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平成20年第1回3月定例会
質問1回目
24番(小森唯永議員) | 私は、新風21を代表し、通告に従いまして質問させていただきます。 まず最初に、帯広市の予算編成と行財政改革についてであります。 平成20年度の帯広市新年度予算案は、砂川市長3期目折り返しであり、仕上げとも言える積極型予算であったと理解しております。その予算の3本柱は、活力あふれるたくましい地域経済の再生、子供たちを健やかにはぐくむ社会づくり、安全で安心して暮らせるまちづくりであります。 このうち、子供たちを健やかにはぐくむ社会づくりは、砂川カラーが随所に出ている提案であると申し上げます。保育所の乳児室整備、拡充、医療給付、乳幼児等、ひとり親の対象拡大事業、妊産婦健康診断検査の拡大等、子育て支援事業はまさに砂川市長でなければできなかった政策でありましょう。 安心して暮らせるまちづくりについても、若葉小学校の体育館を含む公共施設の耐震化、改築の一部前倒し等、一定の評価を見ることができます。 しかしその一方、活力あふれるたくましい地域経済の再生については、一部公共事業の集中プランは出されたものの、ばんえい競馬に助けられた感は否めません。具体的な産業振興策、R&Bに対する目的がはっきりしないこと、人口増に向けて具体策、そして何よりも全十勝を巻き込む農業を中心とした産業振興に対する取組み不足は満足いくものではありません。 市長は、財政の健全性は言っているようでありますが、人口の減少は今後確実に本市財政に悪影響を及ぼします。現在の予算措置における財源は、紛れもなく依存財源であり、自主財源の減少は将来へのツケ回しになることを自覚しなければなりません。 さて、行財政改革でありますが、1次行革52億円、2次行革94億円を通じてかなりの効果があったことは認めます。しかし、これだけで終わったわけではありません。新たな行革は56億円を見込むとのことでありますが、現在できる限りの努力をしなければならないときに、市の特殊勤務手当廃止の先送りなどは認識の甘さを感じずにはいられません。究極の行財政改革と言われる市町村合併にも全く触れられていない点が非常に気になります。 しかし、今回の新たな行財政改革実施計画の中では、注目すべき点が何点かあります。それをお伺いいたします。 1、今年度の予算編成に対する市長の思いをお伺いいたします。 2、行財政改革中、特に市民が不信感を持っている特殊勤務手当について伺います。特殊勤務手当は、すべて全廃するとのことでありますが、労使交渉においては、すぐにできるものとできないものがあったはずです。今後すぐにできるものは何か、労働組合が特に難色を示しているものは何かをお伺いいたします。また、時間切れに対する今後の見通しは。 3、他都市でも始まった、行政の行う事務について民間との競争を導入する帯広市版市場化テストの具体的中身と今後の実施見通しは。 4、職員の中で努力している人、能力の高い人とやる気のない人の差をつけるべきと以前から申し上げていました。今回は新たな人事評価制度を導入し、評価結果を職員の育成や処遇などの基礎とし、職員の能力向上と組織力を強化するとあり、まことに結構なことであります。早急にこの計画を実行していただきたいわけでありますが、その具体的な実施計画をお示しいただきたい。 産業振興とR&B計画についてお伺いいたします。 今年1月18日、太田経済財政担当相の衝撃的な発言がありました。残念ながら、もはや日本は経済一流と呼ばれるような状況ではなくなった。人口減少社会の入り口にあって守りの姿勢に入ることではなく、もう一度世界に向けて挑戦していく気概を取り戻すと国会答弁にありました。 事実、日本人1人当たりのGDPの順位は1995年は1位であったものが、2000年3位、2001年5位、2002年7位、2003年9位、2004年12位、2005年15位、2006年18位となりました。今後、15歳から64歳までの生産人口は減り続け、2055年には人口が半減する予測であります。日本の消費水準は、1997年を最高に自動車、百貨店、スーパー、食品、酒、生命保険等の売り上げは1996年がピークであり、現在は毎年低下が続き、1970年代と同じ水準と言われております。内需がさらに落ち込み経済力が低下すると、食料、エネルギー問題、社会インフラ、社会保障、防衛、治安、国、地方の財政、地域格差、社会の活力、世界における存在感などの問題が確実に起こります。現在、既に国や地方の財政悪化、地域格差、社会の活力低下等の現象が現実の問題となっています。 昨年まで大企業に支えられていた日本経済は、株価低迷等、今後全国で総後退時期に入ることでしょう。現在は中央中心、中央集権の中にあって、地域の活性化は並大抵ではありません。国民1人当たりのGDPが10年前日本の半分であったが、今や世界一となったルクセンブルグや同3位のアイルランドのように、芋しかとれなく規則、規制もない方が地域再生をやりやすいかもしれませんが、そんなことは言っておられません。 アイルランドは人口413万人、面積7万282平方キロメートルであり、片や我が北海道は人口563万人、面積7万8,420平方キロメートルであり、北海道とほぼ同じであります。産業状況は圧倒的に北海道がいいにもかかわらず、現在1人当たりのGDPは、日本3万5,147ドル、アイルランド5万3,012ドルと日本円にして約200万円も差がついてしまいました。 過去の数字と比べると変化の大きさに驚かされます。1995年における日本の1人当たりGDPは3万1,658ドルで、主要国の中では断然トップでした。これはアメリカ2万4,341ドルの約1.3倍であり、アイルランド1万4,871ドルに比べると2.1倍でした。しかし、アイルランドの躍進は、10年、15年もあれば努力次第で私たちも産業振興を図れるということを実証してくれているのです。要は何に取り組むかが重要であります。 さて、本市の産業振興でありますが、基幹産業の農業では、昨年戦後最大と言える大規模な所得制度の変更がありました。この変更による経営不安から、農業関連産業への購買低下が著しく、地域産業へ多大な影響を及ぼしており、何らかの打開策をとらなければなりません。帯広・十勝産農畜産物の安全性をアピールし、十勝ブランドの優位性を訴える必要があります。日本は60%の食料を輸入しており、そのうち中国からの輸入は21%であり、アメリカ11.5%、オーストラリア5.2%となっており、断然中国が多いのであります。 その中国からの輸入で、今まで言われていた食の安全性の問題が一挙に噴出しました。毒入りギョーザのメタミドホスを初めジクロルボス、パラチオン、ホレートなど日本では一般に聞いたことがなく、使用されていない農薬が相次いで検出されました。生産履歴のはっきりしない中国産農産物による危険性は、広く日本中に広がりました。 対岸の火事ではありますが、これを私たちは教訓にしなければなりません。十勝産の農畜産物は生産履歴がはっきりしており、さらに農薬の使用量が道内はもとより、日本の中では最も少なく済んでいます。それは、栽培期間の夏の天候によります。高温、少雨で乾燥している気候は病害虫が発生しにくく、よって農薬の使用量が少なくて済むわけであります。全国に安全・安心な十勝農畜産物をアピールすべきと申し上げます。 十勝ブランドは、以前から言われておりましたが、どうも言葉だけがひとり歩きしているようで、明確な基準が消費者に伝わっていないように思います。この際、しっかりした基準づくりと、農畜産物の生産者履歴の表示方法の確立を目指すべきと申し上げます。 さて、現在管内の畜産農家では、史上最高価格の飼料代により大変な事態に陥っていることは皆さん御存じのことでしょう。バイオ燃料への飼料穀物の急騰は、家畜用配合飼料へ転換され、2006年には1トン当たり4万2,600円だった飼料価格が、今年1月には5万8,100円と実に36%も上昇、さらに来月には4,000円以上の値上げが予定されております。 今まで農家と配合飼料メーカーが資金を拠出し、通常補てん基金が飼料価格の上昇部分をカバーしてきました。しかし、1月には基金残高がなくなり、2月には約100億円の財源不足になりました。今後は、国と配合飼料会社で積み立てる異常補てん基金から通常補てん基金への融資を行うそうでありますが、いずれにしても財政状況は枯渇するものと言われております。 ここで問題なのは、配合飼料は基金で補てんされていたのですが、配合飼料より安かった単味飼料であります。大規模経営農家だけではなく、多くの畜産農家では大半が安い単味飼料を使っておりました。ところが、現在補てん金のない単味飼料の方が価格が高くなっており、これが経営を圧迫し、大変な問題となっているからであります。