状でありました。競馬の売上金による市民への還元が行われないだけでなく、逆に市税を持ち出すことになれば、当然廃止という選択しかなく、今後は馬文化の伝承と民間による運営が可能かという論議になるわけであります。
 以下、伺います。
 1、4市による事務組合解散に至った経緯は、2、なぜもっと早く解散できなかったのか、3、4市による事務組合の清算終了はいつごろか、4、清算金の財源は何を考えているのか、5、競馬関係者の処遇は、6、馬文化と市営競馬のかかわりは、7、さきの同僚議員の質問に対するお答えでは、ばんえい競馬の存続について民間企業からのお話がありましたが、私が従来からいっていた民間企業の提案と同じかを伺います。
 次、水道料金の考え方についてお伺いいたします。
 水は、すべての生き物の生命の源であるとともに、産業構造上なくてはならない最重要な資源であります。安心して飲める水を、必要なとき必要な量だけ使えること、地域産業発展に寄与することを使命としている水道事業は、かかる諸問題の課題を克服し、子々孫々へと永久に水を供給しなければなりません。本市は、平成7年度から水道用水の供給を開始した札内川ダムを水源とする中十勝浄水場の完成により、将来にわたってに水不足の心配はなくなり、必要な量を安定的に供給できるようになりました。一方で、ダム建設や浄水施設の整備などにはおよそ480億円の巨費を投じてきており、そのうち国費補助などを除いた約150億円に及ぶ企業債償還は、7市町村の水道料金収入により負担していかなければなりません。そのため、本市の水道料金は口径20ミリで、道内主要都市においても高い料金と言われており、しかも使えば使うほど単価が割高になる逓増制度には、かねてより大口利用者から見直しの要求が出ておりました。特に経済基盤の弱い市内事業者や多頭飼育している酪農家及び畑作の防除に使用する農家にあっては、水道料金の負担が経営に重くのしかかり深刻な問題であることから、早急な見直しが必要であります。また、地域によっては地下水が豊富なため、割高感のある上水道を使用しないで地下水を利用している事業所や、今後地下水をくみ上げて利用しようとしている方が少なくないと考えております。しかし、地下水は本当に安全なのでしょうか。かっての道の調査結果でも、地下水汚染が進んでいるとの発表があったと記憶しておりますが、本市には、産業構造上から食品を扱う業種が数多く集積しており、今後地下水利用の拡大は大変危惧するところであります。このような問題もあることから、地下水への転換による水道離れを食いとめて、水道事業の経営を安定させるためにも、また産業振興の観点からも、水道料金の逓増制度を含めた抜本的な見直しが必要であると考えます。
 そこで、何点かお聞きいたします。
 1、逓増制度を見直す考えはないのか、2、地下水汚染、特に硝酸態窒素及び地下水くみ上げによる地盤低下の実態調査は、3、地下水利用の実態とその使用量を本市水道料金に換算すると幾らぐらいなのか、4、地下水を利用することによる地下水利用税または環境税等の導入の考え方についてお伺いし、1問目の質問といたします。
◎砂川敏文市長  小森議員の御質問中、初めに財政状況についてお答えいたします。
 地方行財政改革につきましては、平成14年から3年間にわたり三位一体の改革が進められ、国から地方へ3兆円の税源移譲や地方交付税の見直しなどが行われたところでありますが、国庫補助負担金制度の改革では国の関与を残していることから、地方の自由度の拡大という点では、必ずしも十分と言えない結果となっているものと考えております。
 また現在、国においては地方交付税の算定方法初め交付税制度の見直しについて検討がなされておりまして、地方六団体との間において議論が展開されているところであります。本市の歳入予算は、自主財源であります市税も、長引く景気の低迷からその伸びも鈍く、地方交付税に依存している状況を考えますと、必ずしも楽観視できる環境にはないものと認識をしております。
 次に、リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想──R&B構想についてお答えいたします。
 このたび、姉妹都市を締結いたしましたマディソン市は、議員お話しのとおり、酪農を中心とする農業の先進地域でありますとともに、全米屈指の大学都市でありまして、特に名門でありますウィスコンシン州立大学マディソン校が立地している都市であります。この大学には学外組織として、80年の歴史を誇る技術移転機関WARF(ワーフ)が設立されておりまして、この機関が中心となった産・学連携は、大学の研究成果の特許収入を活用した研究開発の促進や、それを企業立地に結びつけるなど地域の雇用拡大や活性化に大きく寄与しており、全米でも注目を集めているところであります。議員御指摘のとおりでございます。
 マディソン市の産・学連携の取り組みにつきましては、その規模やあるいは歴史などの諸事情を考慮しますと、帯広・十勝にそのままの形ですぐに取り入れることはできませんが、その仕組みやあるいは考え方については、帯広市のR&B構想づくりに大いに参考になるものと考えているところであります。
 次に、市営競馬についてお答えいたします。
 十勝の開拓の歴史は、先人の努力とともに、農耕馬の存在によって豊かな大地へと変貌を遂げ、北海道の生活や文化とも大きくかかわりながら人々の心に根づいているところであります。ばんえい競馬は、北海道の開拓期に余興や催事として行われたお祭りばん馬が起源と言われておりまして、現在のばんえい競馬へと発展してきたものでありまして、こうした形式の競馬は、世界でもただ一つ北海道だけで行われているものでございます。