今後早急な対策が必要であります。 また、農林水産省は、足腰の強い農業を目指し、輸入に苦しめられる農業から、輸出できる農畜産物1兆円の実現に力を入れ始めました。十勝からはナガイモが台湾を初め米国や東南アジアに輸出されています。今後、輸出が有望視されているのは和牛などがあります。そのほかにも、農業振興策として新作物、品種の開発で野菜や芋等、新品種の導入が求められることでしょう。日本の食料基地としての責任を果たすには、農業者の努力と生産体制をしっかりサポートする行政の助けが必要であります。 ここで伺います。 本市農畜産物の生産者履歴をわかりやすくする方法、QR等を考えてはいかがでしょうか。 2、十勝ブランドの認定方法とPRはどのようにして行われるのでしょうか。また、現在十勝管内には、いろいろな地域ブランドの農畜産物があり、川西のナガイモや大正のメークインを含めて、全十勝的な取組みを考えてはいかがでしょうか。 3、中国産に対抗し、消費者に安心・安全をアピールするための、農薬と化学肥料を減らすための取組み努力としての対策は考えられているのでしょうか。 4、飼料価格高騰による緊急の畜産農家への対応策について伺います。 5、本市として、農畜産物の輸出を考えた付加価値をつける対策や、新品種、新作目等の導入に対する考え方を伺います。特に、黒毛和種については、今後輸出が有望視されることから、食肉処理施設のHACCP、米国で開発された国際的に認められた食品の衛生管理手法、HACCP取得についての考え方を伺います。 十勝型R&Bは砂川市長が3期目の公約に掲げた重要な政策の一つであります。市長も事あるごとにその必要性を言われております。しかし、産業界からの期待とは裏腹に、どうも前進しているようには見えません。 本市基幹産業である農業は、品目横断的経営安定対策事業と生産費の値上がりにより、農家収入は実質10%から15%減収すると言われております。2次、3次産業の落ち込みも激しく、本市で新規産業を創出しなければ、地域経済は下降の一途をたどるばかりであります。今こそ地域を挙げた産業の取組みが必要であり、R&Bはその中心となるべきものであります。十勝の豊富な農業資源は最高のR&Bの素材となり、一日も早い産業創出の実現を目指さなければなりません。 私は、平成15年3月議会、平成15年6月議会、平成18年12月議会において、バイオテクノロジーや十勝型R&B構想に向けた重要性を訴え、さらに取組みについて質問を行っています。内容は、北大でのR&Bへの取組み、本市と姉妹締結をしたマディソン市のR&Bの実態を紹介し、次のように伺いました。 1.本市のR&Bに対する取組み状況は、2.具体的な取組み項目は、3.畜産大学及び国や道との連携状況は、4.今後本市として予算措置はどのように考えているのかと伺っていました。 市長のお答えは次のとおりでした。マディソン市の産学連携の取組みについては、その規模やあるいは歴史の諸条件を考慮しますと、帯広・十勝にそのままの形ですぐに取り入れることはできませんが、その仕組みやあるいは考え方については、帯広のR&B構想づくりに大いに参考になると考えているところであります。今年度、構想策定のために基礎的な調査を行っているところでございまして、明年度は構想の策定作業を進めてまいりたいと考えているところでございます。次に、大学との連携についてでございますが、現在産学官連携の中心となります帯広畜産大学や十勝圏振興機構などの研究機関、あるいは国の機関や北海道とも構想の具現化に向けた意見交換を行っているところでございます。また、地場産業の皆様とも御意見の交換をさせていただいているところでございます。また、産学官連携のあり方などにつきまして、専門の有識者からアドバイスもいただきながら、調査検討を進めているところでございます。次に、具体的な取組みでございますが、地域に存在いたします資源を生かし、事業化、産業化に結びつく新製品、新技術の開発などの促進を基本といたしまして、大学等の研究シーズを創出するため、国の科学技術振興資金を初めとする競争的資金の活用や、大学と関係機関との連携による研究開発の促進の仕組みづくりなどについて、今後詰めてまいりたいというふうに考えているところでございますと、このようにお答えになりました。今後に大変期待の持てるお答えであったのでありますが、これについてお伺いいたしたいと思います。 1、その後、帯広型R&Bはどのように進展しているのかからお伺いいたします。 2、また、マディソンで成功したR&Bの中核となったワーフとURP、ユニバーシティー・リサーチ・パークについてであります。ワーフとは9人のウィスコンシン州立大学生が、わずか100ドルずつ出して設立した大学研究の金銭支援が目的の非営利組織であり、研究資金を貸し付けるものであります。この制約の少ない資金を利用することにより優秀な研究者を全米から集め、研究結果は先端技術として企業に利用され、得られる利益をワーフに還元し、さらにそれが再度大学の研究資金に充てられるという循環が確立されています。URPは、大学の技術開発や商品の支援及び企業用地の造成を行う組織であります。これらの組織を早急に立ち上げるよう申し上げました。 18年12月議会でのお答えでは、どのような仕組みづくりや形態が望ましいのか、今後関係団体と幅広く意見交換をしてまいりたいと言われましたが、どのような組織を立ち上げられたのかを伺います。 平成18年の私の質問の後、理事者の皆さんと畜産大学関係者の皆さんがマディソンに視察に行かれたとお聞きしておりますので、実りある御答弁があるものと期待しております。 次に、環境対策とCO2削減に向けた取組みについてであります。 今、世界は地球温暖化が大きな問題として議論されております。世界の学者の間では、北極の氷は今世紀末どころか、あと20年から30年しないうちにすべて解けてしまうと前倒しの発表がありました。 大気中の二酸化炭素濃度は、産業革命前、280ppmが現在350ppmまで上昇し、その影響は、温暖化で解け出した氷と水温上昇による海水の膨張が海水面を上昇させ、さらには異常気象として各地に大きな自然災害をもたらしています。内陸部では深刻な水不足として、2年後の2010年までには世界じゅうで5,000万人の環境難民が発生すると言われております。地球温暖化は、科学者の予測をはるかに超える速いスピードで進行しており、今できる限りの防止策をとらなければ、今後取り返しのつかない環境破壊が起こると警告されています。 日本は、温室効果ガスを京都議定書で1990年の水準から6%削減するという公約を守り切れないどころか、逆に現時点で6.9%もふやしてしまいました。同じ会議に出ていたEUでは、2020年までに30%、米国や中国でも20%と15%と目標を立てましたが、日本は2014年で1.6%減で余りにも低過ぎます。日本の人口は世界の2%なのに、CO2排出量は5%であります。 日本は省エネ技術があるにもかかわらず、その責任を果たしておりません。役所や各企業はISO14001を取得しているにもかかわらず、この結果は何なんでありましょうか。国や指導機関が、最初こそ省エネ対策で補助金を出しておりましたが、その後積極的なCO2削減策をとらなかった結果と、国民の意識の低さが原因と考えられます。太陽光発電は、当初日本は世界一の研究と実績でありましたが、今やドイツのQ─cellsがシャープを抜いて世界一に、中国のサンテックも京セラを抜きました。私たちの北海道を見ても、地球温暖化対策をほとんど目にすることはありません。 しかし、CO2に対する削減策は、洞爺湖サミットを目前に控え、やっと重い腰を上げようとしております。道は北海道環境宣言を行い、北海道環境行動計画を策定しました。環境貢献企業認定制度を新設し、温室効果ガスの排出削減による地球温暖化防止、生産工程での廃棄物削減による循環型社会の形成、森林保護や植樹による自然環境保全等であります。各企業を対象とし、店舗内の冷暖房設定の抑制、ごみのリサイクル、太陽光発電など自然エネルギーの活用等、取組み状況を評価しランクづけし、認定するというものであります。認定されれば道のホームページでPRされ、認定マークの使用が認められるほか、道の発注する事業に考慮されるなど、積極的な対応をとり始めました。 さて、私たち帯広をと振り返りますと、帯広市では平成12年3月に帯広市環境基本計画を策定しました。対象期間は平成12年度から21年度の10年間です。しかし、どれだけの人がこの計画を知り、実践しているのでしょうか。確かに、内容は8年前に策定したものとは思えないほどすばらしいものであります。概要を説明いたしますと、目的を達成させるために、環境配慮行動指針の中で市民が配慮すべきこと、事業者が配慮すべきこと、環境NGOが配慮すべきこと、行政が配慮すべきことであります。