 このたびの市営競馬組合の解散につきましては、レジャーの多様化やファンの高齢化、さらには景気の低迷などから年々経営が厳しくなり、構成4市の間でさまざまな検討がなされ、市営競馬組合の正・副管理者会議や議会においても議論が行われてきたところでありますが、最終的には本年10月20日の正・副管理者会議におきまして、4市による市営競馬組合の解散を決定したものであります。
 なお、ばんえい競馬の存続につきましては、私としましては、ばんえい競馬の灯を消さないでという熱い思いや願いを受けとめ、現時点において確証を持てる状況ではありませんが、民間企業からの委託方式の提案をよりどころとし、限られた時間の中ではありますが、帯広市単独での開催の方途を探っていきたいと考えておるところであります。存続の道は極めて厳しいものではありますが、あらゆる関係者の力を結集して、いま一度その可能性を求めてまいりたいと考えております。
 ほかの件につきましては、説明員よりお答えいたします。
◎佐藤秀樹総務部長  御質問中、審議会の関係につきましてお答え申し上げます。
 現在、法定及び市条例にかかわります審議会につきましては、現在30ございます。各審議会それぞれ設置目的があるわけでございますけれども、共通いたしまして3点ございます。まず1つは、住民意思の反映ということで、住民の行政に対します直接的な参加が可能であるということ。それから2つ目には、専門的知識の導入ということで、行政の複雑化に伴いまして専門の機関に審査等を行わせることが必要であるということ。それから3点目には、行政の公平の確保という点では、行政の民主的処理の要請に対しまして、広く外部に意見を求め、執行機関の独善を避け、公平を確保するものであるということ。この各種審議会につきましては、さまざまな観点で行政領域におきまして反映がなされているところでございます。
 以上でございます。
◎佐藤好則財政部長  御質問中、初めに帯広市の財政見通しにつきましてお答えいたします。
 本市の財政構造につきましては、本市が将来にわたり発展を続けるためには、足腰の強い財政基盤の確立が不可欠であり、自主財源比率の向上は大きな政策課題と考えてございます。第二次行財政改革におきましても、自主財源の確保に向けた取り組みが明記されており、これまでも市税を初めとしてさまざまな収納率向上対策に取り組んできたところでございます。今後も、こうした取り組みをより強化しながら自主財源の確保を図ってまいりたいと考えてございます。
 次に、明年度予算におけます推計時点での財源不足についてでございますが、基本的には第二次行財政改革の着実な推進と一定のコスト削減、事業の取捨選択等によりまして対応する考え方でございますが、具体的には年明けの地方財政計画の内容を見てからの判断となりますので、御理解を賜りますようお願い申し上げます。
 次に、地下水税につきましての御質問でございますが、地下水のくみ上げ・利用に課税することは、地方税法上、法定外普通税または法定外目的税となります。こうした法定外の税を新設する場合には、税の負担が過重にならないこと、物流の障害にならないことなどの一定の条件を満たした上で、総務大臣の同意を得ることが必要とされているところでございます。また、見込まれる税額と課税徴収にかかわります費用との比較でありますとか、課税客体の捕捉や公平性の確保、企業の水離れの抑制、環境保全を目的として新税を課することの是非、有効性、さらには市民や納税者の理解を得ることができるかどうかなど、多くの課題もございます。こうしたことも踏まえまして、お話のございました地下水利用税の新設に当たりましては、慎重な対応が必要と考えているところでございます。
 以上でございます。
◎北川誠司緑化環境部長  御質問中、地下水の水質及び地盤沈下の実態調査についてお答えいたします。
 帯広市街地の地下水水質調査についてでございますが、本市においては平成3年から平成10年までの8年間実施しておりまして、この間、延べ108カ所の井戸について、環境基準項目のうち有機塩素系化合物4項目について実態調査を行ってきたところでございます。このうち、測定値が検出あるいは基準を超過した井戸については、現在、北海道により周辺概況調査、定期モニタリング調査及び追跡調査が行われ、継続的な監視が行われているところでございます。さらに、北海道では硝酸性窒素も含め調査を実施していますが、平成17年度に調査した9カ所の井戸のうち、基準値超過は2カ所、基準値以下で検出された井戸は3カ所、不検出は4カ所となっております。
 次に、地盤沈下の実態調査につきましては、昭和52年から昭和63年に累計でマイナス189ミリメートルの最大変動量を観測しましたが、平成元年から平成10年までの地盤沈下調査の結果では、年間平均沈下量は1.9ミリメートルとなっておりまして、これは自然的要因による地盤の年間変動幅と言われる2ミリメートルから3ミリメートルの範囲内におさまっていることから、本市の地盤沈下は鎮静化の傾向にあるものと考えております。
 また、地盤沈下の要因とされる地下水位の変動につきましては、地下水位観測井戸2カ所にて通年観測を行っておりまして、その観測結果から、現在の地下水位の変動についても問
◎西田譲農務部長  最初に、バイオマスタウン構想の取り組み状況につきましてお答えいたします。
 バイオマスタウン構想は、国が策定いたしましたバイオマス・ニッポン総合戦略の柱でありまして、市町村を中心に再生可能な有機性資源の地域利用の全体構想を作成し、その実現に向けた取り組みを進めるもので、全国で300の募集枠が設けられておりまして、既に60以上の市町村が策定を終了してございます。現在、帯広市におきましても、庁内の関係部で協議を進めておりまして、本年度内にはバイオマスタウン構想を策定する予定でございます。
 なお、帯広市内には廃棄物系や未利用系の有機性資源として、作物残渣、家畜排せつ物、木質資源などが多数あることから、これらのバイオマス資源の利活用促進を中心にした構想にしたいと考えてございます。
 次に、市営競馬の残りの部分についてお答えいたします。
 清算業務につきましては、市営競馬組合で11月1日から構成4市の職員も加わり清算チームを立ち上げ事務を進めておりますが、具体的な内容あるいは方法等につきましては、現時点でお話しできる状況に至ってございませんので、御理解をいただきたいと思います。
 次に、4市で構成してございます市営競馬組合の解散に伴う清算金額及び財源手当てにつきましては、現在検討を進めているところでございます。
◎合田隆司企画部参事  リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想の残りの件につきましてお答えをさせていただきます。
 初めに、これまでの取り組み状況についてでございますが、本構想につきましては、今年度構想策定のための基礎的な調査を行っているところでございまして、明年度は構想の策定作業を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 次に、大学等との連携についてでございますが、現在産・学・官連携の中心となります帯広畜産大学や十勝圏振興機構などの研究機関、あるいは国の機関や北海道とも構想の具現化に向けた意見交換を行っているところでございます。また、地場企業の皆様とも御意見の交換をさせていただいているところでございます。また、産・学・官連携のあり方などにつきましては、専門の有識者の方からアドバイスもいただきながら調査検討を進めているところでございます。
 次に、具体的な取り組みでございますが、地域に存在いたします資源を生かし、事業化・産業化に結びつく新製品・新技術の開発の促進などを基本といたしまして、大学等の研究シーズを創出するため、国の科学技術振興資金を初めとする競争的資金の活用や、大学と関係機関との連携による研究開発の促進の仕組みづくりなどについて、今後詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 また、今後の作業でございますが、構想づくりを通じまして、国や北海道、さらには研究機関等との連携のあり方や研究開発の促進のための方策、本市の役割など具体的な部分につきまして、取り組み内容を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上であります。
◎山内利美上下水道部長 水道料金の関係で、まず逓増料金の見直しの考え方についてお答えいたします。
 本年2月に策定しました「おびひろ上下水道ビジョン2006」を踏まえまして、現在、部内に料金検討委員会を立ち上げまして、現行の逓増料金制や基本料金制などについて検証しているところでございます。地下水転換、節水に伴う水道使用量の減少による経営環境等を考慮し、これからの料金制度のあり方がどうあるべきなのかについて検討しまして、一定の方向を出していきたいと考えているところでございます。
 次に、地下水利用の実態と水道料金の換算についてお答えいたします。
 上下水道の大口使用者上位20業者の中で見てみますと、地下水を利用しているため、下水道の使用水量が水道使用量を上回っている事業所が7カ所ございます。この7カ所の使用水量を見ますと、下水道が約43万9,700トン、水道が約29万2,300トンとなっており、下水の使用水量が水道より約14万7,400トン上回っている状況にあります。この水道使用水量の差が地下水を利用しているものと推測され、水道料金に換算いたしますと約5,000万円程度になります。
 以上であります。

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質問2回目

12番(小森唯永議員) 2回目をさせていただきます。
 まず、財政見通しについてであります。
 ある雑誌に全国の市倒産危険度ランキングが掲載されておりました。北海道の各市が置かれた非常に厳しい状況が示されています。全国400ある市のうち、北海道は33市であり、上位200の市の中に実に26市が入っております。危険度上位20位には7市も入っています。帯広市も148位で、危険度上位37%のところにあり、決して安心できるランキングではありません。
 ただいまいただいた御答弁には、具体的な財政対策をお示しいただけなかったのですが、厳しい環境は認識しているとのことでありました。本市自主財源の確保には、来年度の景気動向を見て判断するとありましたが、すぐに景気が変わり、自然増が期待できるわけではありません。第二次行財政改革においても自主財源の確保が明記されており、その財源を法人市民税の税率改正や国保料、その他使用料や利用料の値上げを考えざるを得なくなってきていると感じざるを得ません。もし値上げをしないとなれば、歳出カットをしなければならず、市民サービスの低下は免れることができません。現状では、どちらにしても市民への負担となるわけであります。公表された次年度の13億2,000万円の財源不足は、年明けの地方財政計画を見てから判断するとのことでありますが、国任せの心持たない回答であります。国への依存心がある限り、地方の発展はあり得ないことを承知すべきでしょう。東京と地方の格差は大きくありますが、地域によっては、中部地区のように東京に負けないところもあります。自立する経済活動を起こす。または経済活動を支援する仕組みを構築し、企業からの納税をしてもらうシステムにしなければ、いつまでたっても本市の発展はあり得ません。