本来、行政が配慮すべきことが一番先に来るべきだと私は思うのでありますが、いずれにしましてもかけ声だけであります。実践したことといえば、ごみの分別化、帯広の森整備、ISO14001の取得ぐらいしかありません。 帯広市環境基本計画の中では、平成10年度対比で平成21年度までにごみ排出量を6%削減します。コンポストの助成件数を5,000基ふやします。ごみのリサイクルを24%にします。電力使用料を10%削減します。上下水道を10%削減します。灯油、石油の使用量を10%削減します。都市ガス使用量を10%削減します。家庭用太陽光発電システム助成件数を100件にしますなどと具体的目標を設定し、循環型環境保全型社会、資源を賢く使うまちづくりを目指していたはずです。市はどこまで計画を実践したのでしょうか。ごみの分別、ごみ料金の値上げなど役所の財政負担軽減を市民に押しつけただけではないでしょうか。 ここで、環境問題についてお伺いいたします。 1、市長の環境、温暖化に対する基本的な考え方は。 2、洞爺湖サミットは環境サミットとも言われておりますが、本市はどのようにかかわり、内外に向けて何をアピールするつもりなのでしょうか。 3、平成21年度には現在の帯広市環境基本計画が終了するわけでありますが、その目標に対して実践状況と今後の計画更新についての予定を伺います。 4、地球温暖化による本市における産業や市民生活への影響をどのようにとらえているのでしょうか。 5、これまで本市が取り組んできたCO2削減策と温暖化対策は。 6、1バレル100ドルを突破した石油価格上昇に対する代替エネルギーとして、今後期待される自然エネルギーとバイオエネルギーに対する考え方は。 7、本市は昨年1月、バイオマスタウン構想が国に認定されましたが、現在どのような取組みをなされているのかをお伺いし、1問目の質問といたします。 |
◎砂川敏文市長 | 小森議員の代表質問中、初めに予算編成と行財政改革についてお答えいたします。 予算編成につきましては、私はこれまでの予算編成という作業を通して全職員が市民のニーズは何か、自分たちが日々携わっている業務はだれのためになぜ必要なのかということを改めて見詰め直し、それを予算に反映させてほしいとの思いがあったわけであります。こうしたことから、今般の予算編成に当たりましては、市民に最も身近なところでサービスを提供しております各部各課の裁量を拡大した自主自律型の予算編成手法を取り入れることとしたところでございます。 こうした新しい編成手法のもとに、現下の経済情勢や人口減少に危機感を持って対応していくために、お話しありましたが、活力あふれるたくましい地域経済の再生、さらに子供たちを健やかにはぐくむ社会づくり、そして安全で安心して暮らせるまちづくり、この3点を重視する施策として掲げまして、さまざまな観点から議論を積み重ねてきたものであります。私としては、これによりまして厳しい財政環境の中にあっても、めりはりのある予算が編成できたものと思っているところであります。 次に、特殊勤務手当についてお答えいたします。 職員の特殊勤務手当につきましては、著しく危険、不快あるいは困難などの特殊な勤務で給与上特別の考慮が必要なものに対してこれまで支給してまいりましたが、時代の変化や市民の理解に照らし、原点に立ち返って全項目を廃止するという提案を行いまして、66の対象となる職場との協議を進めてまいりました。その結果、一部の職場におきましては廃止への理解を示したものの、すべての職場において合意するというまでには至らず、結果として全手当を廃止するという提案のまま継続交渉となったものであります。 今後につきましては、これまでの論議結果を踏まえまして、新年度の早い時期に交渉を再開して、市民の理解を得られるように職員団体と十分な協議を重ね、早期の妥結を目指してまいりたいと考えているところであります。 次に、帯広市版市場化テストについてでありますが、平成18年7月に施行されましたいわゆる公共サービス改革法に基づきます市場化テストの手法を参考にしながら、これまで行政が直接行ってきました公共サービスを対象に、民間事業者の創意工夫の反映が期待できる業務を選定しまして、官と民との競争入札あるいは民間競争入札を活用しまして、市民の立場に立って、より良質かつ低廉な公共サービスの提供を目指していくというものでございます。こうした考え方のもとに新たな行財政改革の実施計画におきまして、官民競争入札の候補となります事業の選考や帯広市独自の実施手法などにつきまして、検討してまいりたいと考えているところであります。 また、新たな人事評価制度についてのお尋ねがございました。 地方分権改革の進展や行政課題が複雑多様化する中で、職員がその持てる能力を最大限に発揮し、質の高い行政サービスを効率的かつ安定的に提供していくことが必要だと思います。そのためにはこれまでの年功序列、横並びの人事管理から、能力と、そして業績を重視した人事制度に改めますとともに、地方自治を担う人材を育成する制度を整備する、そういうことが急務でありますことから、新たな人事評価制度を平成20年度に導入してまいりたいと考えております。 導入に当たりましては、評価制度に対する職員の理解と共通認識ということが重要でありますことから、市役所の中に人材育成推進委員会を新たに立ち上げまして、職員の意見などを評価基準や評価マニュアル作成などの制度設計に生かしますほか、苦情相談窓口の設置や評価者訓練の実施など実効性のある制度とするとともに、平成20年度中を目途に職員の育成計画の作成にも取り組み、適切な処遇などに反映していきたいと考えております。 次に、産業振興についてでございます。 我が国の農業は、グローバル化の進展の中で、市場の開放と食料の安定供給の両立が求められております。お話のように、カロリーベースでの食料の自給率は、先進国中では最低水準の39%まで低下したという中で、この帯広・十勝の農業への期待は高まっていると考えております。しかしながら、帯広・十勝の基幹作物であります小麦、そして牛肉、乳製品あるいは砂糖の関税撤廃ということを含みますオーストラリアとのEPA交渉が進められておりまして、これが合意されますと、農業はもとより地域経済に甚大な影響が懸念されますことから、私としては農業関係者の皆さんと連携し、適切な対応を求めているところであります。 御質問にありました生産履歴の表示ということについてでございます。 帯広市で生産されます農産物は、消費者に安心を届け、農産物への信頼を高めることを目的として、生産者によります生産履歴の記帳が徹底されております。今後も小売段階におきまして生産者の顔が見える情報を提供する方向に進むものと考えられますので、生産履歴システムの確立にさらに努めてまいりたいと考えております。 次に、十勝ブランドについてでありますが、現状におきましては各地域ごとの特産品として、十勝川西長いも、大正メークインなどのブランド農産物ごとにPRに努めている状況でございます。十勝というブランドは、安全・安心で良質であるというイメージが浸透してきておりまして、オール十勝での取組みは今後の地域間競争を勝ち抜いていくためにも非常に大切なことであると考えています。このため、十勝管内の農協で構成しますJAネットワーク十勝におきましては、農協間連携によりますブランドの創造に取り組まれておりますことから、このような機関との連携を図りながら、さらに取組みを進めてまいりたいと考えております。 また、安全で安心な農畜産物の生産振興ということにつきましては、平成16年に策定をしました帯広市食の安全・安心推進プランに基づきまして、クリーン農業の普及拡大に努めているところでございます。さらに、平成20年度におきましては、農地・水・環境保全向上対策の営農活動支援事業によりまして、農薬と化学肥料の5割低減に取り組む地域を新たに支援してまいります。 次に、飼料価格高騰への対応策についてでありますが、世界的なバイオエタノールの生産拡大によりまして、トウモロコシの需要が増している等々あります。その結果、輸入配合飼料の価格が高騰していることが地域の畜産、そして酪農経営に大きな影響を与えていると認識しております。このため、帯広市といたしましては、畜産、酪農家の飼料自給率の向上やエコフィードの導入によります飼料対策とともに、黒毛和牛導入によります経営の多角化などに支援を行いまして、畜産、酪農の経営安定に努めてまいりたいと考えているところであります。 また、その多くを輸入に頼っております化学肥料の使用につきましても、土壌分析結果に基づきまして新たに関係団体と連携して、適正施肥管理指針を作成しているところでございまして、化学肥料投入量の低減を図っていくものでございます。さらに、土づくりに欠かせない低コストで良質な堆肥の生産のための調査研究に着手することとしております。 農畜産物の輸出についてのお尋ねがありましたけれども、十勝・帯広産のナガイモは高品質なものとして評価が高く、台湾やアメリカなどへ安定的に輸出されております。海外への農畜産物の輸出は、攻めの農業ということで国も力を入れておりまして、今後とも良質で安全・安心な農畜産物を生産し、その輸出の拡大に努めてまいりたいと考えております。 また、帯広の農業に欠かせないナガイモや大根などは、畑作4品とともに農業経営の柱となっております。今後も新たな作物及び品種の導入につきましては、生産者、関係団体とも連携して取り組んでいきますとともに、畜産でありますけども、黒毛和牛につきまして地域での生産振興に力を入れていきたいと考えております。 さらに、食品の衛生管理手法であります牛肉の輸出にも求められますHACCPの導入につきましては、将来的にはそうした食肉処理施設が必要であると考えているところであります。 次に、リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想についてお答えをいたします。 構想策定作業につきましては、大学や試験研究機関の研究成果を産業側に移転していく仕組みのあり方につきまして、大学などとの協議を初め、これら機関及び企業などの実務者の方による検討会議を設置しまして、課題あるいは問題点の意見などを踏まえまして、構想の策定作業を進めているところであります。検討会議におきましては、大学等と産業側、この双方の意見交換、情報交流の場の必要性のほか、大学などの研究成果の産業側への移転のあり方、コーディネート機能の重要性など幅広い御意見が出されております。 また、帯広畜産大学を中心に取り組まれております、これは文部科学省の競争的資金であります都市エリア産学官連携促進事業を初めとしまして、企業などにおける農産物加工などの専門技術者を養成する人材育成事業などにも取り組んでいるところであります。さらに、豊富な地域資源を生かした食品、バイオ、環境、農業などの分野での研究開発の促進の仕組みづくりを進めていきたいと考えております。 帯広市におきましては企業等のニーズを踏まえまして、大学等の研究機関と連携を図りながら、地域資源の高付加価値化に努めてまいります。 また、ウィスコンシン大学におきますワーフあるいはURP等につきましては、その規模あるいは歴史などから、それをそのまま帯広・十勝で取り入れることは難しいと考えておりますけども、その考え方については大いに参考になるものでございまして、大学などの意見もお聞きし、さらに検討をしてまいりたいと考えているところであります。 次に、環境対策とCO2削減に向けた取組みについてお答えいたします。 私は、帯広市の良好な環境を維持していくため、環境への負荷の少ない循環型、環境保全型の社会を実現し、人と自然が共生できるまちづくりというものを目指しております。平成11年に策定いたしました帯広市の環境の保全及び創造に関する長期的な目標と方向を示しております帯広市環境基本計画では、目標を大きく、7つの目標を設定しまして取組みを進めております。 そのうちの一つでありますが、資源を賢く使うまちづくりの目標、この中に8項目ほど具体的な目標が掲げられておりますが、18年度までの実績におきまして、そのうちごみ排出量を6%削減する、さらにはごみのリサイクル率を24%まで引き上げる、都市ガス使用量を10%削減する、さらには家庭用太陽光発電システムの助成件数を具体的に挙げておりますが、この計4項目の目標値につきましては、今の段階で達成をしているところでございます。 なお、次期環境基本計画につきましては、平成20年度から策定作業に着手しまして、2カ年で策定をする予定でございます。 次に、地球温暖化によります産業や市民生活への影響についてでございます。 帯広市の基幹産業であります農業は、豊かな自然環境なしでは成立することができません。また、地球温暖化はこれらに大きな影響を与えるものと認識しておりますし、市民生活におきましても気候変動に伴います冷房あるいは暖房の需要変化によりますエネルギー需要への影響、あるいは異常気象による災害などの発生等々の影響が指摘をされてございます。帯広市ではこれまでも環境のISOであります14001や地球温暖化防止実行計画でありますエコオフィスプラン、さらには平成15年度に策定をいたしました帯広市地域省エネルギービジョンなどでCO2の削減に取り組んできましたほか、日本有数の日照時間の長さを生かしました太陽光発電や地域資源を有効に利用します木質ペレットストーブの普及促進などの取組みを進めてまいりました。 地球温暖化につきましては、市民の皆さんへの情報発信や普及啓発、地域資源を生かした新エネルギーの導入など、より地域に密着した、そして地域の特性に応じた施策を推進していく考えでございます。 また、エネルギー問題につきましては、昨今環境問題や原油価格高騰を背景にしまして、石油代替エネルギーへの関心が高まっております。帯広・十勝はバイオマス資源の宝庫でございまして、環境負荷の少ない循環型社会を構築することは、農業を基幹産業とするこの地域にとりまして非常に重要な視点であります。地域において再生可能エネルギーの活用促進に取り組むことは大切なことであると考えてございます。 このため、平成14年2月に公表させていただきました新エネルギービジョンに基づきまして、帯広市図書館や清川小学校あるいは十勝産業振興センターなどに自然エネルギーなどの導入を実施をしてきております。また、平成19年1月にはバイオマスタウン構想を公表しまして、路線バスへのバイオディーゼル燃料、いわゆるBDFですけども、これの導入や、バイオエタノールの混合燃料の実証事業、農産物残渣などのペレット化、廃棄系バイオマスや未利用系バイオマスの利活用促進に取り組んでいるところでございます。 次に、ことしの7月に洞爺湖町で開催されます主要国首脳会議、サミットに関連いたしまして、国や北海道、帯広畜産大学あるいは市民の方々、マスコミとも連携を図りながら、環境問題をテーマとしましたみんなで取り組む100日キャンペーンや地球温暖化防止と持続的農業を考える国際シンポジウム、さらには環境を考えるシンポジウムなどを帯広市で開催をいたしまして、帯広からの環境の取組みに対する情報を内外に発信していく予定でございます。 以上であります。 |
質問2回目
24番(小森唯永議員) | 2回目の質問をさせていただきます。 総務省は、4年前の2004年から、本来の趣旨に合致しない特殊勤務手当については内容の見直し及び適正化を行うよう、地方公共団体に助言しておりました。 特殊勤務手当の廃止案は、今の行革推進局長になってやっと出てきたわけであります。私もこの間何度か質問してきましたが、一体この4年間何をやっていたんでしょうか。民間では当たり前の仕事に特殊勤務手当が出されていることに疑問を感じずにはいられません。一般管理職よりも技術職の方が高いとなれば、手当の二重取りと言われても仕方ないでしょう。帯広・十勝の民間企業では、ボーナスはおろか定期昇給さえままならないことを市役所の皆さんは御存じでしょうか。余りにも無神経、自分本位、市民感情無視であります。 手当を受け取る方は、何かと理由をつけて拒否するのはわかっております。問題は、行財政改革真っただ中で市民感情を受け、市長みずからの強い意志が伝わっているかということであります。新年度の早い時期に交渉を再開するとのことでありますが、特殊勤務手当全廃に向け市長の毅然たる指導力を求めます。 帯広版市場化テストについて御答弁をいただきました。 公共サービスに関し、その実施を民間が担うことができるものは民間にゆだねるとの観点からこれを見直す、民間事業者の創意と工夫が反映されることが期待される業務を選定して、官民競争入札または民間競争入札に付することにより、公共サービスの質の維持向上及び経費の削減を図る改革を実施するとされております。したがって、民間の創意工夫を生かすことにより、限られた財源の中で公共サービスの質を向上させるものであります。この制度の導入を決定されたことには敬意を表します。 人事評価制度の概要を伺いました。分限制度も運用を開始するとのことで、道内自治体でも先進的な取組みに評価をいたします。もっとも民間なら当たり前なことではありますが、今後優秀な職員、努力している職員には励みになり、やる気のない怠慢な職員にはつらい制度でありましょう。 民間では、職員のよしあしでその会社の将来性や業績が決まります。よって、職員教育、特に新人教育は重要な要因であります、市職員は民間よりはるかに優秀な人が入ってきているわけでありますから、宝の持ちぐされにならないようにしていただきたいものであります。 そこで、お伺いいたします。 1、特殊勤務手当廃止交渉に当たって、伺ったところでは、打ち切りに納得した職場と納得しない職場があるとのことですが、どの特殊勤務手当で、どの職場が納得しなかったかをお伺いいたします。 