 また、本市の発展に欠かせない提言機関、各種審議会の実情も伺いました。私の知り得るところによりますと、30ある各附属機関のうち、年に5回以上開催されている機関は、帯広市介護認定審査会190回及び帯広市健康生活支援審議会26回の2つだけでありました。残りの28の機関は、年に4回以下であります。回数だけによって、その重要性を一概に論ずることはできないかもしれませんが、形骸化しただけの審議会は、見直しも必要ではないでしょうか。本市においては、財政が逼迫している現状では今最も必要な機関として、民間の感覚を取り入れた帯広市財政諮問会議もしくは帯広市財政を考える有識者会議が必要ではないかと考えます。
 そこで、質問をいたしますが、1、来年度の財源不足が確実な中、行財政改革も限度まで来ていると考えられますが、自主財源確保のため、法人市民税、国民保険料、使用料、手数料の値上げを行う考えがあるのか。値上げを行わないのであれば、不足財源は何で補うのか。2、財政状況を検討する民間有識者の財政審議会の設置が必要と考えますが、そのお考えは。
 次に、十勝型R&B構想であります。
 マディソン市のR&Bが成功した要因は何か。地域密着型の大学があること、大学と研究開発を支援する組織があること、及び企業を集め研究成果を売り込む組織が存在したと言えます。
 ウィスコンシン州立大学は、1万7,000人の教職員と4万2,000人の学生が日夜研究開発を行っています。10人以上のノーベル賞科学者を輩出した全米有数の大学と言えます。この大学の研究を後押ししているのがワーフであります。ワーフとは9人のウィスコンシン州立大学卒業生が、わずか100ドルずつ出して設立した大学研究の金銭支援が目的の非営利組織であり、その結果、その特許数は年間400件で、特許料収入は60億円に上ります。現在は50人の職員と1,800億円の基金を有しています。大学へは年間78億円の研究費を提供しており、これにより1,600件もの特許を取得する基礎となりました。この制約の少ない資金を利用することにより優秀な研究者を全米から集め、研究結果は先端技術として企業に利用され、得られる利益をワーフに還元し、さらにそれが再度大学の研究費に充てられているという循環が確立されています。このワーフなくして、マディソン市のR&Bが成功することはなかったでありましょう。
 また、URP──大学・リサーチ・パークは、ウィスコンシン州立大学の研究成果を民間企業に橋渡しを行うために設立された非営利団体であります。URPの功績は大きく、現在までに114社の企業誘致に成功し、マディソン市繁栄のかぎを握っていると言えます。マディソン市の郊外にあるURPは、104ヘクタールに及ぶ広大な敷地で114社の民間企業が立ち並ぶ、まさにバイオバレーであります。さらに現在、第2の集積地も建設中とのことであります。
 さて、本市の現状を顧みますと、帯広畜産大学では、教員数や学生数ではウィスコンシン州立大学に引けをとっていると言わざるを得ません。しかし、我が十勝には国と道の農業試験場や畜産試験場があり、農業の研究施設としては、マディソンに引けをとらない状況にあると言えます。
 次に、ワーフやURPのような研究支援組織と企業誘致組織であります。本市には十勝圏振興機構がありますが、研究の取りまとめとの感が否めません。特に研究費の助成は国からのものが大半であり、地元からの研究費補助は100万円程度で皆無に等しく、この地域に合った研究を求められる状況にはありません。よって、URPのように自信を持った企業誘致などできないのであります。金も出さず、組織もつくらず、口先だけでは大学の研究が進むはずもなく、もちろん人も集まりません。結果、この地域における新産業の創出はおろか、基幹産業である農業の維持・発展など望むことができないのではありませんか。今後、十勝型R&Bの積極的な取り組みを求めるものであります。
 バイオマスタウンへの取り組みについてお伺いいたしました。バイオマスタウン構想とは、今もお伺いしたとおり、バイオマス・ニッポンの実現に向け、内閣府、総務省、文部科学省、農林省、経済産業省、国土交通省、環境省等がバイオマスタウン構想基本方針に沿って、地域におけるバイオマスの利用・活用を進めることになりました。市町村が中心になって地域のバイオマス利用の実現に向けて取り組むとなっております。食品残渣、堆肥や木材を初め、地域で利用されない生物由来の資源を再利用可能な堆肥やエネルギーに変えるものであります。国では約175億円、総額350億円の予算で、先着順に全国300カ所限定で取り組む市町村を募集しており、管内でも鹿追町や中札内村では既に公表されていますが、本市では取り組みがおくれておりました。この構想は、農業を初め地域循環型資源活用を目指すだけでなく、建設・土木業の雇用促進事業にもつながります。今回、実現に向けて取り組みがなされるとのことでありますので、速やかな対応を求めるものであります。
 以下、4点についてお伺いいたします。
 1、1問目のお答えでは、R&Bの方向性がよく見えてこないのですが、どのような分野で、どのような組織を立ち上げようとしているのか、また期間はいつごろまでに完成させようとしているのか。