2、帯広版市場化テストの早急な実施を求めるものでありますが、実施はいつごろを予定しているのでしょうか。 3、人事評価制度導入が給与基準に当然反映されるべきでしょうが、私は退職金にも反映されるべきと考えておりますが、その見解を伺います。 次、産業振興についてであります。 ことしに入って飼料価格の高騰を受け、国内の養鶏農家の倒産が相次いでいます。飼料にはトウモロコシが含まれており、そのほとんどは米国からの輸入であり、記録的な大豊作であるにもかかわらず、今年1月には前年度の2倍の価格に急騰、国内の養鶏会社はその影響をもろに受けました。 米国でのバイオエタノール生産は、この5年間で3倍近くに拡大し、供給が需要に追いつきません。ブッシュ大統領は、2017年までにガソリンの消費量を20%削減を打ち出し、バイオエタノールなどの代替燃料の使用を義務づけました。今後、さらにバイオエタノールの需要は逼迫するものと見られ、これらが日本を含む各国に波及し、世界的な穀物価格を押し上げる可能性はさらに高いわけであります。 穀物価格の上昇要因は、原油価格の値上がりであることは紛れもない事実であり、原油価格の上昇はさらに輸送費、農業機械の燃料、化学肥料の高騰なども大きな要因になるでありましょう。 しかし、何よりも根本的な問題は世界的な食料需給関係にあり、中国とインドの食生活の変化と世界人口の増加であります。米国、中国、インド、ブラジルは、生産国であると同時に大消費国でもあります。しかし、中国やインド等は自国での消費がふえれば当然輸出は減り、生産、消費のバランスの変化から、食料価格の上昇が現実の問題となってきます。 事実、世界の穀物の在庫量は低下し続けており、2000年には30%あったものが現在では15%になったと言われており、金属やエネルギーのみならず、穀物資源も枯渇しております。食料自給の重要性がやっと認識されてきたわけでありますが、これから日本国民の食料供給にだれが責任を持つのでありましょうか。 先日、つくばの農業生物資源研究所に行ってまいりました。輸入食品、特に輸入農産物と遺伝子組み換えの勉強をしてきました。日本での自給率、トウモロコシは1%にも満たない分類上はゼロ%、大豆4%、小麦10%でとてつもなく低く、これらの農産物は大半を輸入しております。 問題なのは、外国でのこれらの作付方法であります。遺伝子組み換えの割合がトウモロコシ73%、大豆90%、菜種85%、今後、小麦もオーストラリアでは干ばつの影響を受けにくい遺伝子組み換えを栽培するとのことでした。 世界じゅうでは1,200万トンの遺伝子組み換え作物が生産され、世界22カ国、11億2,000ヘクタール、実に日本の耕地面積の23倍、日本の国土の2.7倍で栽培されております。米国では半数の州が、北米、南米ではすべての国が、中国やインドでも遺伝子組み換えが作付されております。つまり、日本人は知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を食べていることになります。 私は、かねてから遺伝子組み換えの研究をしなければ、食料生産に支障を来すので、早急に研究を進め安全性と品種改良を進めるべきと申し上げておりました。これだけの遺伝子組み換え農産物が輸入されているにもかかわらず、日本、特に北海道での研究は全くと言っていいほど行われておりません。国や道は、食料の自給率向上だけを言っていますが、最も効果がある先端産業の研究に後ろ向きなのは納得ができません。研究費などは米国の10分の1、中国の半分でしかありません。こんなことで日本の食料生産と食の安全が守られるのでしょうか。 ことしに入りほぼすべての物価が値上がりしています。原油、穀物、金属、木材等で、ありとあらゆる資源価格が高騰、身の回り品の値上がりはとどまるところを知りません。特に、食品の高騰は中国食品から国産食品の移行による影響も伴って、家計を直撃しております。主なものを挙げれば、昨年から比べると2倍になった輸入小麦の影響で、めん類、パン類、お菓子、ビール等、さらにサラダ油、しょうゆ、みそ、マヨネーズ、ハンペン、シーチキン、ハム、チョコレート、ヨーグルト、マーガリン、カレー、コショウと数限りありません。上がらないのは、年金と給料だけであります。 1回目で種々お答えいただきました。本市農畜産物の生産者履歴をわかりやすく表示する方法への御答弁に、小売段階でのニーズを踏まえ研究し、生産履歴システムの確立に努めたいとのことであり、大変心強い御答弁であります。消費者の中国産食品への不信感を、十勝産農畜産物をアピールする絶好のチャンスであり、QRコードなり、それにかわる安全表示法なり、明確な対策を早急に確立されるよう望みます。 十勝ブランドの認定方法とPR方法及び全十勝的な取組みを考えてはとの質問に、JAネットワーク十勝がブランドに向けた取組みをしていることから、連携をしっかりとりながら取り組んでいきたいとのこと。十勝産農畜産物は、先ほどから言っているとおり履歴がしっかりしており、安全・安心の面では世界に誇れる水準であると認識しております。十勝ブランドをみんなで盛り上げ、十勝が一体となった取組みこそ十勝の将来が見えてくるのではないでしょうか。帯広市は、管内市町村の中で最も農業予算が多く、農業関連企業が本市に集中しているわけでありますから、管内町村だけでなく、民間を巻き込んだ取組みも必要と申し上げておきます。 農畜産物の輸出に関しましては、幸いにもナガイモでの実績が十分にあります。高価格で取引が可能な和牛の飼育には、飼料の自給自足ができ多頭数飼育できる地域は、十勝をおいてほかにはありません。十勝での優位性を生かし、積極的に輸出に向けた政策を取り入れるべきであり、北海道初となる和牛の輸出も視野に入れ、HACCP取得に協力すべきであります。 その他の御答弁で、農薬と化学肥料を5割減に取り組む、地域への支援を行うとのこと、飼料高騰に対する対策としては、飼料の自給率向上、草地の更新とエコフィード、食品残渣の飼料化を行うとのこと、また化学肥料削減にも堆肥の活用等、研究を行うとありました。化学肥料削減には、管内、乳牛、肉牛合わせて36万頭いる堆肥資源の利用が最も有効で効果的であります。普及に努めていただきたいものであります。 全体的に前向きで納得できる御答弁をいただきました。今後は今いただきました内容の早期実施に向けた対応を求めます。 ここでさらに伺います。 本市での独自対応はわかりましたが、飼料価格高騰に対して道や国への対応はどうなされるのでしょうか。 農家と配合飼料メーカーが資金を拠出していた通常補てん基金の残高がなくなり、国は現在補正を組み、2008年度632億円の上積みをされたようでありますが、補給金対策にも限度があると言われております。国内畜産業界は大半を輸入飼料に頼っており、今後は生産費に応じた価格転嫁が必要となるでしょう。そこで、我が地域といたしまして意思をはっきり示す必要が出てきます。対応を伺います。 2、今後の農業の先行きを考えなければなりません。地球温暖化による影響は必ず出てきます。今まで遺伝子組み換えには否定的だったオーストラリアですら、干ばつに強い遺伝子組み換え小麦の栽培に踏み切りました。北海道では、遺伝子組み換え研究には非常に後ろ向きであり、私は時代錯誤と考えております。現に、遺伝子組み換え食品が輸入されている現状も踏まえ、安全性確認等、遺伝子組み換えの研究は必要であると考えますが、先端産業に対する今後、本市の対応を伺います。 次、R&Bであります。 R&Bとは、研究開発から事業化までが一貫して推進される仕組みと研究施設を産学官の協働によって整備されることにより、良好な研究環境とビジネス環境のもとで先端的な研究開発が促進され、また、大学の知的財産を有効活用した新技術、新製品の開発やベンチャー企業、新産業の創出によって、地域経済、産業の活性化と我が国の経済の発展に貢献する取組みであります。 しかし、帯広版R&Bは、今御答弁いただいたとおり、平成18年の御答弁から進化したようには思えません。予算を見ましても、昨年度65万円、今年度45万円と非常に少ない予算であり、市長が本気で取り組む気があるのか、疑わざるを得ません。 ウィスコンシン州立大学のワーフとは歴史、規模が違い、取り入れることは難しいが、考え方は参考になるとありましたが、何が参考になるのでしょうか。何のために中西部の奇跡とまで言われたマディソンまで行ったのでしょうか。帯広版R&Bは、どうも私たちが考えているイメージと、市長が思っているイメージが違うように見えます。 そこで、お伺いいたします。 私の考えているR&Bは、マディソンにあるウィスコンシン州立大学の知的研究成果が円滑に民間に移転する仕組みであります。市長の考えているR&Bは顔がよく見えません。市長の思い描く本当のR&Bとは何なのかをお伺いいたします。 次、環境対策とCO2削減に向けた取組みについてであります。 オホーツク海沿岸に住んでいる人が、流氷の接岸が毎年遅くなっている、道東での積雪の減少から、エゾジカが大幅にふえているとの記事を先ごろ目にいたしました。北極海の氷の面積が劇的に減っていることは聞いておりましたが、北海道でも現実に変化が起きております。このまま二酸化炭素を排出し続ければ、気温上昇が抑制できないポイントオブリターン、手おくれの時点を迎えるとのこと。北極の氷、グリーンランドの氷床全面融解、アマゾン熱帯雨林の砂漠化、そして深層海洋水の循環崩壊につながり、取り返しのつかない悲惨な結果になると言われております。 今年1月、福田首相はダボス会議で主要排出国とともに、日本は国別総量目標を掲げて取り組むと表明されました。その内容は、全世界で2020年までにエネルギー効率の30%改善を提唱しました。 しかし、欧州連合は、エネルギー効率ではなく、CO2を2020年までに1990年比の20%削減する具体的な目標を掲げ、排出枠有償化など年間9兆円の対策を発表しました。英国などは、2050年度までに80%削減の検討も打ち出しました。 福田首相のエネルギー効率削減は、業界の意向に沿ったあいまいなものであり、世界各国からは相手にされませんでした。なぜなら、エネルギー効率を30%削減しても、GDPが50%ふえれば実質20%の排出量が逆にふえる勘定になるからであります。産業界の意向が強い日本では、京都議定書の目標達成をおくらせています。 しかし、国は先月の25日、新たな温室効果ガス削減指針を発表しました。地球温暖化対策推進法改正案の内容は、大規模工場に加えオフィス、コンビニや事務所、店舗、さらには学校など用途ごとに排出量の目標値を設定し、求められる削減策を国が示すものであります。 改正案では、企業全体で排出量が一定規模以上なら算定、報告、公表を義務づけ、フランチャイズ店、百貨店、学校、小規模オフィスなども対象になります。適用範囲は、現在の13%から大幅にふえ50%になる見込みであります。 さらに、家庭部門にも排出削減につながる規定が設けられます。日本の一般家庭でのCO2排出量は5,500キロカロリーCO2でありますが、北海道は暖房用の燃料と車による移動があるため、全国平均よりぐっと多いと言われております。 なぜ私が環境問題、特にCO2削減を訴えるのかを説明いたします。それは、我が十勝の産業の将来に重大な影響を及ぼしているからです。昨今の原油高の影響は、バイオエタノールの増産という形で米国からの輸入家畜飼料の高騰を招いたのは、さきに述べたとおりであります。また、温暖化による干ばつの影響は、オーストラリアからの飼料穀物のさらなる高騰を招いております。これによる影響が十勝の畜産農家のみならず、日本じゅうの畜産農家の経営を圧迫しており、自給飼料の生産のできない農家は軒並み赤字になっているからであります。辛うじて自給生産のできる北海道の農家のみ、ぎりぎりの経営を行っていますが、実際には赤字に転落している畜産農家も多く見受けられます。 さらに、今後毎年0.5度から1度温暖化が進み、日高山脈の雪解けが早まれば、十勝地方でも夏に干ばつの起きる可能性があります。そうなれば自給飼料の栽培はおろか、十勝における農産物すべてにおいて水不足の影響を受けます。また、気温上昇による予期せぬ病害虫の発生や豪雨と干ばつの繰り返し、本州に来ていた台風の襲来等、農業に及ぼす悪影響ははかり知れません。森林をすべて切り開き、河川を直線にして水の保水力をなくした結果どうなるかは、だれもが予想できることでありましょう。十勝の農業は、間違いなく温暖化の影響を受けます。 十勝から農業をとれば何が残るのでしょうか。私たちは、温暖化による影響を真剣に考えたことがあるのでしょうか。地球温暖化による本市における産業や市民生活への影響をどのようにとらえているのでしょうかとの質問には、農業には大きな影響があるとの御答弁でしたが、具体的なお答えではなく、認識の甘さを指摘せずにはいられません。十勝農業が今後置かれるであろう状況をしっかり認識していただきたいと思います。 御答弁いただいた中で、これまで本市が取り組んできたCO2削減策と温暖化対策にはとの質問に対し、ISO14001の取得、エコオフィスプラン、帯広市地域省エネルギービジョンプラン、また太陽光発電や木質ペレットストーブの普及を行っているとのこと。それなりの取組みを行っていることは認めますが、今後はもっと大胆な取組みが必要であります。 洞爺湖サミットについては、地球温暖化防止と持続的農業を考える国際シンポジウム及び環境を考えるシンポジウムを開催するとのことであり、我が地域をアピールするよいアイデアと申し上げます。ぜひ成功させてください。 帯広市環境基本計画は、資源を賢く使うまちづくりの目標8項目において、ごみ排出量や家庭用太陽光発電システムの助成など、4項目で目標を達成しているとのことでありますが、一番CO2の排出量が問題となる電気はプラス23%、灯油が約30%多くては話になりません。 さて、ここで質問いたします。 1、地球温暖化については、市民への情報発信や普及啓発、地域資源を生かした新エネルギー等の導入促進などにより、地域に密着した地域の特性に応じた施策を推進するとありましたが、逼迫した意識は余り感じられなく、何をしたいのかよくわかりません。具体的なお答えを求めます。 2、帯広市環境基本計画は、次期計画設定が今年度から2年間で策定予定とのことでありますが、次期計画は、まだまだ高い目標設定でなければなりません。ここで伺いますが、現時点で前計画と比較してどのくらいの目標を設定しているのかをお伺いいたします。 3、市民への情報発信だけでは不十分であります。普及啓発をしっかりしなければ行動の実績につながりません。他都市でも市民に広く啓発活動を行っているところもあります。帯広でも、まず初めに帯広市ホームページでCO2の計算もできるようにしてはいかがでしょうか。また、企業にもCO2計算ソフトを開発、販売してはいかがでしょうか。 4、道は、環境貢献度認証制度を設け、認定企業を道のホームページでPRし、認定マークの使用を認め、さらには道発注の入札に関しても考慮するそうです。本市でも優良企業には表彰制度を設けることが有効と考えますが、お考えは。 5、北海道では、温室効果ガス削減11%を目標に北海道環境基準計画をまとめました。私たち十勝の自然と農業を守るために、積極的にこの計画を実行しなければなりません。道と連携してモデル地区となるような活動を実践する方法はないのかをお伺いいたします。 十勝の環境を守るためには、実践できることは思い切った施策が必要であると考えます。東京でも検討しているようでありますが、十勝型の環境税等を検討してはいかがでしょうか。 6、私は、平成18年12月議会でバイオマスタウン構想の実施を求めたところ、帯広市内には廃棄物系や未利用系の有機性資源として、作物残渣、家畜排せつ物、木質資源が多数あることから、これらのバイオマス資源の活用促進を中心とした構想にしたいと考えてございますとお答えになりました。あれから1年4カ月が経過しましたが、実用化しているのは民間が行っているBDFぐらいでしょうか。具体的な取組みが遅いと思いますが、今年度は具体的に何を考えているのかをお伺いいたします。 最後に、国では京都議定書達成のために、昨年ハンガリーから約1,000万トンのCO2排出権を200億円で買収、今後毎年2,000億円の買収が予測されています。そこで、政府はCO2削減のため、国内の研究にいろいろな補助金を出しています。環境対策に対する事業は今がチャンスでありますが、本市としてR&Bにつながるような政策はあるのでしょうか。 以上伺いまして、2問目の質問といたします。 |