 2、本市で積み立てている高等教育基金の有効活用を図るべきと考えます。何も30億円すべてを流用するのではなく、1研究に1,000万から3,000万ぐらいを審査の上貸し出す。研究が成功したときには特許料収入として一部を返還してもらう。もちろんすべてが成功するものでないことは承知の上で行う。
 3、そのためにマディソン市にあるワーフのようなR&B研究支援非営利組織を立ち上げて、高等教育基金から借り入れた資金の運用を委託する。
 4、地元企業を初め全国各地からバイオ関連企業からの研究課題や募集を受け入れ、さらに研究成果を企業に売り込めるよう十勝圏振興機構の組織変更を行い、マディソン市のURPや札幌のノースティック財団のような組織につくりかえるであります。
 次に、ばんえい競馬の存続に向けた考え方であります。
 本市にとって、ばんえい競馬の存廃は本年度最大の関心事でありました。夢を追うのか、現実を見詰めるのか、執行責任者である市長の苦悩は大変なものであったことでしょう。しかし、私は今までの状況に対して苦言を呈さざるを得ません。
 まず第1点、ばんえい競馬の赤字体質はここ一、二年のことではありませんでした。10年も前から赤字が発生していたのですから、管理者としての怠慢と指摘されても仕方ないでしょう。もちろん競馬議会、そして競馬議員を選出していた帯広市議会にも責任があることは言うまでもありません。20億円を超えるであろう本市負債は、市民に申し開きができるものではありません。本市住民1人当たりに換算しますと1万1,500円にもなります。1企業で20億円の利益を上げるには、400億も500億も売り上げがなければ出ないもうけであります。
 第2に、今回の2市開催に当たっての対応であります。一部事務組合での廃止が決定したものの、いまだ清算金の大半すら確定できてないという段階で、どうして2市開催を打ち出せたのか。議会説明や市民説明をしないままでは通りません。結果論ではありますが、なぜもっと時間をかけて行動しなかったんでしょうか。膨大な債務を市民に負担かけるわけですから、開催に向けては慎重の上にも慎重に審議をする必要があったと考えます。
 現在、ばんえい競馬愛好者の人々からは、毎日のように存続の願いが寄せられているようであります。その要望にこたえようと市長は、今御答弁で民間委託の方向性を探りたいとのことでありました。今回の市長の判断は、賞賛をもって賛成するところであります。ここまで至った経過を見ると、馬文化、馬産振興も含めて、ばんえい競馬は民間に任せる選択肢が一番の良策と考えます。民間の知恵と活力をフルに出してもらい、この伝統あるばんえい競馬を十勝に残せる可能性は十分にあります。
 以下、お伺いいたします。
 1、市営競馬の運営改革や早期整理ができなかった多くの原因が一部事務組合の体制にあったと考えられますが、組合の実態を伺いたい。
 2、私は、ばんえい競馬を存続するためには、民間委託による運営を検討すべきであると従来から提案してまいりましたが、そのことを十分検討して帯広単独開催の道を探っていただきたい。
 次、水道料金の考え方についてお答えをいただきました。水道料金は、水不足に備えて水を大切に使わなくてはならない。また、少ない水を公平に分配されなくてはならないとの観点から、たくさん使用するところは設備投資も多く、水道料金の単価を高くするとの考え方には理解する部分もありますが、本市のように立派なダムが既に完成し、水不足の心配がないところは、逆に単価を下げて大量に利用していただいた方がより効率的と考えます。何よりも地域産業の生産単価の抑制になり、さらには食品の安全な供給にもつながります。お答えでは、上下水道ビジョン2006を策定し、逓増料金や基本料金の検討中とのことでありますので、水道利用者が利用しやすくなるよう早急な見直しを求めるものであります。ちなみに今年2月にビジョンが作成されているのでありますから、当然近日中に発表されるものと期待をいたしております。
 また、地下水利用の実態について伺いました。大変に大きな金額が地下からくみ上げられており、その分、本来売れるはずの水が売れないでいるわけであります。地下水汚染の実態調査でも、一部基準を超えているところも出ているとのことであります。幸い地盤沈下の明確な悪化はないようでありますが、十勝管内の農業の実態は、依然として化学肥料を大量に使用していることから、水質がよくなっているはずがありません。もし地下水による植物汚染が出たなら大問題になり、一刻も早く上水道利用に切りかえてもらわなければなりません。1問目に質問した水道利用税や環境税はこうした事故を未然に防ぐ意味もあって提案したものであります。
 それでは、再度お伺いいたします。
 1、水道料金のコスト計算は今日において妥当性のあるものなのか。国の制度または全国の中でも最も合理的なコスト計算はあるのではないか。調査を検討すべきと考えますが、お考えは。
 2、現在、大口地下水利用者には、上水道を併用しているところが大半と伺っています。しかし、それらの事業者のところには、有事に備え大口径の水道管が施設されているわけですから、基本料金を見直す必要があると考えますが、そのお考えは。
 以上伺いまして、2問目の質問とさせていただきます。
◎砂川敏文市長 市営競馬についてお答えいたします。
 初めに、市営競馬組合の運営改革についてでありますけれども、一部事務組合であります市営競馬組合という形による運営体制につきましては、構成するそれぞれの市の諸事情もあって、ばんえい競馬を取り巻く経営環境に即応するための判断について、迅速かつ的確な意思決定を行うことができなかった一面もあったのではないかと考えているところであります。