◎砂川敏文市長 | 初めに、職員の特殊勤務手当につきましてですけども、現在職員団体と継続して交渉しておりますことから、関係職場との具体的な交渉の内容等につきましては申し上げる段階にございませんので、御理解をいただきたいと思います。 次に、帯広市版市場化テストについてでございますが、これにつきましては新たな制度でもございます。今後導入に向けた十分な調査検討が必要と考えております。平成20年4月、ことしの4月から市場化テストの実施手法や事業の選定などの調査検討に着手しまして、できるだけ早い時期の導入を目指したいと考えているところであります。 次に、人事評価制度についてでありますけれども、帯広市の退職手当制度につきましては、国に準拠しているものでございまして、平成18年度までは退職時の基本給を基礎に、勤続年数に応じた支給となっておりましたが、平成19年度の国の給与構造改革の実施に合わせまして、帯広市におきましても年功的でありました退職手当制度も大幅な制度の見直しを行ったところであります。今後、新たな評価制度を導入することで、職員の努力が退職手当にもより適正に反映されるものと考えております。 次に、農業についてでございますが、ことしの2月に国の畜産物価格関連対策が決定されまして、当面の畜産、酪農経営の安定対策が講じられたところでありますけれども、配合飼料価格安定制度のあり方や生産コストの適正な価格転嫁などの課題は、今後に残されたままであると考えています。さまざまな機会をとらえまして、地域が抱えます畜産、酪農経営の状況を国へ訴えてまいりましたが、今後とも抜本的な安定対策につきまして、関係機関とともに国へ強く働きかけてまいりたいと考えております。 次に、農畜産物の高付加価値化と輸出についてでございますが、我が国の産業は科学技術の研究成果を最大限活用することによりまして、大きく発展してきております。農業の分野におきましても同様であると考えております。遺伝子組み換え作物の研究開発は、食料の増産あるいは耐病性作物の開発など今後の食料問題に貢献すると言われておりまして、将来に向けて研究開発の必要性があるものと考えてございます。 しかしながら、現時点では安全評価に関する国の評価基準等はありますものの、遺伝子組み換えによりつくられた農作物に対する消費者の不安があることも事実でございまして、遺伝子組み換え農作物についての試験研究開発を試験研究機関以外において実施することは、慎重に対応すべきものと考えてございます。 次に、リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想についてでありますけれども、帯広市が持続的に発展していくためには、やはり足腰の強い産業の育成が必要であるというふうに考えてございます。このため、リサーチ・アンド・ビジネスパーク構想では知の創造拠点でございます大学や試験研究機関、こうしたところの研究成果を産学官が連携しまして産業側に円滑に移転し、新たな技術や新製品の開発などの事業化を図っていく仕組みづくりや、行政としての支援のあり方について検討を進めているものでございます。 ウィスコンシン州立大学を核とします産と学の連携システム、ワーフあるいはURP等々のお話がございましたが、このシステムにつきましてはその規模とか、あるいは研究分野等で異なる場合があります。当然ありますが、大学等との研究成果を産学官が連携して、その地域の産業の振興につなげていこうという考え方、意図というのは同じでありますことから、これを十分に参考としながら、今後の当地域の産官学連携事業の充実に努めていく考えでございます。 次に、環境対策とCO2削減に向けた取組みについてでありますけれども、次期の環境基本計画の目標設定につきましては、現計画での目標項目の進捗状況や帯広市のCO2排出量の検証など行いながら、現下の状況を踏まえまして、現計画よりもより高い目標設定を目指していきたいと考えているところであります。 御提案ありました省エネ家計簿につきましては、先進事例などを調査研究を重ねまして、ホームページ上での各御家庭のCO2の排出量を計算できるように、そういったホームページ上で展開できないか、検討してまいりたいというふうに考えています。 また、環境貢献企業の表彰制度の御提案につきましてでございますけれども、お話のように、北海道が平成20年度にこの環境貢献企業認定制度、これを創設しまして、平成21年度に認定を始めると伺っておりますので、帯広市におきましてもその認定基準、手法などを参考にしまして、これに準じた制度を検討していきたいというふうに考えてございます。 それから、十勝型環境税の導入につきましてのお話がありましたが、この環境税につきましては、住民の暮らしあるいは景気への影響など、幅広い観点からの検討が必要であるというふうに考えておりまして、現在国あるいは北海道でも検討されているところでございます。これらの議論の推移も見守りながら、慎重な対応が必要と考えているところであります。 次に、地球の温暖化への具体的な対策、取組みについてでありますけれども、これまでも出前環境教室やあるいはホームページによります情報の発信、あるいは環境交流会などによります普及啓発を行いますとともに、この地域の特性に応じた新エネルギーなどの導入促進ということを進めております。家庭用太陽光発電システムや木質ペレットストーブの導入のための補助事業を行ってきているところでございます。今後もこれらの事業を推進していきたいと考えております。 現在、地球温暖化の進行に対する早急な対応が求められているということはおっしゃるとおりでございます。バイオマス資源の有効利用の観点から、CO2削減を目的とした環境対策が重要な課題の一つであると認識しております。十勝は、バイオマス資源が豊富に賦存する地域でございます。こうしたバイオマス資源の利活用によるCO2削減の取組みが進められている、そういう意味では先進的な地域の一つであると考えてございます。 帯広畜産大学を中心としました産学官の連携によりまして、家畜ふん尿を利用したバイオガスプラントの余熱を有効利用した小型熱輸送システムの技術開発に取り組んでおりますほか、財団法人十勝圏振興機構におきましてはE10燃料、ガソリンに10%のバイオエタノールを混入するというE10燃料の導入環境を整備するための試験などが行われておりまして、今後の成果が期待をされております。 帯広市のバイオマスタウン構想につきましては、平成19年度に道立の十勝農業試験場が中心となりまして、小豆の豆がらやナガイモネットのペレット化の研究を開始をしたのを初め、民間のバス事業者が中心となりましてバイオディーゼル燃料、BDFを使用した路線バスの運行や、住民と連携をしました廃食用油回収システムの実験などを行っているところであります。 さらに、ことしの1月でございますけれども、市内の酪農家の皆さんを中心にエコフィード協議会が設立されまして、平成20年度に農水省からの補助を受けまして、エコフィード総合配合飼料センターの設置に取り組みますほか、帯広市におきましても廃食用油回収と公用車のバイオディーゼル燃料利用の実験の実施など、バイオマス資源の利活用に向けた取組みを進めていきたいと考えているところであります。 以上であります。 |
質問3回目
24番(小森唯永議員) | 帯広を取り巻く環境は、社会経済構造の変化、長引く景気の低迷と、及び税改正の影響による歳入減、少子・高齢化社会の到来、多種多様化する市民ニーズ等に対応するための歳出増というパターンにより、これから悪化を招くことが予想されております。これまでも本市は行財政改革大綱、実施計画等を作成し、行財政改革を推進してきましたが、さらに前例にとらわれることのない思い切った行財政改革が必要であります。 今、行革本部が行おうとしている人件費中、人事評価制度の導入などや特殊勤務手当等、管理的経費の見直しなどとともに、市民とのかかわりの深い帯広市版市場化テストの事務事業について、受益と負担のあり方について見直しを行うとのことであります。 これから推し進めようとする行財政改革は、帯広市が旧来の行政のシステムから抜け出し、市民と行政が一体化したパートナーシップに基づく新しい行政システムに転換するためのものであります。このためには、行政が市民と情報を共有しながら、市民が納得できる真の行財政改革でなければなりません。今回提案された事案は、いずれも長年検討されていたものばかりであり、もう先送りされるべきものではありません。 市長は、市役所経営者であると同時に、市役所唯一の市民代表でもあります。職員との交渉には、職制をもって当たるとありましたが、今、交渉に当たっている管理職員も、もとはといえば同じ職員であります。古巣にけんかを売っているようなものではないでしょうか。特殊勤務手当廃止には、私の質問には今明確にお答えいただけない部分がありました。どの部分が反対しているのか、どの部分が納得しているのか、これについてはお答えいただけなかったわけですけれども、今年度後半になってその結論が出るものと期待しております。出なければ、またその時点でお伺いをしたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。 人事評価制度は、ことしから検討、できるだけ早い時期の検討を目指すということ、明確な実施時期は示されませんでしたが、早急な実施をお願いいたします。職員の就業意欲を高めるためにも、早期実施を申し上げます。 退職金につきましては、市内の平均よりも市職員の方が高いようでありますが、しかし民間でも3,000万円以上支給されているところもあります。要は、優秀で一生懸命働いた職員と、定年まで漠然と働いた職員に私は格差をつけるべきと申し上げたいのです。健全な行政は健全な財政なくしてありません。今後速やかにさらなる改革を求めます。 産業振興とR&Bであります。 農業粗生産額、全国順位ベスト5は1位、田原町、愛知県、779億円、2位、新潟市、新潟県、694億円、3位、鉾田市、茨城県、533億円、4位、浜松市、静岡県、524億円、5位、豊橋市、愛知県、495億円であります。 残念ながら、北海道はどこの市町村も入っていません。十勝管内各町村や帯広市は農業王国と言われながら、本市の250億円は管内トップの粗生産額ですが、全国10位にも入れません。トップの田原町は、合併して現在田原市でありますが、人口6万6,698人、面積188.81平方キロメートル、帯広市、面積618.94平方キロメートルで、田原市の面積は帯広市の3分の1にもなりませんが、粗生産額は逆に3倍もあります。 これでわかることは、新潟の米作を除き、政府干渉作物が入っていないことに気がつきます。これらの各市は、少ない面積で効率的な農業経営を行っております。栽培作物は花卉や野菜が主なものであります。ここの作物の主な種類は、遺伝子組み換えによる花卉のバイオ栽培、高付加価値のある季節野菜等であり、これからの十勝農業の姿を予測することができます。バイオ技術を生かした農業、新たな作物の作付、現在の作物の高付加価値化等、十勝農業にはまだまだ研究の余地があります。 しかし、今いただいた御答弁では、遺伝子組み換えによる農作物を試験研究機関以外において研究開発することに関しては、慎重に考えるべきとのお答えでありました。北海道のどこの研究機関で研究開発を行っているのでしょうか。聞いたことがありません。遺伝子研究に否定的なお答えであり、私は時代錯誤ではないかと思います。 私は、食用作物に遺伝子組み換えをすれと言っているのではありません。現在、外国では飼料用も含めて遺伝子組み換えが当たり前のように行われております。国内でも、遺伝子組み換え技術による花卉園芸栽培は、サントリーが開発した青いバラのようにどんどん行われております。田原町は花卉園芸を中心に、本市の3倍にもなる農業粗生産額を上げ、日本で最上位を占めているのです。 例えば、菜種の遺伝子組み換え、これはだれにも迷惑かかることでしょうか。ごくわせの菜種を開発すれば十勝地方でも二毛作が可能になり、バイオディーゼル、BDFの生産が高まります。今、十勝で取り組まれているバイオエタノールの原料となるビートにしましても、燃料用なら遺伝子組み換えも研究すべきであります。低農薬、高収入、特許料収入等、大きなメリットが見込まれます。 現に米国では、バイオエタノール用トウモロコシは、すべてと言っていいほど遺伝子組み換えであり、何の問題も起きていません。十勝は農業王国といっても、世界や日本の先進地域からはどんどんおくれをとっていくのであります。R&B対応とあわせ、認識の甘さを言わざるを得ません。 我が十勝は、肥沃で広大な大地、作物栽培に適した気候、畜産大学を初め数々の研究機関等があります。しかし、管内農業者が置かれている状況は決して安定しているものではありません。特に、飼料の高騰による畜産農家の現状は深刻であります。この現状を乗り切り、さらに安定した農業経営を営むには、農業者はもとより行政の助力が必要であります。 行政の助力とは、忙しい農業者にかわって消費者の動向を把握し、世界の農業情勢を分析し、最新の技術を紹介し、研究機関とともに試験分析及び新作物の育成を行い、地域ブランドのPR、産業間連携を行うことであります。その中心でならなければならないのが帯広型R&Bであります。今いただいた御答弁には、どうもその心意気が感じられませんが、今後の取組みの推移を見守らせていただきます。 環境対策とCO2削減に向けた取組みについて、種々お答えをいただきました。地球温暖化については、太陽光発電等の補助事業を継続するとありました。帯広市環境基本計画は、次期計画設定が高い目標にするとのことで結構であります。また、市民への情報発信では、帯広市のホームページでCO2の計算もできるようにするとのことで前進であります。 ここに鹿嶋市の省エネ家計簿があります。電気、水道、ガス、灯油、ガソリン、軽油、これらの数値をここに入れてCO2排水量計算というところをクリックすると、トータルの排出量の合計が出ます。それが1,000キログラムですとか2,000キログラムですとか出るわけですけれども、そしてあなたの家庭から排出されたCO2を吸収するために必要な落葉広葉樹は10.何本ですとか14本とか出るわけなんですね。ですから、こういうのをつけることによって市民の意識というのは随分変わると思います。広葉樹、私は何本の木を育てなきゃならないんだ、今月は幾ら減らしたんだ、こういうことをやはり私は市民に知ってもらう必要があるんではないかと思います。そういう意味で今回帯広市もこれに取り組んでいただけるということで、大変ありがたいことだと思っております。 しかし、企業用のCO2計算ソフトの開発については御答弁がありませんでした。市全体で、市民全体で温暖化防止に努めなければ、これは意味が半減してしまいます。ぜひこれは導入に向けた取組みをしていただきたいものだと思います。 表彰、認証制度につきましては、道に準じた考えをお持ちとのこと、道の対応より後退しないようにしていただきたいと考えます。特に、市発注の入札につきましても環境貢献度の要素を入れていただくよう強く求めます。 自治体の中でも、先進的な自治体では既にさまざまな具体的な省エネ活動に取り組んでいます。例えば、仙台では2002年5月に、仙台市地球温暖化対策計画の中で、2010年度における1人当たりの温室効果ガス排出量を1990年度比7%削減するという目標を設定しました。2002年11月、仙台市地球環境温暖化対策推進協議会を設立するなど、積極的に温暖化防止対策を展開しております。町内会におけるセルフチェックシートの取組みについては、約160世帯で実験を行い、CO2排出量を1カ月1世帯平均で15.9%削減したとの実績もあるそうです。 本市でも資源を賢く使うまちづくり、循環型、環境保全型社会とのタイトルで帯広市環境基本計画が策定されています。せっかくの政策を全く市民が周知していない、非常に残念であります。今後策定される帯広市環境基本計画は、目標到達に向け有効性のある行動計画を求めます。 私たち先進国1人当たりCO2排出量は、発展途上国の何倍にもなると言われており、ここまで温暖化にしてしまった責任があります。日本では、大企業や大工場ではそれなりに現在CO2の排出量削減を行っていますが、小規模事業所や一般家庭ではCO2の排出量が大幅にふえています。意識不足が原因と思われます。ここにおられる方にしても、どれだけ意識してCO2削減を考えたことがあるでしょうか。 日本人は、国もそうでありましたが、国民も全くと言っていいほど無関心でした。結果、京都議定書の達成どころか、逆に6.9%もふやし他国のひんしゅくを買ってしまったのであります。負の遺産を子供たちや孫に残してはいけません。私たちみずから行動しなければなりません。十勝の自然を守り、農業を育てるために、砂川市長の指導力を期待いたします。 最後に、地球温暖化防止に真剣に取り組んでいる外国の事例を紹介いたします。 イギリスの停滞税も、ロンドン市長がリーダーシップをとって始まったそうです。地方が主導して国を動かすことは、イギリスが特別ではありません。私たち地方からでもできないはずはないのであります。 ドイツの人口わずか800人の小さなユーンデ村の取組み、この村ではエネルギーを自前でつくっています。村の中にいる800頭の乳牛と500頭の豚のふん尿を原料に、メタンガスで発電し村の電気をすべて賄い、余った電気は電力会社に売電しているとのこと、さらに発電の際の熱を温水にして、村全体の家庭で利用しています。 また、人口28万人のミュンスター市では、ドイツで最も温暖化対策が進んでいると言われております。CO2を22%削減し、コンテストで温暖化防止首都にも選ばれました。砂川市長も自転車の愛好家とお聞きしますが、ここでは子供から大人まで、人口の2倍近い40万台の自転車が登録されています。自転車専用道路はまちじゅうで100キロを超えているそうです。また、買い物の際、ラップやトレーは使わなく、野菜等もマイバッグで持ち帰ります。コンポストによる堆肥化も徹底することにより、ごみとして排出する量は1カ月、1家庭でたった5リットル少々であります。私たちには考えられない量でありますが、実際にそれだけしか出さないそうです。住宅の断熱化には市の補助金が出るそうでありますが、自分でできる工事は自分で行うそうです。市では、エネルギーパスをつくり9段階の診断を行い、優秀者には市より表彰されるとのこと。さらに、市では専門の指導員を置いて省エネ対策に当たっているそうであります。 市民のお話であります。自分でできることは自分でする、小さなことでもみんなでやれば大きな効果が出るを申し上げて、私の質問を終了します。 |