 また、私といたしましては、あらゆる関係者の力を結集しまして、帯広市単独での開催の方途を探りたいと考えておりますので、御支援、御協力をお願いするものでございます。
◎佐藤好則財政部長 御質問中、まず財源不足の対応につきましてお答えいたします。
 法人市民税の税率改定につきましては、これまで検討を続けてまいりましたが、実施に当たりましては、地域の景気動向等もしんしゃくし、判断しなければならないものと考えているところでございます。
 また、使用料・手数料につきましては、昨年度からコスト回収率100%とする料金改定を行ったところであり、利用増進策を講じながら、いましばらく利用状況を見ていく必要があるものと考えてございます。
 さらに、国民健康保険料につきましては、医療費等の動向や国の予算なども把握する必要がありますことから、現在進めてございます明年度予算編成の中で整理してまいりたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、財源不足につきましては、地方財政計画などを参考に歳入歳出両面から総合的に対応していかなければならないものと考えており、現在予算編成の作業中でありますことから具体的に申し上げる段階ではございませんので、御理解を賜りたいと存じます。
 次に、財政審議会の設置という御提言をいただきました。私どもといたしましても、財政運営に民間の経営感覚を取り入れることは重要な視点であると認識してございます。本市におきましては、平成17年度から政策・施策評価の試行導入によりまして選択と集中を図り、成果重視の行政運営に努めますとともに、第二次行財政改革の柱に財政構造改革を据え、行財政改革推進市民委員会などでも、財政に関してさまざまな御意見をいただいてきたところでございます。
 また、今月末には新たに市のまちづくりや財政状況などをお知らせするため、まちづくり情報誌を全戸配布する予定でおります。今後におきましても、政策評価の充実や行財政改革を着実に推進することによりまして健全な財政運営に努めますとともに、財政に関する情報につきましても適宜市民の皆様に公表し、市民対話により幅広く意見を伺ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
◎山内利美上下水道部長 まず、大口の地下水利用者にかかわります基本料金の見直しの考え方についてお答えいたします。
 大口利用者の地下水転換による水道料金の減少は、水道事業者が設備投資した建設費用などを水道料金から適正に回収できないため、今後の水道事業の健全経営に非常に厳しい状況になっていくものと重く受けとめているところでございます。健全な水道事業を経営していくためには、大口の水道管を敷設しているにもかかわらず地下水を使用している事業者と一般の水道利用者との間において、料金に格差を設けるべきではないかとの御質問でございます。使用者間の負担公平の観点からも重要課題として、現在進めております逓増料金制度の検討の中にも含めて、料金検討委員会の中で検討してまいりたいと考えてございます。
 次に、水道料金のコスト計算の考え方についてお答えいたします。
 水道料金の設定に当たりましては、水道法及び地方公営企業法において、料金が能率的な経営のもとにおける適正な原価に照らし、公平・妥当なものであることという基本的な考え方が示されております。具体的な料金の設定の仕方を示すものとしては、水道事業者によって構成される社団法人日本水道協会が策定いたしました水道料金算定要領がございます。多くの水道事業者は、この要領を基本として水道料金の算定を行っている現状にあるものと思われますが、今後、料金検討委員会で料金体系の検討を行っていくに当たりまして、全国の水道事業者の実態を調査し、それらを参考にしながら作業を進めていきたいと考えております。
 以上でございます。
◎合田隆司企画部参事 リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想につきましてお答えをいたします。
 初めに、今後の展開すべき分野についてのお尋ねがございましたが、地域の大学や研究機関の研究領域及び地域の資源特性などを踏まえますと、農業、食品、バイオなどの分野が中心になるものと考えているところでございます。
 次に、組織についてでございますが、大学等の研究成果に基づき、商品化、事業化を促進していくためには、研究成果の発掘・育成とともに、実用化に向けた実証試験など基礎研究から事業化に至る一連の研究体制づくりが重要と考えておりますことから、今後積極的にこの連携に向けて組織のあり方などにつきまして、関係機関と協議・検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 なお、この場で期限等のお話もございましたが、現在申し上げられる状況にはありませんので、御理解をいただきたいというふうに思います。
 次に、ウィスコンシン州立大学マディソン校のワーフにつきましてお答えを申し上げます。
 これは先ほど市長の方からも御答弁ありましたので、重複をいたしますが、ワーフは、大学で開発されました技術特許の申請・管理・法律的対応・研究支援などを業務とし、大学等々の研究成果を民間に技術移転し事業化を図ろうとする技術移転機関であると認識をいたしているところでございます。このワーフにつきましては、民間に移転された特許使用料等の収益を管理し、一部はさらに大学の研究費にも還元されることから、研究・開発の循環が促進されるというふうに考えております。そして、かつ地域への企業の立地、ひいては地域の発展に貢献する有効な仕組みであると考えているところでございます。このため、本市におきましても、お話にございましたとおり、国の科学技術の振興にかかわるさまざまな競争的資金の導入を初めといたしまして、研究開発を促進する支援のあり方等につきまして、大学を初めとする試験研究機関、あるいは経済団体などと協議・検討を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 また、マディソン市のURP──ユニバーシティー・リサーチ・パークについてのお尋ねがございました。
 この組織は、大学の技術開発や商品化の支援及び企業用地の造成などを行う組織であると認識をいたしているところでございます。お話にありましたとおり、十勝圏振興機構につきましても、こうした技術開発や商品化の支援機能などの面では同様の機能を備えているというふうに感じておりますが、さらに地域におけるニーズにこたえていくためには、どのような仕組みや形態が望ましいのか、今後、関係団体と幅広く意見交換をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
 以上であります。

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質問3回目

12番(小森唯永議員)  丁寧なお答えありがとうございました。
 まず、水道料金の考え方について意見を述べさせていただきます。
 帯広市は地下水が豊富で、各家庭では昔から3メーター及び5メーターの浅井戸で生活用水が利用されておりました。帯広がここまで発展してきたのも、この豊富な地下水によるところが大きいわけであります。また、十勝農業はきれいな水なくして、安心・安全な農産物ができるものではありません。しかし、近年、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・また化学肥料による汚染等を留意しなければならない状況にあります。
 本州の複数都市などでは、地下水の大量くみ上げにより地盤低下で15センチも下がり、深刻な問題化しているところもあると伺っております。環境面からいっても、地下水の野放し状態ということにはならないものと考えます。
 ただいまの御答弁で、水道料金は公平で公正・妥当であるべきもので、今後も検討していくとありました。もっともなお考えであると思います。逓増制により割高な水道料金を利用している大口利用者の料金は負担が重く、安全性や産業の振興の点からも早急な料金の見直しが必要であるとともに、大口地下水利用者の建設費用の負担の面からいっても、見直しを考えられているとのことでありますので、早い料金改定の実行を求め、この件は終了いたします。
 市営競馬の考え方についてであります。
 市営競馬破綻の重要な原因は、一部事務組合のずさんな計画と管理運営であり、これを是正しようとした砂川市長や議会選出議員の意見が通らなかった点が大きな問題であると認識しております。
 馬産振興と馬文化の保存という名目を掲げ、経常赤字を取り返しのつかないところまで膨らませ、一部事務組合という屋上屋の組織が問題解決をおくらせたんです。一部事務組合の問題は、私たち帯広市議会が指摘しようにも口出しのできない、他都市と同じような権限を持つ議会であります。競馬組合だけでなく、すべての事務組合の問題であり、常に問題を指摘していたことが現実の結果となったわけであります。この際、ほかの一部事務組合も、人口割や出資金割などによる議員定数変更など全般的な見直しも考え、本市議会の意見がもっと通るようにしなければならないのではないでしょうか。
 さて、ばんえい競馬の民営化についてでありますが、私が2度ほど関係省庁へ伺ったところでは、ばんえい競馬に対しては非常に協力的であり、逆にばんえい競馬を残してほしいとのことでした。平成16年の競馬法改正により大幅に緩和され、公設民営が可能になったのですから、今後民間への公募も含め、積極的に存続に向けた取り組みができているとお聞きいたしました。競馬関係者の方々やファンの方々はどれだけ安心したことでありましょうか。
 競馬継続に関しては、もちろん一部事務組合の早期整理・解散をしなければなりません。いかに資金豊富な民間企業であっても、負債つきで受けるところはありません。
 また、開催に当たっては、一度休止すれば二度とファンは戻ってこないと言う人もいますが、果たしてそうでありましょうか。もし一度休止してファン離れが起きるなら、遅かれ早かれ競馬ファンはいなくなってしまうでしょう。私は中途半端に続けるよりも、より完全な運営システムと完全にリニューアルした施設で、十分時間をかけ再起を図るべきと考えます。
 ここで一つ提言をしておかなければならないのは、もし民間に委託して赤字が発生した場合と廃止に追い込まれる事態が生じた場合であります。その清算金は市民に負担をかけないことが大前提としなければなりません。契約には十分留意されることを申し上げておきます。
 市民に負担をかけない形でのばんえい競馬は、十勝に根づいた馬文化の伝承、開拓の歴史、産業の一つとして、さらには十勝観光のシンボルとして大きな役割を持っています。市長の思いと市民や私たちの思いは同じであります。市長や理事者の皆様のさらなる努力を求めます。
 次に、財政見通しであります。
 平成16年度を初年度とする三位一体の改革は、地方交付税の大幅な削減、国庫補助負担金の廃止に伴う本格的な税源移譲の先送りなど国の財政再建が優先され、地方財政に大きな打撃を与え、このごろの予算編成に重大な支障を及ぼしました。これは本来、地方分権推進のための三位一体の改革には遠い内容で、国に対する地方の信頼と期待を裏切るものでありました。地方公共団体は未曾有の財政危機に直面する中、人件費の抑制、事務事業の抜本的な見直しによる歳出削減など、徹底した行財政改革に懸命に取り組んでいます。来年以降もこのような状況が続けば、地方公共団体の財政はさらに危機的な事態に陥ることが懸念され、医療、福祉、教育など、さらに住民生活を初め地域経済にも大きな悪影響を及ぼすことが必至であります。国からの依存財源が不透明な中、今後本市の財政運営をどのようにするのか、執行者の責任は重大であります。夕張の教訓を参考にしなければならないのは当たり前のことであり、本市の状況も、また住民サービスの低下はどんどん進行しています。先ごろ発表された特別交付税12月分を見ますと、本市は13%減の9,800万円、合併した幕別町は何と335.8%増の2億1,900万円であります。合併に失敗したツケが徐々に出てきております。
 また、豪州との経済連携協定──EPAが締結されると十勝農業は壊滅的な打撃を受けるだけでなく、農業関連企業も経営が成り立たなくなり、十勝の経済構造全体が崩壊してしまいます。もちろん本市においても、失業者の増加や企業の撤退・倒産による市税収入の減少ははかり知れないでしょう。何をとっても明るい話題はありません。このような市財政状況に対応し、早急に手を打たなければならないと考えます。本市財政担当OB、市内の会計事務所等専門家による財政諮問会議か帯広の財政を考える有識者会議の設置は必要と、再度申し上げておきます。
 最後に、十勝型R&B構想についてであります。
 北海道大学を中心とするR&Bは、北大北キャンパスエリアを中心に、北海道立試験研究機関、札幌市北海道経済産業局、北海道経済連合会、プラザ北海道、道内他大学連携を中核として北大R&B構想推進協議会を立ち上げ、さらにこれを取りまとめてノースティック財団がサポートし、順調に進んでおります。新技術の創出等、着々と特許申請がなされ、中には帯広畜産大学の教授や助教授も参加して成果を上げ、莫大な経済効果が出ております。北大R&Bは、本市の目指すR&Bより規模の点でいって大き過ぎますが、マディソン市のR&Bは、本市にとって非常に参考になる規模ではないでしょうか。マディソンも農業地帯の真ん中にある中都市であり、これといった産業はありませんでした。米国の大都市の名門大学は簡単に優秀な研究者や学生を集めることができるのですが、ウィスコンシン州立大学は、早い時期から研究を産業に生かせと明確な目標のもと、地域に合った研究開発がなされた結果、中西部の奇跡とまで呼ばれるようになったんであります。ぜひ本市担当者も研修していただき、本市のR&Bの今後に生かしていただきたいと考えます。
 過去の本市の発展を振り返れば、先進都市をモデルに、また農業も先進地や国内他都市の先進技術を学び、追いつけ追い越せの合い言葉のもと、わずか100年足らずで道内他地域にうらやましがられる十勝経済を築き上げました。この人たちの革新的な努力が、原始林であった原野を日本有数の農業地帯につくり上げたんであります。しかし、現在の私たちは果たしてどうでありましょうか。日本一の農業王国という自負のもと固定観念にとらわれ、グローバル化した社会に対応しているのでしょうか。農業生産物価格は諸外国よりはるかに高く、工業製品の製造原価も外国に太刀打ちできなくなり、日本人の最も得意な先端技術産業にもおくれをとり、世界情勢の変化に対応できていません。国の対応が悪いとか、情勢の変化だとか、すべて他に転嫁している。自分たちがやれることをやっていないのではないでしょうか。ただいまの御答弁を聞く限り、本市では本気でR&Bに取り組むつもりがあるのかなと考えてしまいます。現実性の薄い大学を夢見て、30億円もの基金を有効活用もしない。畜産大学を初め他の研究機関との実務連携すらまだとれていない。地域の特性を生かせず、宝の持ちぐされと言われても仕方ありません。
 市町村合併にしてもそうであります。十勝には大いなる可能性があります。豊かな大地と農作物の生育に適した最適な気候、そして的確に収穫できる農業技術及び規制緩和により直販が可能になった消費構造、組織的な農協機構等であります。それを生かし切っているでしょうか。十勝モンロー主義といいますが、実態は市町村間でばらばらな状況であります。本市の大型事業を見ても、屋内スピードスケート場の指定の利用、今懸案のばんえい競馬の生産者への影響にしても、本市よりも管内町村の方が関係が深いにもかかわらず連携がとれていません。十勝が幾ら広いといっても、しょせん狭い日本の中の一地域であります。アメリカやオーストラリアなどは、隣まで1キロ、2キロなど珍しくありません。地球的な規模で距離が消滅しているにもかかわらず、狭い地域でどう外国の農産物競争や国内の他都市との産業競争に打ち勝てるのでしょうか。帯広はこのまま行くと、石炭のなくなった産炭地域や水産物減少で落ち込んだ他都市の二の舞になる可能性すらあります。ぜひ帯広が先頭に立って、十勝を一つにまとめた発展を考えていただきたいものであります。
 R&Bは、市長の公約のとおり、今後の十勝発展のかぎを握るものであり、実現に向け早急な取り組みが必要なことは明白であります。市長初め理事者の皆様に的確な対応を申し上げ、私の質問を終わらさせていただきます。ありがとうございます。